本実はお教室でございます

 秋雨になりました。涼しい一日となりそうです。本日は酵母パン教室です。お気をつけていらしてください。
 10月も、そろそろ終わりですねえ。11月になったら、ストーブがほしくなるほど気温も下がることでしょう。豆味噌作りや漬物作りにはじまり、いろいろな発酵食作りは、これからの寒期に集中しています。冷たい空気が待ち遠しい今日この頃です。

 国分寺は地場物の冬野菜が出回り始めました。大根や春菊も並び、うちの台所はもう冬野菜の料理です。
 温かいうちは緑の葉物が乏しかったので、今は大根葉の緑すらもありがたくいただいています。(じきにゴワゴワ硬くなって、そのうち、ありがたみもなくなるけどね)。
 大根丸ごと1本あるだけで、ずいぶんといろいろな料理が作れますねえ。今は、葉もうまい、皮もうまい。カラリと晴れたら干し大根も作れる。煮てよし、生でよし、炒めても、焼いても、干しても、漬けてもよし。きのこのみぞれ和え、大根餅、ふろふき大根、おでん…。地場ものの美味しい大根が嬉しくて、大根料理人になりきっております。(湧水近辺の農家の大根は水と空気がよいので本当に美味しいですよ)。

ピロシキの続き・揚げピロシキ

 こちらのほうが、おなじみの揚げパンのピロシキです。写真・中の具はレバーペーストにしたので、具のイメージは少し違うでしょうけど。

 今回、お教室で用意する生地は、一般的なパン生地の方にします。具だけ、バリエーションを少しつけてみましょうね。あとは、焼くも揚げるも、どちらでもOKです。

 ちなみに、ひき肉の具の場合は。
合挽肉200g、小さめの玉ねぎ1個、ニンニク1かけ、キャベツの葉1枚、トマトソース100cc、ゆでたまご1個、塩コショウ適量

 野菜類をみじん切りにして、油で炒めて、合挽肉も入れて炒めて、トマトソースをじゃばっと加えて煮込み、みじん切りにしたゆで卵を混ぜます。味見して、塩コショウで味を調えたものを具にします。具の味付けは少し濃い目にして、しっかり味付けするほうが美味しいようです。
 具は自分なりに好き勝手にアレンジしていいのです。私は今、豆腐ハンバーグの生地を具にしてみようかな〜と思っています。ロシアに、豆腐のピロシキがあるわけないよなあ…とは思うのですが。

ピロシキいろいろ

 インターネットが接続せずに中断されると思っていたら、私の散乱した部屋のせいでした!ぐちゃぐちゃに絡まったクモの巣みたいなケーブルのせいで、接続状態が悪くなっていただけでした。あちこちのケーブルを抜いたり差したりしたら、ちゃんとつながるようになりました。すんません。すぐにメール返信送れなかった方たち、ごめんなさい!
 yuukoさんのブログ写真も、やっとまた、見れるようになった。わたしゃ、毎日彼女の写真を見ないと、一日が始まらない体になってしまった。

 まあ、私の部屋がぶっちらかっていて、埃だらけだということは棚に上げておきましょう。企業秘密です。

 今週のお教室のパンはピロシキを予定しております。

 ピロシキは「パイ料理」という意味でございます。我々、イメージするのは、どうしても「挽き肉の入った揚げパン」ですが…。ピロシキ=パイで、もっと幅広い料理です。
 ですから、本当は、中の具は挽き肉とは限らずに、野菜でも、甘い果物でも、ソーセージでも、内臓肉でも、お米でも、なーんでもいいんです。そして揚げるだけではなく、むしろ、焼くほうが主体でしょうね。なにせ、パイですから。

 では、パイとは何ぞや?これは「小麦粉の練り物」、つまり、ペストリーという意味です。昔、肉などを焼くとき、小麦粉の練り物をかぶせて蒸し焼きにして、おいしい汁が流出しないようにしていたそうです。日本料理で言うならば、塩釜焼きみたいな発想だったんでしょうねえ。
 その練り物が、ずんずん進化して、さまざまなパイ生地になったわけです。クロワッサンのように発酵させるパイ生地もあれば、無発酵の折り込み生地や、練り込み生地もあります。
 揚げる場合は油脂分の多いパイ生地では不都合です。やはり発酵させたパン生地状態のものがいいです。焼くなら(好みの違いはありましょうが)油脂分の多いパイ生地にするほうが美味しいと思います。

 写真・上・今回は季節がら、カボチャの包み焼き(焼きピロシキ)と、揚げもの(揚げピロシキ)のほうはレバーペーストを使ってみました。揚げピロシキはパン生地です。焼きピロシキは油脂分少し低めのペストリー生地にしてみました。

 具は何でもいい、皮も何でもいい、焼くか揚げるかも、どちらでもいい…となると、ピロシキは、なーんて好き勝手に作っていいパンなのか!と、嬉しくなってしまうのです。(限定されない好き勝手なものが好きみたい)。

