グロッキーの続編

 ブログを久々に更新している途中で、ラッパの豆腐屋クンが来てしまったので投げ出して、尻切れトンボになってしまった。(そうだよ、私は生徒諸君や元・生徒の君たちよりも、美味しい豆腐を買うことのほうが大事なのだよ。これは教室の皆も承知の事実で、豆腐屋が来たら、たとえ教室中でも皆を投げ出して豆腐を買いに走るのです)。

 丸一日、店をサボったお陰で、夜には元気復活。(酒を飲んだせいという話もある)。ご飯もちゃんと食べたし。久々にゆっくりした。と、思っていたら、潤ちゃん店長から電話。「明日の早朝入店許可の書類を出しておきましょうか?」(余計なお世話です)。水曜セールの料理を(極当然のよーに)作っておくれ…とな。ははははは!
 まかせろ。いくらでも作ってやるぜ。私は今、家で酒飲んでいるから、アンタはさっさと買出しに行っておくれ。材料さえそろえておいてくれれば、朝だろうが夜中だろうが、なんぼ〜でも作ってやるけんねーだっ。くそ!
 秋野菜の煮物を作る。得意技だ。野菜を残して、ごぼうやれんこんやナスの和野菜の
ピザも作ろうと思っている。海苔とチーズをたっぷりトッピングしてね。和野菜はラタトーユ仕立てにする。ピザソースもたっぷり作っておいたし、直系30cmいじょうもあるピザ皮も焼いておいた。(サボっているわりには、やはり潤のことが心配で、実はこそこそ家で仕事していたという話もある)。

 店の致命的持て余しスペースはガラスのショーケースなのです。作りたてホヤホヤの熱い料理を並べることができない。貧相な常温の陳列台(このスペースは狭い)とオープン冷蔵スペースしか役に立たない。店のどの料理も冷めるのが遅い和惣菜。揚げ物やパンなどのスカスカ空気を含むものならすぐに冷めるのだが、煮物はなかなか冷めないのです。結局、一番目立つガラスケースの中には、まともなものが並ばない。並べたとしても、なんともはや…残り物的ムードしかかもし出さない。その上、パッキングしたものと違って、表面は乾くし、ライトで焼けて退色してしまう。サラダ類の冷製を思いついて並べてみたのだが、店はこれも売れ残す。(売れる前にモノが退色してしまう)。やむなき方策でサンドイッチを思いついた。ガラスケースの中でライト焼けしたサラダをサンドイッチの中にはさみこむ。惣菜は玄米弁当や雑穀弁当にさっさと転用して使いまわしてしまう。ともかく、ガラスケースの冷蔵庫の中には長時間、料理をディスプレーしておくことはできない。致命傷だ。
 自分が催事で商売やるときも、ガラスケースだけは絶対に使わなかったのです。非常に不合理だから。客が自分でピックアップできない陳列商品には、ピックアップ要員の人材を張り付けておかなければいけない。平積みや山積みができないガラスケースのスペースから、その分の人件費を捻出するのは難しい。ガラスケースに並べるものは高額なチョコレート製品や生ケーキだけで、単価の低いものを並べては絶対に失敗する。
 で、立川の店のガラスケースの中には…。おからだの切り干し大根だのひじきの煮物だのが、並んでいるわけよ。私の目からは奇異な光景にしか見えないのだけれど。大衆的な家庭惣菜をガラスケースに陳列して、んで、なんぼや?ゴディバのチョコなら分かるけれどね。生寿司類でも分かる。しかし…。切り干し大根、おから、ひじき。これからは大根の煮物も並ぶであろう。嗚呼、絶望的だ。そして、その料理を作っているのが、私だ!笑える。
 あまりにも恥ずかしいので、店には絶対に顔を出さないようにして厨房に閉じこもっているわけよ。直視できないのですもの。売り子役は人任せ。最近は料理も人任せにして、私はパンや焼き菓子に逃げ込もうと思っている。今は焼き菓子をガラスケースの中に並べることを考えている。和惣菜と焼き菓子の異常な同居をいかに蛮行するかを。その上、ガラスケースの中で持て余された和惣菜をピタパンのサンドイッチやピザに作りかえる野望までも企んでいるのだよ。ともかく、経営の窮乏状態を意地でも救ってあげなくては。夕方になったら安売り、それでも売り残したら、ただで配る、捨てる、という悪循環を生産的な視点で切り替えなければいけない。別に、古くて腐らせてダメにしているというわけではないのだから。陳列のダメージで商品価値を失ったものに付加価値をつけて再利用するアイディアが店の人たちにはないのです。作る厨房現場の実務的苦労や忙しさを知らないからね。だから、こここそが、厨房の人間の知恵の絞りどころなのです。(ここが面白くて、わざと苦労しているという話もある)。厨房ペアの昌弘は、今では一丁前に料理を作れるようになった。定番惣菜は任すことができそうだ。(問題は肝心要の潤が全然まだダメなことくらい)。

 あ、やばい。夜中から書き始めたブログ、気がつけば朝の4時になっている。少しでも寝なければ。朝は6時起きだ。今から寝れば2時間は寝れる。