パンから豆味噌への華麗なるメタモルフォーゼ

 もしくは酵母菌と麹菌へのオマージュ。

 ついに、完成。成功です。ううっ…うれし〜!酵母パンに自然発生したコウジカビを味噌玉に増殖させることに成功しました。文字通り、我が家の菌。私のコウジカビちゃん。マイオリジナルのアスペルギルスオリゼー様。「マリモッコリオリゼー」クンとでも名付けようか?

 あ、やべー。今日は教室だ。こんなアホなこと書いている時間はなかったのでございます。

 明日にでも種麹を採取して、まりもっこり豆味噌を仕込みます。ああ、幸せ!(しみじみ、アホ)。

 督促状の山が怖い。教室中にガスと電気と水道が切られませんように。神様、お願いいたします。(庭には薪で焼けるアースオーブンがあるし、薪もあるし、ロマンティックなキャンドルもあるし、国分寺跡から、湧き水もたくさん汲んでおいたから、もし止められても大丈夫だけどね。その上、本日はピザなので、ガスより外の窯で直火焼きするほうが、ずっと美味しく焼けるし)。豆向きなのか後ろ向きなのか、居直りなのか、立ち直りなのか、諦めなのか、悟りなのか?

自然発生した豆麹菌を増殖中の味噌玉

 酵母パンに自然発生した「ものずき」な豆麹菌を採取し、味噌玉に種付けして増殖中。初期的な出芽は1日で成長し、白いカビは全面的に広がりました。成功間違いなしを確信する瞬間です。この白いコウジカビが黄色くなり、そしてウグイス色になります。真夜中に、のこのこと起きだして麹菌のお守りをする季節。早寝早起きを通り越して、もうこうなりゃ不規則規則でございますね。
 豆味噌、玄米麹味噌、雑穀麹味噌、玄米麹入りの豆味噌と4種類の味噌が大きな樽に今のところ4樽仕込めました。(わたしゃ味噌屋か!?)この後は、この増殖中の「自家製種麹」で種付けした豆味噌をもう一樽仕込むつもり。酵母パンに自然発生した菌から豆味噌を作るアホなど、私以外にこの世にいるまい。「自然発酵種のパン」から生まれた「豆味噌」…なんて、誰が信じてくれよう?所詮、私のメシダネはパン種なんだよなあ〜。このパン種だって、小麦粉と水を捏ね混ぜ続けるうちに、1ヶ月くらいかかって自然発酵して「パン種」になっちゃったものです。空気中に生息する目に見えない菌が、目に見える物体になって出現し、食べ物になっちゃう。不思議だなと毎度のことながら思うのです。なくても、あるもの。姿は見えなくても明らかに存在しているもの。菌って偉大だなあー。すごいよなあー。

