白醤油、仕込んで2週間目の報告

 こちらのお方は、小麦と煎り大豆で仕込んだ「白醤油」のもろみでござりまする。

 まっとうな材料で仕込んだので、まっとうな道を歩んでおられるご様子です。

 仕込みから2週間目。

 すでに、甘みも旨味もにじみ出しておられまするぞ〜。甘い!甘いぞなもし。(これ、越後弁でしたっけ?)

 間違いなく、醤油になってくれそうですわ。匂いは、まだ、生のキノコ系ですが、味は、すでに醤油です。うまい!ん〜まいんだなー、これが。

 こちらのお方も、かき混ぜると濁ります。ちゃんと澄んだ白醤油になってくれるのかなあ?(濁っていても、ウマけりゃいいんです)。

 酵母パン麹の試作品の方も、旨味は出ているんですよ。

 昨日の画像、瓶を逆さまにして撮ったでしょ。んで、そのままにして、買い物に出かけちゃったのよ。

 帰ってきたら、「ギャッ!」貴重な汁が漏れ出していた。テーブルの上は、水たまり。

 私が留守の間に、森に棲む小人さんが来て、キノコ酒を味見して逃げて行ったんだ!(私は悪くない。小人さんのせいなんだ。)

 試作品の方の水分、ちょっと減っちゃった。

 小人さんがこぼした汁をぺろぺろなめてみたら、なかなかいい味してましたよ。

 酵母パン醤油は、「森の小人さんの白醤油」と命名しておこう。

もろみ遊戯

 なかなか幻想的なムードで撮れました。

 酵母パン醤油づくり実験、途中報告。

 とうてい、まともな人間が思いつくとは考えられない試作品。

 アホも、ここまでくりゃ、もはやアートです。

 塩水は一丁前に、茶色くなってきました。静置しておくと、澄んだ茶色ですが、振り回すと(なにせパンですから)濁ります。

 パンは水分を吸うと浮き上がります。やはり、重石が必要でした。

 匂いは、まだ、味噌麹のコウジカビ系の匂いです。しかも、その上、酒臭くなってきた…。

 なんと、表現いたしましょうか。

 いうなれば、キノコ酒。

 んなもんが、世の中にあるのかないのかは、知りませんが。

 このキノコ酒、発酵が進むと、たぶん、醤油臭くなってくれる系の匂いです。

 塩分を高くしたので、腐敗はしておりません。

 いったい、どんな白醤油になるのでしょうか。

 ちなみに、小麦粒と煎り大豆から仕込んだ白醤油のほうは、かなり真面目に白醤油への道を歩んでいるようです。

 こちらの匂いも、まだ、コウジカビ系のキノコっぽい匂いです。

撮影、無事に、楽しく終えましたー

 はい、これが、「豆味噌づくり」撮影直前の裏舞台、準備風景です。

 今までの準備が大変でしたが、本日の仕事も、楽しかったです。

 味噌玉、1週間分の1日への凝縮、うまく行きました。

 感謝です。

 今夜は、ほっとして、眠りたいです。

 おやすみなさい。

 