 ということで、今週のお教室は「勝手に仕上がれピロシキ」です。(ホンマにいい加減なパン教室だな。そのうち、天罰が下るぞ)。ピロシキいろいろ、人生いろいろ、そしてタコの足はいぼいぼなのです。
 

抜けるような秋空です

 インターネットがなかなか接続しなかった…・。このブログの前画面も変だった。(写真を掲載しただけで勝手に投稿になっちゃったのよ)。パソコンとは何とも奇妙な、ゆくゆく不思議な魔法の箱でございます。

 写真を撮るために早々に切ってしまったシュトレーン。当然、まだまだ、切ることも試食することも、早すぎるのですが…。最低でも1週間は待たなきゃね。できれば2週間以上。初物は何でも出来上がるのが待ち遠しい。本格的に作り始めるのは11月に入ってからです。
 例年より、卵を少し多くしてみました。たぶん、今年の物の方がいいと思う。国分寺の古い農家で、とても美味しい卵を分けてくださるところがあるのです。そこの卵を食べると、もう他の卵に(たとえ、それが自然食品店の高額な卵だとしても)手を出す気になれないほどです。餌にカロチンなどを添加していないせいで、黄身の色が可愛い淡いたまご色です。その可愛い黄身ちゃんは、コロリンとまん丸です。嬉しくて、たっぷりと使いたい気分になりますね。ああ、ひよこちゃん、美味しく食べてしまってごめんなさい。(たまごが生き物に見えてしまって、しょうがない。)ピヨピヨ。

 パン本の原稿にかかりきりで、パソコンに張り付け。ややしばらくは原稿と格闘だな。引きこもりのオタク状態。電車の乗り方を忘れてしまいそうだ…。

たんぽぽのお酒・その後

 かれこれもう30年以上も前(?)の話になるのですが…。「たんぽぽのお酒」という名作が晶文社から出ました。
 なななんと、「その後」本の刊行です。あまりにも懐かしいお名前の筆者ですわん!中年のみなさーん、たんぽぽのお酒をお読みになった方、ぜひこちらの「さよなら僕の夏」も、ご愛読くださいませませ。晶文社です。おっととと、そこのお若い方も、ぜひどうぞ。
 とは申します私、まだ、1ページも読んでいないのよねえー。だから、感想は書けないのよ。いーかげんなやつだなあ〜。ごめん、ごめん。
 刷りたてホヤホヤの新刊です。着いたばかりのホヤホヤですわん。一人で懐かしがってやんの。うふっ。

 昔々、十代の若かりし頃、憧れの先輩の本棚に、晶文社の売れっ子本が、ずらっと並んでいてね。(あのお方は晶文社本の収集癖があったのだと思う)。やけに印象的なタイトルが「たんぽぽのお酒」と「カトマンズでLSDを一服」でした。同じ本を読めば近づけるのではないかと…・。さらに抱いた野望は、晶文社で自分も本を出せば、先輩の部屋に置いてもらえるのではないかと…・。もう、こうなりゃ本の内容なんか、すでに、どうでもいいのよね。いかに、先輩の部屋に置いてもらえるかと、ずーっと、そばに置いてもらいたいと…。私は本になって、先輩の本棚に並んでいたかったのです。油絵の具くさい、本だらけの部屋に。(我がスケベ心は、まだ未熟で無邪気だった。私にだって、そんな時代はあったのだ)。

 若いころに抱く野望って、念が強いですね。むろん先輩とは何ともならなかったけれど、でも、晶文社で本当に本を出してしまった。

おっと、レシピにバターを書き忘れちゃった

 先の記事のシュトレーンのレシピ材料に「無塩バター150g」という肝心要の部分を書き忘れてしまった!ごめんなさい。この記事は追記です。材料に上記を忘れずに。

 バター入れなきゃ、バタケーキ生地を作れないもんね。

シュトレーン初焼き

 昨日のヴィノワーズリーの続き、第二弾、「シュトレーン」です。

 気も早く今年初のシュトレーンの試し焼きです。毎年、ビミューにレシピを変えているのです。本日、焼きあげて一度目の粉糖がけを行ったばかりまので、まだ切ることも試食することもできません。日を分けて何度か粉糖をかけて、砂糖衣が落ち着くのを待ちます。食べ頃は、焼きあげてから2週間以降からです。自然発酵種のシュトレーンなら年明けの春まで日持ちします。

