れんこんだんご

 昨日の教室では、意外なことに素朴な「れんこんだんご」が大好評だったわ。

 もちろん、バレンタインケーキには、もっと、ワーワーキャーキャーピーピーの大かっさいだったけど。(みんな、お菓子が大好きなのよ〜)。

 レンコン団子(蓮根餅)。

 どーやって作るの?と、聞かれても…。あーた、こんなもんは、すりおろした蓮根に、片栗粉を少し混ぜて、あとは揚げるなり、焼くなり、蒸すなり、煮るなりするだけで…作るというほどのもんでも、ねーべさあ…・。

 とは言ったものの、そーいえば、今まで本にも雑誌にもブログにすら書いたことなかったわね。

 本日は、レンコンを買ってきて、まじめに重量を計りながら、焼き蓮根餅を作ってみました。

 昨日のものは、片栗粉(ばれいしょでんぷん)を使いましたが、本日は(アップのためにミエを張って)吉野葛粉を使いました。(とはいうものの、所詮でんぷんよ)。

1・蓮根300gは薄く皮をむいて酢水に数分さらして、アクを抜いておく。

2・おろしがねですりおろす。

3・すりおろしレンコンを横に寄せると、蓮根の水分がにじみ出てくるので、そこに葛粉大匙山1杯ほどを入れて、葛粉の固まりを溶かす。

4・全体をかき混ぜる。

5・今回はひと匙ずつ、フライパンで両面を油焼きしました。

 もっちり、ふにょふにょ、輪切りの蓮根料理とは全く違う食感になり、まさしく団子、まさしく餅となるのでございます。

 これ、おろしポン酢などでいただいてもよいですし、汁物の具にしたり、海苔で巻いて醤油つけても美味しい。

 子供には、甘からタレ(みたらし団子のタレ)を添えたり、黒蜜ときなこかけたりすると、ヘルシーなオヤツにもなるよ。(つーか、マジメに団子作るより、簡単でラクにできちゃうだけなんだけど…。)

 蓮根って、足が速くて、冷蔵庫に入れっぱなしにしておくと、すぐにいたんじゃうよね。真黒になっていて、「ぎょえっ!これ、なんだったっけ?」とか。

 いえいえ、私はボケてもいないし、しっかりしているので、そのような失態はないのですけどね。

 まあ、食えなくする前に、レンコン団子にしておくと、味噌汁の具になったり、焼きものや煮物に添えたりなど、いろいろ活用できるんですよ。

 レンコン団子そのものの味は淡いので、和風の味付けでも、ガーリックバターなどの洋風の味付けでもOK。ソーセージ&卵料理の添え野菜にしても可愛いよ。

 蓮根+葛粉。これは、風邪っぴきさんにも優しい食べ物です。ノドいたくても、食欲がなくても、のど越しよいので、つるんつるん食べられちゃうよ。温かいスープに入れてもいいしね。

 やってみなはれ〜。

土曜日は、お教室でございます

 最近、ただでさえ重たい私のvistaちゃんが、ますますメタボ肥満化したみたいで、重たいどころの騒ぎじゃないのよ。

 朝の起こしたては、何度もフリーズすらも起こすのよ。不便、不自由極まりないわ。

 午前中は一番忙しいルーティンワークの時間なのに、貴重な時間も無駄になる。イラついてストレスもたまる。待つ間には、お酒を飲むときみたいに、煙草をプカプカ吸っちゃうわ。

 その上、(お酒と違って楽しくはないので)足をビンボ揺すりして、眉間にしわも刻まれるわ。(サイテーよ!)

 パソコンをぶっ飛ばしそうになる。蹴飛ばしそうになるのよ。

 ああ、サクサクとカルカッタ、ベンガル、デリー(関係ないだろっ)のころのXPが恋しいわああああ。

 一番つらいのが、土曜日朝一番の「お教室でございます」告知よ。このときに、絶対に、vistaのヤローは固まって、動かなくなるの。

 土曜日の早朝の更新はなしにして、前夜に更新するほうが賢明かも。イラつくだけ、自分を乏しくしちゃうもんね。

 ということで。

 今回は、金曜日の夕方に写真を撮って、更新してみることにしたわ。このほうが、イラつかずに、ゆっくり書けるしね。

 これ、明日の試食用のチーズ入りのカンパーニュ生地。成形を済ませて、二次発酵のホイロ入れ直前の画像です。(リーンなパンは老化が早いので、できるだけ直前に用意するほうがいいんです)。

 豆ザル(寄せ豆腐のあれよ)に入りきらなかった生地は、(生地量100g、チーズ25%)このように、大きな発酵かごに入れて、「ちぎりパンのチーズのカンパーニュ」にするつもり。

