不眠不休の日々

 十数年前に戻ったかのような作業を繰り返す日々が続いています。こんなこと、10年も前に決別したはずなのにと思いつつ。進歩なし。
 20代30代の若き心身を無謀に摩滅させた過去の記憶を悪夢のように甦らせている。バブルのころは金にはなったけど、今、同じことをやっても昔に戻るわけがない。苦笑。悪夢ついでに、過去の亡霊たちを呼び寄せて「いたこの口寄せ」。恐山か、ここは?午前3時。夜鳴きカラスの声。

 まあ、そんなアホなことはどうでもいいとして。11日の教室は料理教室の予定だったけれど、パン教室に内容変更しようと思っています。
 10日に元・パン教室生徒の種田が来ます。なんとか東京に留めておき、久々にパン修行に参加させたいのです。あいつ、2年間近くもブランクあるからね。忘れちゃっているのじゃないか?「あれ、パンって、どうやって作ったっけ〜?」とか。(まあ、そんなことはないだろうけれど、カンはにぶっているはず)。純子は種田を知っているけれど、それ以外は知らないだろうし、紹介したいのです。ただし、種田が11日まで東京にとどまるか否かはまだ不明。あとからメールを入れてみます。(前もって確認してから決めろ!という突っ込みはあるだろうが…)。種田は出先の岡山で、ケータイしか持っていないからね。夜中の三時に「10日だけじゃなく、11日もうちに居ろ」なんて、この時間に入れられないです。彼は懸案中のダイエーのパン屋をやることに興味を持っているようです。今後1年くらい日本にとどまって、またワーキングホリデーで外に出たいそうです。1年以上もニュージーランドでちんたらしていたくせに。まだまだ懲りていない。困ったもんだ。今度はカナダですって。
 それまで、メチャクチャ働きたいみたいなのよ。「築地の市場の魚屋みたいなところで、ごつんごつんやられながら働いてみたい」なんて言う。「アホか。それなら、もっと、ひどい仕事があるぞ〜」と、話をもちかけたら、市場の魚屋より、もっと痛い目に会いそうなことを感じたのであろうよ八坂村送りに。「わ〜、ひどそ〜。ブルブル」…とか。でも、パン仕事の実績は欲しいようです。
 八坂村で不足なら、うちの田舎のニセコの山送りにでもしようか。オーストラリア資本に買収されて、山の中は完璧に南半球だ。ニセコ町民よりも南半球人の人口のほうが多い。山中の通用言語も英語だ。まさか、ニセコの山中に南半球が存在しているなんて、種田は思ってもいないだろうよ。ビザもワーキングパーミッションも不要だ。パーマネントレジデンスも全く問題なく取得できる。種田よ、ニセコの山でパン屋をやろうぜ。大手ホテルが乱立しているが、美味しい酵母パン屋はない。ウチのパンは日本では報われないが、外人には大うけする。ニセコなら土地代も家賃もメチャクチャ安い。町中は田舎だが、山の中は華やかだぞ〜。どこぞの外国の繁華街みたいだ。外人観光客相手にエグイ商売をやろうぜ。ジャパニーズデリシャス!なんて銘打って和惣菜も並べて。人材が足りなかったら、すぐ近くの洞爺湖の河向こうに元・IBM、元パン教室生徒のツヨシがいる。彼もうちの酵母でパン屋をやっている。ツヨシを助っ人に呼び寄せよう。そして、受けたら、南半球そのものでも展開しよう。

 冗談抜きに、実はマジに、これを考えていたのです。東京のうらさびれた汚い町よりも、国定指定公園のニセコ山中のほうが、よほどずっと華やかで活気があるのです。風景はアルプスの少女ハイジ気分ですし、水も空気も食べ物も美味いし、場所代は比べ物にならないくらい安いし。
 種田よ、ニセコの山に行け!あそこはまさしく外国の国際都市だぞ〜。