ライ麦パン

 天気の良い1日になりそうな、早朝の晴れ渡った空です。

 気温は、少し低めかな。ストーブをつけました。

 本配合粉をライ麦粉100%にする「ライ麦100」・今週の教室パンです。

 本生地づくりは、捏ねも短く、あっという間です。捏ねあげたら、すぐに型詰めして、5時間ほど(保温)発酵させて焼き上げます。

 ライ麦粉100%配合に関しては、一次も二次もないのです。ライ麦粉はグルテンがないので、普通のパン生地とは違う扱いとプロセスです。

 ミッシュブロート(ライ麦50)のように、小麦粉も混ぜるライ麦パンのときは、小麦のグルを生かすために、一次と二次を取ります。

 クラムの目の詰まった重厚なパンですが、phを適正にしたパン種を使わなくては、羊羹のようにべたついた生焼け生地になってしまい、いくら焼いてもパンにはなりません。

 これは、ライ麦粉の持つ特性のせいで、ペントザン成分の多さによるものです。

 そのため、普通はライ麦粉で作った「サワードー」と呼ばれる酸っぱいパン生地種を用いなければいけません。

 で、うちのパン種は小麦種ですが、原理はサワードーと同じものなので、わざわざサワードーを起こさずとも、普段の種でライ麦パンが作れます。

 フランスパン同様、このパンも中種作りのほうにポイントがあります。

 十分な酸化を得るため、リフレッシュメント後、4日間ほど寝かせた種を用います。若過ぎても、古すぎてもいけません。

 薄くスライスしたライ麦パンで作るサンドイッチは味わい深く、かみしめるほどにライ麦の風味が口中に広がります。ごくっ。

 ライ麦パンって、どういうわけか、糠漬けとも合うんですよね…。糠漬けニシンなどと食べ合わせても不思議と合うの。ごくっ。

 朝ごはんが、まだなので、お腹がすいてきました。今日は午後から撮影のお仕事です。味噌玉も、無事に完成しました。

 撮影が、スムーズにうまくいきますように。

 

ああ、神経衰弱…。で、ロールキャベツ

 11月も半ばを過ぎたというのに、ここのところ生暖かい日が続いています。

 クリスマスイルミネーションの横を半そでTシャツ姿の人が通り過ぎていきます。

 夜間でも室温が20度あります。

 この暖かさのせいで、連日の豆味噌玉仕込みも、気が抜けなくて。夜間でも冷えないので、まんじりともしない就寝時間のレンチャンです。

 ちょっと、お疲れモードのスイッチが入っています。

 年々、気温が上がっていますね。以前のように、11月は「冬」という感じではなくなりました。秋の温かさを引きずった気温です。

 次シーズンから、外に向けた豆味噌づくりパフォーマンスは、12月・1月・2月の3ヶ月間だけに限定するほうがいいかも…と思いました。

 12月〜2月までなら、ちゃーんと寒い環境でしょうから。

 地球温暖化による味噌玉疲れのせいで、うちのロールキャベツが手抜きになりました。

 本日のお題目は「お疲れモードの日のロールキャベツ」です。

 この季節、スーパーに、冷凍の「つみれ」みたいな煉り物がいろいろ並んでいるでしょう。あれをロールキャベツの具にすることを思いついたのです。(普段は、味付けされている市販品は買わない;化学調味料の味が気持ち悪いので)。

 コチコチに凍ったままの市販品つみれ1粒ずつに、挽肉を捏ねた生地をかぶせて、湯通ししたキャベツの葉で包みます。(豚ひき肉は、小さな1パックですみます)。

 油を塗ったキャセロールに並べ、ブイヨンを注ぎ入れて、ローレルとベーコン薄切りをのせ、ホイルをかぶせてオーブンで蒸し焼きにするだけ。

 キャベツの緑色が、とてもきれいな色のままで仕上がります。鍋でコトコト煮るよりも、見栄えがよいです。その上、ラクです。

 こりゃーええわあ〜。手抜きで、見栄えがよくなるなんて。教室でも作って、生徒に見せびらかそう。

 明日は、豆味噌づくりの雑誌撮影です。あと、もう一息、がんばろう。

黒米のお餅

 カボチャオバケのハローウィンが終わったとたん、街のショーウィンドウは、クリスマスムード一色になりました。

 カボチャのお次は、トナカイさんとサンタさん。金銀のイルミネーションに輝いています。

 ったく、なぜ、こうも世の中は早く進みすぎておるんじゃ。

 けしからん!

 新米時期恒例の黒米のお餅を搗きました。

 先日の教室で「黒米お餅フォンデュー」。

 「みなさま、新年明けまして、オメデトーございま〜す!」

 「今年もよろしく〜!」

 実にオメデタイ教室の試食会でございましたわ。

 (これも、少し早すぎるかも)

 さて、豆味噌づくりの撮影を明後日に控え、本日、明日と臨戦態勢。すでに、味噌玉には順番にカビが生えそろっております。

 前回、初日の失敗は、種麹を多くつけすぎたせいという気がしてきました。早く完成品だけでも作っておきたくて、増量剤のこうせん(麦焦がし)の混入が少な過ぎたのです。必然的に種麹が多くなり、それをしこたま使ってしまった。

 急ぐ心が失敗のもとでした。

 そうです。ゆっくり、いきましょう。

 