 綴じ目を上にして、ザルに生地を置くの。もう、この姿だけで、めんこいなあ〜と感じちゃう。

 二次発酵前のパン生地って、おねんねしている赤ちゃんみたいなんです。温かくって、柔らかくって、めんこくって。

 でも、今日はメチャ寒いので、発酵時間が長引いちゃったな…。明日も、今日と同じかも。やばいな。

 ま、いいか。なんとかなるさ〜。

 んで、教室のお料理のほうは。

 お好み焼きそば広島風ガレット仕立て(→人生二度目の広島焼きづくり、生徒を練習台にして自力レッスンしてみようという不純なメニュー)、できました〜北海道いずし;大根、カイワレのサラダ添え、毎度おなじみホウレンソウの胡麻和え(国分寺野菜のワンパターン)、レンコン団子入りの冬野菜スープ(温まるぜ〜)、女の子&元・女の子たち皆が大好きバレンタインの甘いお菓子(ガトーショコラ、ザマンド、トリュフ)でございます。

 教室パンのアイテムとは、まったく他人の関係的料理が、毎度のことですが並びます。

 お気をつけていらしてください。

雪空

 そーいや〜今週のパン・チーズのカンパーニュの写真をまだ撮っていなかったな。

 薄墨色の雪空です。寒いぞ〜。

 冷蔵庫で寝かしておいたケーキを切ってみました。

 ありゃりゃんりゃん。ピン合わないぞ〜〜。デジカメも寒がっているんだな。

 ま、しゃーないわ。

 奥がザマンド、手前がバレンタイン用のケーキ「ガトー・オ・ショコラ」です。

 今回、ガトーショコラを4台焼いたんだけどね。ぜーんぶ、配合が違うの。小麦粉が大匙1,2,3…とかね。

 クーベルチュールに至っては、120g、150g、180g、ついには200g以上のクーベルチュール出血大サービス配合のものまで。

 で、やはりクーベルチュールが多いほど、ウマいんだわ。画像は、200g以上のもの。しっとり、重厚なチョコレートの美味しさが、ギッシリ〜!

 一番ウマいのは、麻衣ちゃんと試食担当部長の分ですわな。これ、わしが取っておくわ。教室で出すのは、そのワンランク下だ…。すまん、許せ。

 明日も寒くなりそうな天気予報です。春が来る前の寒気ですよね。温かい食べ物と、濃厚な味わいのお菓子が美味しく感じられる季節です。

 見た目は地味だけど、どちらも風味の深いお菓子です。バレンタインケーキ、どうぞお楽しみに〜〜〜。

存在理由その2

 存在理由。

 もしくは論理を超えた必然性。

 これにかてて加えて、さらなる疑問と苦悩が新浮上した。

 広島焼き。

 いったいこれ、どうやって食べたらええんじゃろうか…。

 4分の1は、上から順番に食べてみた。卵焼きは卵焼きの味。焼きそばは焼きそばの味。そして、お好み焼きはお好み焼きの味だった。

 しかし、それでは…。

 存在理由の全否定となるではないか!

 違う。このような食し方は、たぶん間違っている。

 全部の層をまとめて一挙に口に入れなければ、広島焼きの存在理由も形態の必然性もないに違いない。

 たぶん、金へらなどで縦割りに分断し、そのまま口に運ぶものなのか?それとも、箸などで、粉々に砕いて混ぜ合わせて食べるべきなのか?

 ナイフとフォークで切り分けて、三層を混ぜ合わせた合体物を食べてみた。カオスの味だ。悪くはない。んーまかった。

 フランス料理のガレットのような食し方だ。これは、もはやお好み焼きではなく、広島ガレットだ。

 しかし、あたしゃ、こんなことで悩んでいる場合ではなかったのだわ…。やっと重い腰を上げ、自分の本の原稿を描き始めたのだ。まじめにワードに向かわなければ。

 今夜は雪になるらしい。広島焼きは棚にあげておくとして、今夜は熱々のあたたかい料理だな。

 おでんと、豚キムチ揚げ餃子〜!

