自然発酵種のパン作りを本にするために、真夏だというのに、またまたゼロからの種起こしです。
現実際は、種そのものは、四半世紀も前に起こしたものを延々と種継ぎして使っているんですけどね。でも、種起こしのハウツーを書いて写真を撮るために、またまた…ですよ。
こういうのを自分に強いるヤラセとでもいうのでしょうか。
真夏の自然発酵は早いのです。写真のものは昨日の昼に捏ねた小麦粉。常温に放置し、半日ほど経った早朝(朝6時)。生の小麦粉団子(小麦粉と水だけを捏ねたもの)は、すでに自分勝手に発酵生地になってしまっています。写真・気泡が立っているのが見えますでしょうか?
こうなれば、しめたものです。初期発酵を確認したら、真夏は早々に冷蔵庫保存に移行します。(調子に乗って真夏の室温に置いておくと、イキすぎちゃうからね)。あとは数日に1度、種継ぎ(小麦粉と水を捏ね混ぜる意味)を1ヶ月間ほど続けます。それで、自然発酵のパン種(老麺)の完成です。
写真・この程度の単純な初期発酵では、さほど美味しくはありませんし、発酵力も安定した強さはありません。時間をかけて(最低でも1か月ほど)種継ぎすることで、力を安定させて強めます。
もし、白い小麦粉で初期発酵させることができなかったら、アタ(全粒粉)を最初の1回目だけ使ってみてください。全粒粉なら、百発百中で自然発酵しちゃいますから。
でも、使うのは1回目だけです。そのあと(冷蔵庫保存中)の種継ぎは白い小麦粉で行ってください。
涼しい時期(春や秋)の常温放置に関しては3日前後です。夏の自然発酵は早すぎます。まあ、写真を撮りたかったから、早い方が便利なんですけどね。種としては夏よりは時間のかかる涼しい時期の方が質が良いです。
真夏は菌たちの活動が活発で、いとも簡単に何でも発酵させることができますが、同時に不必要な腐敗菌もつけてしまうおそれも高まりますし、逆に乳酸発酵が強くなりすぎたりすることも起きます。この時期、種起こしは簡単ではありますが、注意も必要です。