イクラの醤油漬け

 槍が降ろうが、鉄砲が降ろうが、墓石が飛んで来ようが、不治の病の金欠病に侵されようが…。

 イクラを食べなきゃ冬を越せないのが、北海道人のさがなのよ。

 国分寺のスーパーで、イクラはいくらハウマッチ?と、鮭の腹子を手に取ったときです。

 私よりも、一回りくらい年かさのオバサンが、「あのー、それって、どうやって料理すればいいんですか?」と、尋ねてきたのです。

 (東京人は、イクラの作り方を知らない人が多いんです。)

 こっちだって、押しも押されぬオバサンよ。スーパーの真ん中で、突然始めた「臨時料理教室」です。

 先ず、ダシ醤油を用意して、冷やしておきます。次に、40度くらいの湯(お風呂くらいの温度)を大きめのボウルに入れて、鮭の腹子を浸して、薄皮をつまんで、湯の中でふりふりすると…。

 ポロポロと、イクラちゃんの粒っころが、皮から離れてボウルの底にたまるんですよ〜。皮は、箸などでつまんで取り除きましょうね。

 ザルにイクラの粒っころをあけて、よーく水気を切ってから、ひたひたよりも多めのダシ醤油に浸して、冷蔵庫に1日か2日ほど入れておけば、醤油漬けの出来上がり。

 (塩味にしたい場合は、飽和食塩水で粒っころをふりふりします)

 見知らぬオバサンから、気軽に話しかけられるようになり、まるで友達みたいなタメ口で、気軽に返答する歳になりましたわ。

 で、イクラも歳も、どうでもいいのですが。

 漬け汁の「ダシ醤油」は、とても役立ちます。

 昆布、乾し椎茸を一晩水に浸した昆布水で、本枯れ鰹節のだしを濃い目に引きます。この濃いだし汁1カップ、醤油1カップ、みりん1カップ、塩小さじ2を鍋に入れて、一煮立ちさせるだけです。

 冷蔵庫に入れておけば、日持ちしますし、いろいろな料理に調味醤油として使えます。納豆のたれに、生卵かけご飯の醤油に、だし汁で割って麺のつゆに、柚子の汁を加えてポン酢に、このポン酢にごま油を加えてサラダドレッシングに…と。

 ちなみに、イクラは生モノなので、日にちが経ち過ぎると、そのまま食べて大丈夫かしら?と、ちょっと心配になることがありますね。

 そんな時はですね〜。「紅葉焼き」、焼きものに使います。イクラと卵黄を混ぜて、白身魚やイカなどに載せて、オーブン(またはグリル)で焼き上げてください。

 目にも鮮やかな紅葉色の美しい焼き物に仕上がります。

 紅葉焼きは晩秋の料理ですが、クリスマスなどの華やか色の料理がほしいときにも、見栄えしてよいものです。

お教室でございます

 「残りごはん入れただけでフランスパン入れすぎてできちゃったリュスティック」という長い名前のパンをやります。

 長すぎるので、「ごぱん」と略しました。

 本日の写真は、もち性のキビ・アワで捏ねた雑穀パンです。

 早朝なので、雑穀の黄ばんだ色が、うまく写っていませんが、もはや時間的余裕はないです。

 このあと、差し替え生地を3種類、捏ねなくては。(教室の日は早朝から大忙し)

 「白いごはん(うるち)」「黒米(もち性)」「雑穀(わざと、もち性の方)」の3種類をご用意いたしております。

 毎度のことながら、「好き勝手にどーぞ」です。何がお好みかしら?

 写真の雑穀パン、粥の水分が多すぎて、ドロドロのまま発酵しました。

 結局、これも、リュスティックにしちゃいました〜。(いい加減なやつだなあ)

 リュスティックとは、粗野とか、簡素なとか、いい加減とか、まあ、そんな語感のある意味の言葉です。

 私のためにあるような単語ですわ。

 お気をつけていらしてください。本日の教室も、リュスティックなムードでいきましょう。

 合言葉は「粗野に、いい加減に、好き勝手に、融通無碍に」でございます。

ご飯パンでリュスティック

 と、言うことで話は、今週の教室パンに戻ります。

 本日は、普通のご飯ではなく、黒米のパンの方です。

 これは先日の「残りごはん活用術」とは違い、わざわざ炊くのです。

 黒米はもち性の玄米状態なので、普通のご飯のように炊くと、火通りが遅くて硬いです。ですから、一晩、十分に浸水してから、全粥状に炊き上げたものを使います。

中種150g、小麦粉300g、黒米全粥150g、塩小さじ2、砂糖大さじ1、水185cc

 もち性なので、かなりネバ付きます。ですから、真面目には捏ねません。テキトーよ。

 米のおかげで、発酵は早いですね。(30度で5時間ほど)。途中、2,3回、パンチを入れて丸めなおして、腰をつけます。(それでも、腰はつかないけど、パンチ入れが風味をよくしてくれます)。