冬は麹菌の季節です

 自然発生した豆麹菌を種付けし、菌の増殖を図っている味噌玉には本日、コウジカビの初期の出芽である白いカビを確認。たぶん、成功してくれるであろう…(と、切望しておるのじゃが…・)。
 今まで、豆麹のコウジカビを自然発生させようと、いろいろ苦労したのです。種付けしていない味噌玉を干したり温めたり。それでも上手くいかなかった。どうしても、他のカビが生えてしまう。それなのに、放置していた酵母パンの底に、びっしりと(まるでコウジカビを生やした味噌玉みたいに!)コウジカビが自然発生していた。偶然に発生し、…神様からのプレゼント!とばかりに、自家採取できたコウジカビ。
 はっと気づけば、自然界では冬は麹菌が全盛期の季節なのです。麹菌の活躍は他の季節より精力的。ある意味、この時期に自然発生しても不思議はないのです。
 さて、写真は自然発酵してしまった「甘酒」です。こうなると、性格には元・甘酒だったもの、です。野生酵母が付いてしまい、ゴボゴボと発酵を始めました。米麹を作る道具とパンを作る道具が同じものなので、必然的に甘酒は発酵してどぶろくになってしまう。甘酒は自然発酵するとモロミ(米麹)が上に浮き上がってくるのです。(ワインなど、ほかの酒もそうです)。
 麹菌と酵母菌のアバンチュール。これがお酒。糖化した麹は野性酵母のエサになり、酵母菌たちの生活はアルコールを生み出します。アバンチュールと言うよりは、一種の食物連鎖と言うべきでしょうか。麹の糖化は同時に乳酸菌のエサにもなります。ほんのりとした甘酸っぱさは、まさしくお米のお乳です。
 私の田舎の親も冬になると甘酒を大きなカメに作っていました。甘酒とは呼ばずに「あまかい」(甘粥)と呼んでいました。「甘いおかいさん」という意味です。たぶんこれは北海道弁ではなく、母方が尾張藩の出なので(侍時代の生活を知っている大バアチャンが103歳まで長生きして、ずっと尾張弁を喋っていたので)尾張弁の名残言葉だと思う。私がときたま「さあ、みなさんやあ〜、行くぞよ」なんて変な言葉を使っちゃうのも、北海道弁なのではなくご先祖様の尾張弁がのり移っているのです。ちなみに、もっと因縁深いことを言っちゃえば、母の祖母の家内業は麹屋と豆腐屋でした。私が麹だの味噌だのといった発酵食作りが訳もなく好きなのは先祖の祟りなのかもしれんぞよ。血筋というものは菌の生態系のようにつながっているのかもしれん。
 本日はお教室でございます。今や我が家は督促状ハウス。いつ電気やガスが切られるのかも知れたものじゃなく、毎日びくびくとしておるのじゃ。スリルとサスペンスに富んだ日々である。下手なミステリーなんか読むより、よほどドキドキする。本日も無事に教室ができますように。神様!ついでに、ご先祖様!お願いいたします。(教室中にガスと電気が止まりませんように!)。笑うな!ン〜モー、人のことだと思って。

がらにもなく、ホントはいろんなこと考えているんだ

 このページの前のブログを書いて掲載したとたん、みんな、返信メールをどうもありがとう!感謝。ありがとうね。(ぐしゅっ…・)。感謝です。
 私、本当は、みんなで何か出来る場を作りたいのですよ。「本当の自分のしごとをつくりだせる場」みたいなものを。
 何か、すごいものを(食べ物とは限らず)生み出したり、作り出したりできる人が、必ずしも報われているとは言えない現実の世界。せめて、少しだけでも、そのようなしごとが報われたり、でも、それでも、むくわれなくても、せめて自分のいのちをアピールできたりするような。そんな、ささやかな空間、というか、時間、というか、なんと言おうか…。ほんの少しだけでもいいから、「やっていてよかった」と、何かを肯定できるような、否定しながらも、それでも大肯定できるような。虚しくても、死ななくてもすむような。やっぱ、生きていてよかった、というか。…。
 まあ、そんな、ささやかな時空を少しでもかもし出せる場(店)を作りたい。だから、イベントや物販にウエイトを置いた店にしたいのです。そのためには、先ず、私が、その場を作って提供しなければ。その場をみんなの力で育てあげなければ。と、心の中で夢は(ああ、あまりにも厳しすぎる悪夢のような夢は)膨らみ続けるのです。
 自分のいのちのために生きるっていうことは、同時に、他者のいのちのために生きるのと同じこと…であることに気づいたのは、最近、やっとです。
 

