玉ねぎの調味料3種

 玉ねぎほど調味に活用される野菜は、他にないのじゃないかしら。

 ともかく、台所に「絶対に必ず」なければいけない野菜が玉ねぎですね。

 いろいろな出版物で、すでに登場させているものばかりなので、新顔ではありませんけれど。我が家の玉ねぎ調味料3種です。

 まず、右下の板状のもの。これは、茶色くペトペトになるまで長時間、玉ねぎを炒めたものです。生玉ネギ重量の3分の1重量くらいまで、濃縮されています。1・5kの玉ねぎを炒めても、500gほどしか出来上がりません。

 時間も1時間以上、ゆうにかかります。手間暇かかるので、時間があるときに大量に作り、ポリ袋に分封し、板状にのして冷凍保存しています。

 これさえあれば、本格的な味のカレー、ボロネーズソース、ベシャメルソース、オニオングラタン、ビーフシチュー、デミグラソース、ありとあらゆるスープ類が、あっという間に簡単に出来上がってしまいます。オニオンソースも3分間クッキングで出来ちゃうし。

 洋風の料理の味が、今一つ決まらない時にも少し加えます。すると味は、にわかに円やかさと奥深い甘みが生まれます。

 私にとってはなくてはならない影役者の調味料なので、これだけは絶対に冷蔵庫に切らしません。

 中央奥が、みじん切り玉ねぎのピクルス。みじん切りにした玉ねぎを塩もみし、水気を絞り、酢に漬け込んだものです。

 いろいろな料理に使えるように、あえてスパイス・ハーブなどの香りづけはしていません。

 これは、サラダドレッシングづくりに転用してもよし。サラダの上に、あられのようにふりかけてもよし。マヨネーズやケチャップに混ぜ込んでもよし。

 サンドイッチやハンバーガーづくりにも必需品ですし、締まりけのない味の炒め物などに混ぜ加えると味が締まる。

 日持ちするので大量に作り置きしてもいいのですが、すぐに作れちゃうので、いつもは玉ねぎ1個分くらいの量しか常備していません。でも、カラフルな野菜のピクルスよりも、よほど登場機会の多いピクルスです。

 さて、左側が、今回のパン教室ご出演のフライドオニオン。これも、パン作りだけではなく、料理にも大いに役立つ材料です。

 野菜サラダのトッピングにしても美味しい。グリルしたベーコンにからめたり、煮込みハンバーグに同居させてみたり。スライスしたパンにのっけてチーズをトッピングして、とろとろに焼き上げてもウマい。

 パスタの仕上げにソースと共にあえてもよし、スープの具材にぶちこんでも、いとウマし。

 いよいよ酒のつまみがなくなったなら、これに塩コショウをぶっかけて、ちまちまつまむのも悪くない。

 このフライドオニオンを入れた小麦粉団子というものがあります。団子の両面を油で焼いて、きつね色にしておくの。

 で、このフライドオニオン団子を洋風の煮ものに入れるんです。いうなれば、日本のおでんの「ちくわぶ」のようなもの。

 人参、玉ねぎ、じゃがいも、ゆで卵、玉ねぎ団子、そして牛すじか、または、羊の肉、これらをスープでコトコト長時間煮込み、味付けは塩コショウとパプリカパウダー。赤い色の煮ものになるんです。

 この料理、たぶんグーラッシュっていう名前だったっけかな?(忘れてるわ)。記憶はあいまいだけど、以前、中東の友人に教えてもらって、食べさせてもらった料理。美味しかったけど、中でも私は、玉ねぎの小麦粉団子が一番好きでした。

 肉や卵よりも、小麦粉団子を喜ぶので、苦笑されちゃったけど…。この小麦団子は、ポトフなどのスープに入れてもいいし、ビーフシチューに入れるのも楽しい。

 玉ねぎ1kがあるだけで、いろいろな料理の調味料ができちゃいます。

 なお、これから出回る「新玉ねぎ」は、生食や、さくっと軽い加熱に向くもので、新鮮で水気の多い玉ねぎです。調味料として加熱調理しておくものには、少し不向きです。

 炒めて、かさを減らす玉ねぎ調味料づくりには、皮が赤茶色い「熟女玉ねぎ」(あえて古玉ねぎとは言わない)を使用してください。みずみずしさには欠けますが、ばしっと目が詰まっています。

 熟女玉ねぎは、根と真ん中の芽の部分を必ず取り除いてから使ってください。(ここの部分を使うと、玉ねぎの味を下げます)。