フォカッチャのサンドイッチ

 夏の終わりころ、山梨の慧光寺から山ほど送られてきたフレッシュバジルを何ビンもバジルペーストにして冷凍保存しております。このペーストは、これから1年の貴重な保存食調味料になります。

 バジルペースト(=ジェノベーゼ)は普通、バジルとオリーブオイル、ニンニク、松の実、パルメジャーノ(粉チーズ)を粉砕し、すりつぶして作るのですが、あまり長期保存のきくソースではありません。
 バジル、ニンニク、塩(多め)、オリーブオイル(多め)だけをフードプロセッサーで粉砕し「半加工状態」にして、これを空きビンに詰め、冷凍庫で保存すると、いたみや退色もなく、フレッシュな香りもそのままに長期保存ができます。
 パルメジャーノと松の実は、使うつどに、その分ずつを混ぜ込めばいいのです。チーズや松の実を混ぜてしまうと長期保存がきかなくなります。

 ジェノベーゼはバター代わりによく使います。トーストに塗ったり、パスタを和えたり、ドレッシングソースに混ぜたりします。

 ローストオニオンや黒オリーブをパン生地に混ぜ込み、オリーブオイルを塗った表面に粗塩とハーブをふりかけて焼き揚げるフォカッチャ。(パン生地そのものはフランスパンの生地と同じでいいです)。ピザの原型と言われている昔からの平パンです。
 フォカッチャ作りにもバジルペーストは大活躍します。生地(の最後の捏ねの段階)に混ぜ込んでもよいですし、トーストする時に、塗って焼きあげてもいいです。

 大型に焼きあげたフォカッチャは、たいがいサンドイッチにします。中の具はお好み次第、何でもいいんです。横2枚にスライスしたフォカッチャの切り口にジェノベーゼをたっぷりと塗り、ハムやベーコンや野菜をはさみます。ピザのように三角に切り分けていただく野趣あるホットサンドイッチです。
 おおざっぱな感じがいいですねえ〜。英国スタイルのお行儀のよいサンドイッチでは物足りない方にはぴったりです。フォカッチャそのものは製パン性の低い、あまりパン技術の必要ない原始的な平パンです。焼きあげる前にオイルを塗るので、焼き色も豊かにつきます。(オーブンレンジ使用の人でも大丈夫ですよ)。休日のランチや、お酒のおつまみにもぴったりです。お試しあれ。