決意をしました

 「できちゃった豆麹菌」を大豆に種付けして増殖に向けた作業を済ませました。この増殖に成功したら、文字通り自家製種麹になる。味噌玉よ、コウジカビの花を咲かせておくれ。
 私は、最近、ある決意をいたしやんしたぜ。今まで、文筆仕事だけで飯食っていけるようになるため、苦境経済を自業自得で抱え込み、本書きに専念してきた。そんなプータローライフを人体実験兼ねて、この10年続けてみました。
 そして、今、断言できます。私には才能も運も努力も何もかも「なかった」!虚業であるコンセプト売り(つまり、私に関しては本書きのことです)の一本槍では、私は生きてはいけない。「バカヤロ〜、もっと早く気づけ!」という突っ込みがあちこちから怒涛のごとく押し寄せてきますなあ…。ははははは!ぐしゅっ…エ〜ン!!
 と、本気で泣いて落ち込んでいても、あきまへん。今後はモノ売り仕事を再開しようと決意しました。お店をまたやれるように、具体的に動き出そうと思います。10年前は、もう二度と店なんかやるものか、もう絶対にやらない!と、あちこちに断言したのですが、撤回する。いずれ、また始める。
 今度はじっくりと企画を練って、周到に準備して腰をすえて取り掛かりたいです。以前の店は成り行きと金任せ。以前は金あったんだよ。だから金に甘えてた。(そのせいで、今、バチが当たっているんですよ。)店なんか、ぜーんぶアルバイトの人任せで、自分は卸しのほうの工房(一人になれるボロクソアトリエのほう)で、製造作業と本書きばかりやっていたのです。早い話、他人に本書きを邪魔されるのがイヤで、アトリエに逃げ込んでいたんです。だから、店をやっていたなんて、おこがましくて言えませんね。人任せだったんだから。
 さて、念頭にある店の青写真。レギュラーアイテム…つーか、そとづらの看板はベーカリーカフェ。喫茶店というか、飲食店だな。そのほうが何でもできちゃうからね。カフェならパンやお菓子を作ってもいいし、ちょっとした料理も、酒も出せるしね。テイクアウトと称して物販もできるし、小さなライブも開催できる。
 営業の外面的にはカフェのふりをして、でも内実はライブや料理教室などのイベントと私の作ったものの物販のほうにウエイトを置きたい。カフェで味噌や漬物や惣菜を売ってはダメということは…ないはずだから。酔いどれライブ…またやりたいなあ〜。店で唯一、チョー楽しかったものでした。ピアノ置いたせいで、最後は木の床が抜けちゃったけど。ははははは!
 それにつけても、今後は開業資金作りでございます。具体的目標があれば、鬼にもなれる。只今の資金ゼロ円。ははははは!(それどころか、まだ家賃も払えていないのだ)。心臓発作が起きそうなほど金が無い。今月の苦境を何とかクリアして、来年一杯は開業準備のために、鬼になる。私は鬼になるのだ。
 ただいま仕込んでいる大量の味噌も、いずれのXデー開業に向けてのもの。パンもお菓子も料理も、以前よりは格段に上達した。上達と同時進行でキモチも変化してきた。ちゃんとモノ売り部門も開拓しなければ、もったいないじゃない…と思うようになった。金はゼロだが、企画と腕と人間関係と、そして、クソ度胸だけはある。たかが、金が無いだけだよ。他は溢れ出るほどあるさ。あとは頑張るだけ!
 とかなんとか言っても、あ〜今月なんか家賃の更新もあるのに、あ〜あ〜〜〜と、またターザンの雄叫びと咆哮。

ついに野性の豆麹菌ゲットに成功!

 やった!やったね。もー金が無かろうが、足指折ろうが、なんでもいいね。このシーズンの豆味噌や麹作り期間に、我が家の菌の生態系は変換するのです。焼き上げて、でも食べ切れなかったパン(自然発酵種、つまり野性酵母菌)を放置しておいたのですよ、だらしな〜いことに。ビニール袋に詰め込んだまま。
 本日、パン教室。生徒にそんなだらしのない現実を見られてはヤバイと思って、捨てることにした。ごそごそ取り出して古パンを見ると…・。ヒョエ〜!!ウグイス色の豆麹のカビがごっそりと生えそろっているではないか!う、うそー!という気分。パンはまるで豆麹のカビを生やした味噌玉みたいになっておりました。うそでしょー、うそでしょ〜。でも、嘘じゃないよ、ホントだよ。古パンにコウジカビがごっそり生えたのは初めてです。わなわなと喜びに震える手で、カビの胞子を落とし取り、自家製野性コウジカビの菌を採取。さっそく、この菌を大豆に種付けして菌を増殖し、文字通り「私の自家製麹菌の種」にします。豆麹の菌も微妙にいろいろ差異があって、個性が違う。パンに生えちゃった「物好きな豆麹菌」って、どんな成長を見せてくれるんだろうか?あー早く、種付けしたい。教室の生徒よ、本日は長居せずに5時にはさっさとかえっておくれよ。わたしゃあね、今夜「秘密の花園」で種まきするんだから。企業秘密なんだからね。ただし、カビだらけのパンからコウジカビの胞子をへらへら笑いながら集めている姿を昌弘に見られてしまった。→パン教室と味噌仕込みのために、国分寺跡の湧き水から水を汲んで運んできてくれたのよ。見られたね…。カビパン。私にとっては宝物にしか見えなかったんだけど…。たぶん、マー君の目にはゲロゲロヤバイカビパンであったろう。イヒヒヒヒ。うまくコウジカビを培養できたら撮影してブログで見せびらかそうと思っている。