 おっと、いかん、いかん。油断すると、すぐに食べ物のことを考えてしまう。原稿だ、原稿。

存在理由

 存在理由。

 もしくは、論理を超えた必然性。

 未だ以て、分からないことがある。

 広島焼き。

 何故に、お好み焼きの上に、わざわざ焼きそばをのせ、その上さらに、卵焼きまでのせるのか。

 お好み焼き+焼きそば+卵焼きという関係性に、いかなる必然性と、その合体物の存在理由があるのか。

 別々にすれば、三品の料理になるというのに。

 以上の疑問を解けず、私はいまだかつて、一度も広島焼きというものを作ったことがなかった。

 お好み焼き、焼きそば、卵焼き。これらを同時に作るためには、三つのフライパンと、三つのガス口と、6本の手が必要になる。

 残念ながら、私には「無」だ…。

 以前、試食担当部長に、広島焼きを作ってほしいと言われたことがある。

 私は、その存在理由と合体の必然性が分からず、手が6本ないので、「作れない」と答えた。(断ってしまい、ちょっと気の毒だった)。

 時空を超えた時間のひずみ。

 私は、その中に、腕6本分の広島焼きを見出した。フライパンの中で、微妙な時間差攻撃をかけ、お好み焼きと焼きそばと卵焼きをほぼ同時に焼き上げた。

 やりゃー、できるじゃん。一応、それらしきものが出来上がったわ…。

 ということで、生まれて初めて作った広島焼きが、本日の私の昼飯なのでございます。

 疑問は、まだ解けていません。

 

チョコクロ・ザマンド

 ちょっと、あーたね。リメイク料理は熟女テクよ。

 ここまでくれば、悪魔的ですらあるわ。

 ザマンドは本来、クロワッサンにクレームダマンド生地をカバーリングして焼き上げる手間のかかった高級菓子パンでござーますのよ。

 しかし、熟女の手のかかれば、ありゃ、単なるリメイク菓子。

 先日、焼き上げたどでかい食パン形のショコラクロワッサン。

 こいつをサイコロに切って、クレーム・ド・アマンドの生地に入れて、丸型でケーキみたいに焼き上げちゃいました〜。

 味は、フツーのザマンドと同じよ。素材が同じなんだから。

 アーモンド生地の風味とバターたっぷりチョコレートのクロワッサン生地の組み合わせが、よく合いますわ〜。

 クロワッサン生地のほうには、バニラをきかせたラム酒を塗りました。リメイク菓子でも、十分にお高級品でござーますことよ。

 これはね、ちょいと失敗しちゃったクロワッサンなどでも、大いに活用できるお菓子づくりなんです。たとえば、焼き上げてから二次発酵未然に気付いた重たい口当たりのクロワッサンとかでね。形がいびつになっちゃたものを使ってもいいわ。

 下手っぴーな人の作ったクロワッサンって、目も当てられないし、そのままじゃ食べられたシロモノじゃないわよね。

 そのようなものは、小さく切って、洋酒を混ぜたシロップをしみこませ、クレームダマンド生地の中に入れて焼きあげちゃうといいのよ。

 クロワッサンづくりで、もし、失敗したならば、試す価値ありよ。

 クレームダマンドの生地は、バター、砂糖、卵、アーモンドプードルを各同量でいいわ。バターケーキ生地と同じ作り方。簡単よ。

 キャトルカールの配合なので、日持ちもがぜん良くなるわ。その上、ウマいし。やってみなはれ。

 で、昨日のいずしの試食人体実験のご報告。

 めでたく、我が腹は健康な状態。問題なし!

 皆様、教室で、大いに食ってくだされや〜。

いずし

 1か月以上前に仕込んだ紅鮭の「飯寿司」。

 本日、水切りして御開帳でございます。

 まずは、誰よりも先に、作った張本人が人体実験的に試食いたします。なにせ、生魚の発酵食品ですから・・。いずしは馴れずしの一種です。

 一両日中に、私のお腹に何の「異変」も起きなければ、教室でもお出しすることができます。もし、万が一、尋常ならざる腹具合になった場合は、人さまにはお出しすることはできません。

 ブリッとか、ピーッとかならぬことを祈るだけです。毎年、作りなれているので大丈夫だとは思いますが。

 もうすでに、試食品は私のお腹の中に収まっております。味、香り、食感、問題なし。ウマかったわよ〜。好みでわさび醤油、酢醤油、柚子こしょうなどを添えていただきます。

 私はわさび醤油でいただきました。お酒にも、ご飯にもよく合います。

 水切りすると、かさが減るのですが、それでもでっかいタッパ2個分ございましたわ。北海道の味をたんとお召し上がりくださいませ。

 只今、今週のパンのサンプルを一次発酵中です。ゴロゴロっとチーズを入れたホールウィート(全粒粉配合)の豆ざるカンパーニュにするつもりです。

 大きな発酵かごは、人数分ないので、可愛らしく小さいザルを発酵かご代わりに使います。小型のカンパーニュ、めんこいよ。

 ガツガツのハード系にしたくなく、セミハード系の食べやすいものに仕上げようと思っています。小型カンパをガツガツのハードにしちゃうと、ほとんど噛み切れないシロモノになっちゃうので…。

