古種で焼いたフランスパン

 白い生地のフランスパンづくりには、発酵完了後、保冷で2、3日寝かせて落ち着けた種が適しています。(50%種配合)

 4日目以降の熟成種は、酸化種と相性の良いライ麦配合のフランスパンに向きます。

 では、熟成が進んだ古い種(5日目)を白い生地のフランスパンに使うと、どのようになるのでしょうか。

 写真は、20%の5日目種+20%の3日目種のブレンド種で作った白い生地のフランスパンです。(天板にのらないほど、ビローンと長く成形したものをリングにして、エピのカットで焼成)。

 2,3日前に焼き上げたものなので、ことさらに老化して、オバーチャンみたいになっていますが、焼き上げた当日も、若種ほどの色づきの良さはありませんでした。

 酸化の進んだ古種のphは、ライ麦配合生地には良い作用で働きかけますが、フランス粉だけの生地には、酸度が高すぎますね。たとえ、ごく少量(20%)でも、生地を酸化に傾けます。

 低すぎるphの種は、フランス粉生地のパンの焼き色を劣らせて、風味にも若干の酸味をつけてしまいます。

 しかし、パン・ド・カンパーニュ、パン・ペイザン、パン・ド・セーグルなど、ライ麦粉配合のフランスパン生地には適しています。

 本日、明日と、日中は30度を超える予報です。なかなか適温にまで気温が下がりませんが、「もう秋、絶対に秋なのだ〜」という思い込みで、リーンなパン、フランスパンのバリエーションをしばし、頑張りましょう。