女郎蜘蛛の明美ちゃんが消えた

  庭の紅葉に盛大な巣を張っていた女郎蜘蛛の明美ちゃんが忽然と姿を消した。その見事な巣も無くなっていた。2,3本の蜘蛛の糸が紅葉の枝に残るのみ。
 やはり野鳥に食われてしまったのだ。もし、家出するのなら巣はそのまま残っているはずだ。家移りするのに巣を畳むなどということは…まさか…するまい。鳥が明美の巣をめがけて突入し、明美をくわえて、ついでに巣も破壊して飛び去ったに違いない。短い期間の私の家族、お庭の住居者であった。いたら、いたで、巣が邪魔で、ちょっと鬱陶しいのだが、巣を壊さないように、明美をあまり驚かせないように気を使っていたのだけれど。しかし、案の定、食われた。食ったのは、からすか、ヒヨドリであろう。(少なくとも私ではない。あの姿に食欲は湧かなかった)。明美ちゃんはきれい好きで、巣に張り付いた枯れ葉やカマキリの残骸をきれいに掃除していた。強い風で巣が破れると、ちゃんとリフォームして、その上、増築までしていた。私よりも几帳面で創造的であった。明美はえらかった。明美のいのちは美しかった。

 明美は足が八本あった。最近、私はたった2本しかはえていない足の片方をしこたま椅子の脚にぶっつけて、足の指をグキッとぶち折ってしまった。第三指がちっちゃな小茄子のように青黒くはれ、歩くと痛くて、しばらくまともに歩けずに、数日足を引きずっていた。粗忽モノにもほどがある。昨日あたりから、やっと普通に歩けるようになったけど、でも指そのものは触れるとまだメチャ痛いまま。山梨県でお寺さんを営んでいる山下さんがバッチ・フラワー・レメディのお薬を大慌てで送ってくださったり、店の昌弘がサロンシップと固定テープを持って飛んできたり。(嗚呼、感謝!)
 麹作りと味噌仕込みの真っ最中シーズンで、「歩けないよ〜」なんていう状態になっちゃ絶対にダメなのに、・・・アホなわたくしめでござった。わはははは!

 結局、昌弘が私の代わりに麹の子守りをしたり、味噌を仕込んだり。味噌仕込みの湧き水汲みも、重石が不足になって大きな石を拾ってきたりも、ぜんぶ昌弘がやってくれた。(嗚呼、感謝!)麹を作ったり、味噌を仕込んだり、湧き水を汲んだりするのは、とても気持ちがいい。「よく、そんな面倒なことやるよねえ」と言われたりするんだけれど、気持ちがいいから、好きだからやっているということをなかなか分かってもらえない。でも、昌弘は「ね〜、すごく気持ちいいんですけど…」。わ〜い!マー君は私の気持ちよさを分かってくれたんだ〜。嬉しかったねー。麹や味噌を生み出して育てることが、面倒なことだなんて感じないんですよ。やりたくてやっているだけ。山梨のお寺の僧侶ご夫婦も「わ〜、いのちがいっぱい」。この言葉も嬉しかったねえ〜!(感謝)。山下さんたちも分かってくださっている。こんな人たちとずっと仲良く一緒に生きていけたらいいのにね。いのちを生み出して育てるという業を自分らの人生を育む仕事そのものにつなげることができたら、最高に幸せだろうなあ…。身の丈と心の丈で生きていけたらいいのにねえ。
 足の指をへし折ってしまい思い通りに動けずに、その上、経済壊滅的状況を自業自得で生じさせ、出るはずの本はまだ出る気配もないし、あ〜あ〜あ〜と、ターザンのように叫びたい気分の中で、幸せと感謝を手のひらでかき集めている。まだまだ元気一杯に生き延びるぞ〜!とか思う。みなさん、足の指を椅子にガツンとぶっつけてはあきまへんで。ドジはあきまへん。
 