 でっかいカンパーニュならスライスするので、ハード系でも構いませんがね。

 要は生地の作り分け方ですよね。リーンなパンだからと言って、何でもかんでもクラストを分厚く硬くして、中のクラムを大きな気泡にすればいいというものではない。

 ということで。今週の教室パンは「豆ざるカンパ・セミハード」でございます。

スッピンのガトー・オ・ショコラ

 本日、二度目の更新です。

 只今、焼き上がったばかり、アチチチチ〜!化粧前のガトー・オ・ショコラです。

 これがスッピンのお顔。スフレみたいに、刻一刻と萎んでいきますよ。完璧に地盤沈下する前に、大慌てで写真を撮りました。

 今回の配合は、また、ちょいと変えてしまいました(コロコロ変わると申し上げておきましたでしょう)。
 今回の使用はブラックチョコではなく、セミスィートのミルクチョコ。20gほど多めに増やしました。小麦粉を減らして大さじ2、ココアパウダーを大さじ2。

 焼きも浅めにして、中を少しねちっこくしてみようと。

 まあ、少しの違いですけどね。でも、食感や味わいは変わります。

 えーとですね…。

 なんで、月並みに「ガトー・オ・ショコラ」をしつこく載せているかと申しますと。

 実は、これ、チョコレート細工のお菓子づくりに失敗したチョコレート(もしくは半端に余剰したチョコレート)を無駄にすることなく有効活用できるからなんです。

 形が変に仕上がってしまったチョコレート細工、ブルームを起こしちゃったトリュフ、テンパリングしてボウルの底に残った半端なクーベルチュール、クーベルチュールをトランペしたときに、滴り落ちた涙粒のようなチョコレートの粒々。

 捨てちゃダメだよ!

 このようなものを集めて、ポリ袋に保存しておきます。あっという間に150gくらい貯まっちゃうんだから。

 150gもあれば、立派に「ガトー・オ・ショコラ」が1台作れますよ〜。どうせ、湯せんで溶かすのですから、チョコレートの「見た目」なんざあ、どーでもいい、関係ないっす。

 もー、このケーキは、トリュフ作りの救世主、テンパリングクーベルチュールの救いの女神。

 テンパリングのチョコは、ボウルの底に必ず少しは余るからね。

 ガトー・オ・ショコラ以外では、ブラウニーなんかにも有効利用できますよ。

 ささ、トリュフやテンパリングに失敗しちゃった方、やけにならずに、失敗作もあまりモノも、大事に取っておいてね。

 そして、ガトー・オ・ショコラに作り変えちゃってください。(作り方は、この画面の前のブログに書いておきました)。

 14日まで、まだまだ時間はあるぞ。頑張れ、フレ〜、フレ〜、ふられるなよな〜。

ガトー・オ・ショコラ

 この時節には、あまりにも月並みなお菓子なのではありますが…。

 ガトー・オ・ショコラです。

 このチョコレート菓子の配合(レシピ)は、いろいろと数多くござーますわね。

 キャトルカール的配合で作ると、パウンドケーキのようにしっかりとしたケーキになりますし。

 小麦粉を思い切り減らすと、中はねっとりしっとりのプディング風の口当たりになりますし。

 ですから、レシピの数字なんて、自分の好みでいいと思うんですよ。

 あたくし、今回はクーベルチュール(=ショコラ)・ノワール、つまり、ブラックチョコレートをたっぷりと使い、小麦粉を少なめにして、でも比較的しっかりと焼きこんで中まで火通しをしてみました。(→日持ちさせたかったのです)。

 一応、今回のレシピを書いておきますね。(毎度コロコロ変えちゃうけれど)。

クーベルチュール・ノワール120g(こまかく刻んでおく)、無塩バター50g、生クリーム50ml、薄力粉大さじ3+ココアパウダー大さじ2(合わせてふるっておく)、卵黄(大)3個+砂糖大さじ3、卵白(大)3個+砂糖大さじ5、バニラ酒(バニラ鞘をラム酒に漬け込んだ酒)適量

