糠にマメ

 3月に入り、温かくなってきたら糠みそ漬けを再開します。冬の間、手入れせず休眠させていた糠みその中の菌たちを目覚めさせる時期です。

 で、…こいつらが、なかなかお目覚め遅いんだなあ〜。糠みそに比べると、ウチの娘などは本当に寝起きの良い子だったなあ〜。

 まず、糠床の上のほうだけを取り除いて(捨て)、糠、塩、水分を足してよくかき混ぜて、塩分と水分の調整を行います。(ほどよい塩加減と固さを回復させましょう。)

 さて、その後です。私は糠床の復活材料として、酒粕を混ぜ加えるのです。糠床1kに対して5,60gくらいだから、大量ではないのですけれどもね。酒粕が、死んだように眠っている糠床の元気を回復させるのに大いに役立つことに気づいたのは近年です。これを入れると、居眠り糠床はメキメキとお目覚めになる。酒粕はイキのいいやつをしんちゃんからもらった。(美味しい酒粕だった。娘が甘酒大好きなので、甘酒も作りました。)糠床のイキがよくなるからと言って、調子に乗ってたくさん入れすぎると、糠漬けではなく粕漬けみたいな漬物になっちゃうから気をつけてね。
 そのあとは、鰹節やアゴ煮干、昆布や唐辛子などの旨味だしを適量混ぜ加えます。鰹節やアゴなどの動物性だし材料は旨味も強いけれど、その個性も強いです。使いすぎてしまうと「あ、鰹節の味」なんて、隠し味がばれてしまう。これは、ちょっと悔しい…です。

 そこで、マメ。蒸し大豆なのですよ。大豆は働き者で、陰役者として旨味だしの役目も果たすのです。春味噌仕込みに用意した大豆を一握りか二握りほど、糠床の中に混ぜ込んでみてください。

 野菜を漬け始めて3,4日目から、とても美味しい糠漬けを食べ始めることができます。(3,4日間は塩なれしていないので、塩気が先立つような味です。その間は捨て漬けをしてもいいでしょう。)