昨日の暑さは、半端じゃなかったですね。熱中症続出だったのかしら、救急車が、あちこちでピーポーピーポーと、忙しそうでした。
暑いけれど、お教室でございます。
「酵母かりん糖」やります。道中、お気をつけていらしてください。日よけの帽子、日傘、水分補給、忘れずに。(レシピは忘れていっていいけれどさあ…。)
30度を越す猛暑の夏場は、パン生地だって「夏バテ」するんですよ。
30度以下程度の温度が必要な、捏ね・一次発酵という、一番大事な土台のステージで、適正な環境(温度)が与えられないからです。
発酵準備、発酵余力が、無い生地に、即、仕上げの二次発酵的な高温が与えられるわけです。
粉を変えようが、パン種を工夫しようが、酵母にとって高温過ぎる環境は苛酷です。あの方々は人間同様に、24度前後くらいが、一番心地よいらしく、心地よい環境でしか、優良子孫繁栄いたしません。
34度の室温で、昨日、私が焼いた食パン。ひでえー出来です。
もう、しょっぱなの捏ねの段階から、でろんでろんの根性無し生地。一次発酵も、イヤイヤとだらけながら膨らみ、酸化の度合いのせいで、暑い割には二次発酵時間が逆にもたつきました。
で、焼きあげたら、焼き縮み。人間同様、パン生地も暑さでバテていた。
この時期、「食パンがうまく焼けない」という、SOSメールが、頻繁に届きます。
うまく焼けなくて、当然なのですよ。
最高温度の二次発酵にですら、32,3度程度あれば十分な、リーンな塩パンです。亜熱帯気温になる夏場の日本で、夏ですら涼しいヨーロッパ的なパンをうまく作ろうとすること自体が無理なのです。
こんな時期は、古代オリエントの東洋的なパンを作って楽しむのが一番です。エジプト、パキスタン、モンゴル、トルコ、中近東諸国のパンは、猛暑の夏場にも耐える形態になっています。
で、実は、こっちのほうが、パン作りの元祖、本流なんです。
食パンや、フランスパンをうまく作れない猛暑の季節。逆手に取って、別の視点から、酵母パン作りの幅広さにチャレンジしましょう。