1・クーベルチュール、バター、生クリームをボウルに入れて、湯せんで溶かしておきます。

2・別のボウルに、卵白と砂糖を入れて、硬めのメレンゲを立てておきます。(ホイッパーは洗う必要はありません。次にそのまま使うので)。

3・別のボウルに、卵黄と砂糖を入れて2で使ったホイッパーで、もったりするまで攪拌し、1のクーベルチュール生地を混ぜ加えます。

4・3の中に薄力粉+ココアの粉を混ぜ加えます。

5・2のメレンゲと4の卵黄チョコレート生地を混ぜ合わせます。

6・紙を敷いた型(18cm)に流しいれ、160度前後で35分ほど焼きます。

7・焼き上がったら、紙を外し、バニラ酒を全体にたっぷりと塗っておきます。

8・1日以上たって生地が落ち着き味がなじんだら、粉砂糖を振りかけて切り分けます。

 私は切り分けてから、サワークリームを一さじとフルーツを飾り、粉砂糖を振りかけました。(フルーツやクリームは日持ちしないので、いただく直前に、切り分けたものに飾る方がいいですよ。つまり、食べる分にだけ、デコレーションするの。ケーキ本体は、日持ちします)。

 クーベルチュール・ノワールをたっぷり使うと、カカオのパンチがきいて、苦み走った大人の味になります。辛党好みのチョコレート菓子にしてみました。(もちろん、甘くてマイルドなミルクチョコレートを使ってもいいのですよ)。

 ボウル3個も使って、あとの洗い物が面倒なお菓子ですが、作り方そのものは難しくはありません。単なる別立て法の焼き菓子です。チョコがたくさん入っているだけです。

 焼くと地割れしたように膨れ上がり、冷めると地盤沈下します。なにかに飾り物でものっけなきゃ、ただの武骨な焼き菓子です。

 先日の教室で、カヌレだのスモーケアだのガトー・オ・ショコラだのって、中ねっちょり焼き菓子の雑談を交わしているうちに、久々に作りたくなってしまったのよ。

 見るもの聞くもの話すもの、なんでもすぐに食欲を喚起させ、食い意地やーらしく作りたくなってしまう。作れば、それだけで満足してしまい…。(結局は食べるところにはエネルギーが行き届かないわね。私、作る人、誰か食べる人つーやつよ)。

 ということで、今週はバレンタイン企画の追い込み週刊。

あ〜あ〜あー

 昨日の教室のチョコレートクロワッサンの残り生地なんだけどね。わたし、夜には成形メンドクセーになっちゃってさあ…・。

 ド・ドッカーンと、どでっかい「食パン」型にぶち込んで、さっさと寝ちゃったわ。

 朝に追加の保温二次発酵済ませて、午前中に焼き上げたものが、こ、これよ。

 ちょっと、あーたね、バター50%で、その上、中にチョコレートまで入っている「食パン(?)」を食べる人間っているわけ?(まともに食えるもの作れよな)

 さて、昨日の「大失敗懺悔報告」をおひとつ。

 三つ折り3回生地の話です。

 教室当日の朝になって、急に気が変って成形をクロワッサン形ではなく、本のような形態の二つ折り成形に変更。この成形は、シュミレーションなしでした。(なにせ、当日の朝、急に変えちゃったものですから…)

 教室終了前に二次発酵が完了した「二つ折りブック形生地」の焼成に入りましたところ。

 ななななーんと、生地から溶けたバターがにじみ出し、天板の上はアブラ地獄。

 レロレロレロのゲロリンコ〜…と焦る私。あぜーんと眺める生徒たち。

 三つ折り3回の生地ならば、たとえ、二つ折りのシンプルなブック形の成形でも、絶対にこのようなことは起きたことがなかったのですが。

 にじみ出るバターを見た瞬間に気付きましたわ。三つ折り2回だけの折り込み生地では、バターを保持するための十分な力が付いていず、生地組成部分で抱き切れなかった油脂分が流れ出しているのだと。

 ブック形に折りたたむ成形をまたまた急きょ変更し、油脂分保持の力が十分つくように、ぐるぐるに巻き込んで(まるで、海苔巻きづくり!)「恵方巻き成形」。

 みなさまの自宅焼成の生地は、バター流出を起こさずに、無事に焼き上がったのでございましょうか…。

 ブック形から恵方巻き形に変身した私の生地は、バターこそ滲み出なかったものの、どでかい「食パン」になりました。

 昨日の大失敗は私自身がよい勉強になりましたわ。折り込み生地の真意に触れる思いがしました。三つ折り3回、生地組成の極意ですわな。

 折り込む回数の多い方が、油脂分保持の力が、より強くつくということを身を持って認識しました。

 ちなみに、無発酵生地(=パイ生地)の折り込みは、「三つ折り、四つ折り、三つ折り、四つ折り」で、クロワッサンなどよりも、ずっと多い層にしています。

 早い話。きちんと回数を折り込む方が、失敗が少ないというわけです。