 どなたも御存じ、シュトレーンはドイツのクリスマス菓子です。

 良質の美味しいものを買うと、普通でも数千円、高いものになると7,8千円するものまであるので、腰が抜けちゃいますね。自分で作ると原価千円しない程度のコストで作れます。
 きのうのパスティスブーリと同じで、バターケーキの要領で生地を作り、半日寝かせてから焼きあげます。イーストなんか使っちゃあきまへんで。ぱさつくし、イースト臭くなってしますから。ヴィノワーズリーは絶対に自然発酵種です。特に油脂分や糖分が多いと、ケミカルなイーストでは発酵力が劣るので(単に膨らませるだけが発酵ではないのです。発酵とは生地そのものを美味しく熟させる意味もあるのです)発酵力の強い自然発酵の中種法でなければ、生地をゴキゴキバサバサに固くしてしまいます。硬くしたくないあまりにイーストを増やすと、シュトレーンではなくただの甘いパンになってしまいます。ですから、自然発酵種がない場合は前生地を作って、それを種にするといいのです。

 中種150g、小麦粉300g、塩小さじ1、砂糖75g、卵2個、アーモンドを粉に挽いたもの75g、粉乳大匙2、洋酒漬けのドライフルーツ300g〜400g

 これで200cm(500gほど)のものが2本作れます。

 ふたをかぶせて焦げないように低温(170度)で1時間ほど焼きます。焼き上がったら溶かしバターを全体に塗り、粉砂糖をかけて寝かせます。

ヴィノワーズリー(=発酵パン生地のお菓子)・パスティスブーリ

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 以前、農文協のYさんが持ってきてくださった九州のいちじくを乾燥させて、お菓子作りに使いました。
いちじくは乾燥させると甘酸っぱく濃い味になり、香りも高まります。生よりも干したもののほうが好きです。(お菓子やパンに使えるようになるし…。)

写真はパスティスブーリの生地に干しいちじくを入れて焼き上げたヴィノワーズリーです。ヴィノワーズリーとは、パン種を配合して発酵生地にした焼き菓子のことを言います。もはや、パンとは呼べない配合と作り方ですから、これはパン仕事ではなく、お菓子仕事です。

パスティスブーリはルネッサンス期の中世からあるレシピです。日本が鎌倉時代のころ、ヨーロッパでは、やけにハイカラなお菓子を食っていたんだなあ〜。
パスティスって、アブサンのような酒のことですが、ブーリが付くとお菓子の名前になるのです。ブーリとはルバンナチュレル、つまり自然発酵パン種のことです。うちの得意ワザですな。

作り方はパウンドケーキと同じような感じです。でも、配合が違います。パウンドケーキなら、粉が300gなら、砂糖も卵もバターも全部300gでしょ。でも、パスティスブーリなら、粉が300なgなら、砂糖・卵・バターを半分の150gにして、自然発酵パン種を150gほど配合します。
でも味わいはパウンドケーキにそっくりです。発酵風味の力で美味しさを力強いものにしています。ですから、既成のバターケーキに比べると、カロリーは半分ほどです。お菓子のカロリーが半減できるのはお菓子好きにとっては最高に魅力的ですよね。(あ、ちなみに、私は甘いものは好きではないのですけど。)

生地を仕込んだら、涼しい場所で寝かせてから焼きあげます。私はダークラム酒を加えて作りますが、ハーブ系の香りをつけても合います。シンプルにオレンジピールのみじん切りなどで香りづけしてもいいですし、レーズンなどコクのあるドライフルーツを加えてパウンドケーキ風にアレンジするのも美味しいです。

涼しくなったので、教室でもヴィノワーズリー類をこれから行うことができますね。
シュトレーン、クロワッサン、クグロフなどもヴィノワーズリー類です。私、もともとはお菓子屋さんだったので、実はお菓子の方が専門なのです。ヴィノワーズリー類を作るのは大好きです。(それよりも、酒のほうがもっと好きだけどな)。
シュトレーンやパスティスブーリなど、バターケーキに近いものは、焼きたてよりは焼きあげてから1週間以上置いて味をなじませたもののほうが美味しいのです。バターの油脂分がしっとりとしてくる頃が一番美味しい食べ時です。プレゼントなどに使いたい場合は、かなり早めに焼きあげておくほうがいいですね。

本実はお教室でございます

 本日は酵母パン教室でございます。穏やかな良いお天気になりそうですね。お気をつけていらしてください。

 上・写真はライ麦種を使った70%ライ麦粉配合のロッゲンミッシュブロートです。半々よりもライ麦粉(=ロッゲン)のほうが多い場合、混合パンはこう呼ばれることが多いようです。(パンの名前なんぞは、どうでもいいとは思っているけれど)。

 普段の白い種ではなく、このパンはライ麦種を使いました。とーぜん、昨日掲載のミッシュブロートより、重たい風味と口当たりになります。

 さーて、どれがお好みでしょうか?一応、用意できるだけのものは用意しました。あとは個々人の好みと、作りたいものを作りたいようにやっていただくだけです。(毎度のことながら、勝手に仕上がれパン教室です)。私の好みは押しつけません。一次発酵だけで焼きあげるものを作りたい方はお手持ちの型をご持参してくださって結構です。

 ただし、教室で焼きあげる差し替えパン生地だけは、私の好みで白い種のミッシュブロートのほうを用意しておりますので、ご了承のほどを。