 ところで、黒米のみならず、ご飯類をパン生地に配合する場合、水分量があいまいになります。

 ええ、いいんですよ、あいまいで。テキトーでいいの。

 もし、ゆるい生地になっても、気にしないでください。そのまま発酵させて、ダラダラ〜っと膨らませます。(パンチ入れはサボらないでね)。

 発酵が完了したダラダラ生地をガス抜きし、天板に移して、二次発酵1時間。

 生地表面に上新粉を振りかけて、スケッパーかカードで、グサグサッとカット。高めの温度で焼き上げます。

 クラムはリュス系のでっかい穴っぽこ…。

 これが、うまいんだな〜〜〜♪

 このイイカゲンでテキトーな「ごぱん」は、フランスパン好きに大人気。まさしく、苦労知らずのリュスティックなんだわさ。

 ご飯入れるだけで、フランスパンになっちゃう。あははははは!

 で、さらなる「本題」に入ります。毎度のことながら、前振りが長すぎる。

 「ごぱん」の水分に、お米のとぎ汁を使っているんですよ。

 「ゲッ!?」なんて、言わないでくださいよ。お米のとぎ汁って、栄養あるんですよ。お米のオッパイですよ。

 昔々、母乳が足りないときには、お米のとぎ汁をオッパイの代わりにしたそうです。赤ちゃんが育つんだから、栄養あるのよ。

 コメ農家からいただく米は、とぐと濃いとぎ汁が出ます。捨てるのが、もったいなくて…・。今は、新米の季節でしょ。濃いとぎ汁すら貴重なものに思えてくるんです。(古い米のとぎ汁は使わないけど)。

 お米のとぎ汁に混じったヌカ成分も、天然の発酵促進剤になります。どうです、お米って、エライでしょう。すごいでしょう。

このパターンの失敗は初めて!ショックじゃー…

 今度の水曜日に、「豆味噌づくり」の撮影(雑誌のお仕事)があるんです。

 糟糠の男妻の編集者氏、頑張ってページを6ページもゲットしてくれた。(最初は、4Pという話だったけど)。

 豆味噌麹づくりにかかる数日間のプロセスを全部、逆算して、数日間を撮影日1日に終結させなければいけない。

 味噌玉完成図に向けて、すでに、プロセスカットのシーンづくりを開始しているのですが…。

 しょっぱなから、失敗こきやんした〜〜〜(泣)。

 出芽のときから、ヤバさを察していた。毛足の長いカビが混じっている。水分過多には気をつけたはずなのに。

 それでも、全面、白いカビに覆われたのですが、今度は、なかなか中毛系のウグイス色のカビにならない。

 気温も湿度も低い日が続いているから…と、多少の保湿を施して、経緯を見守ってはいたのですが。

 「く、臭い!」

 異様な臭いに気づいて、味噌玉に鼻を近づけると、古靴下の香り。プ〜ン。(正常ならば、山のキノコみたいな、いい香りがします)。

 白いカビに覆われてから、ダメにするのは初体験です。ショック。今日、また、やり直しました。

 ここのところ、大忙しが続いて、気持ちがかなり、ワサワサしていました。

 昔、プロの麹屋さんが言っていた。「麹は、赤ちゃんをお守りして育てるように、静かに、静かに、ゆっくりと優しくつくるものです。」

 ここのところの忙しさは、赤ちゃんのお守りと言うより、ヘビー級の格闘技だった。

 麹って、不思議です。手順もハウツーも、長年かけて独自に習得しているつもりだった。でも、静かな心が得られなかった。すると、ちゃーんと「失敗作」になってくれちゃうわけよ。

 モノとしてではなく、命ある生きものとして尊重して育てないと、とたんにグレる。

 臭みを着けた味噌玉は、美味しい味噌にはなりません。泣く泣く捨てました。

 何とか平常心をゲットして、本日より、やり直し。撮影日に間に合います様に。