つみれ失敗

 イワシのつみれ作りというものはすり鉢で当たらなければいけないものとは知っていた。でも、ゴマをすり鉢で当たるのならともかく、生の魚をすり鉢でゴリゴリするのはあまり嬉しくない楽しくはない。いやだ。あー、めんどくせ〜。

 あっ、そーだ、手抜きをすればいいのだ。

 イワシのぶつ切りをフードプロセッサーでガ〜しちゃった。あっという間に、なめらか〜なペースト状になったのですよ、見た目だけは。

 ほーら、手抜きでもできるじゃん。ちょ〜簡単。ってなもんで。

 しかし。中骨(背骨)はすり鉢で当たるようには粉砕しきれずに、「骨のある」つみれができあがりました。(今回は油で素揚げしてみました)。
 つみれを食べながら、ペッペッと骨の破片を出すのはなんとも味気ないものです。こんな姿は人には見せられない。美しくない食風景ここにあり。

 みなさん。面倒くさくても、つみれ作りはすり鉢でちゃんと当たりましょう。真似してはいけません、このような美しくないことは…。もし、手抜きでフードプロセッサーでガ〜したいのでしたら、中骨(背骨)だけは取り除くといいでしょう。つみれの良さは骨も全部食べられるところなのですが、手抜きをすると、骨が食べられなくなります。つみれ作りの意味がなくなります。よき教訓になりました。

さば味噌

 鯛味噌ってありますでしょ。あれの鯖(さば)バージョンです。鯛はお味もお姿も、そして、お値段もご立派です。わけあって、わたくしは鯛ではなく、サバやイワシで作りますのよ。サバやイワシでも十二分においしゅうございます。

魚の味噌煮にはやはり豆味噌ですね。米麹味噌や麦麹味噌では、魚の強烈かつ個性的な旨味に負けてしまいます。淡白な味わいの大根、かぶ、こんにゃく、竹の子などの野菜にも、やはり豆味噌。淡白な味わいを引き立てる奥深い底味を秘めているのも豆味噌です。季節がら、柚子味噌や唐辛子味噌なども作りますが、これもやはり豆味噌でなくてはいけません。
しかし、味噌汁には100%豆味噌ではやはり個性的すぎます。米味噌や麦味噌とブレンドした調合味噌がおいしゅうございます。豆味噌はコクも旨味も深いけれど、甘い香り立ちには乏しい。味噌汁の美味しさはお味だけではなく、作り立てにプ〜ンと立ち昇る甘い麹の香りも美味しさのうち。

さて、鯛味噌・・。じゃなかった、サバ味噌でございます。
サバ2尾(正身700〜750gくらい)、豆味噌300g、キビ糖100g、みりん60cc(他に好みで柚子、しょうが、唐辛子などのみじん切りを適量)、水1ℓ

1・サバは頭と内臓を取り除き、筒切り、もしくは2枚おろしにして、半身を4切れほどに切ります。
2・鍋に魚以外の材料を入れてかき混ぜ、煮えを立たせます。サバは皮側だけを油焼きにしてキツネ色をつけておきます(これは身崩れを防ぐためと香ばしさを添えるため)。
3・キツネ色をつけたサバを2の鍋に入れて、弱火に近い中火で、汁気にとろみがつくまで(2時間半ほど)ふたをせずにコトコト煮ます。

コトコト炊きをすると焦げ付くことはありません。ただし、火当りの強いステンレス鍋は焦げ付く場合もあるでしょうから、ゆきひら鍋を使ってください。煮上がったら熱いうちは布巾をかぶせておいて自然に冷まします。冷えてからよそいましょう。(熱いうちなら身が崩れることがあるからです)。ふろふき大根、蒸したカブ、塩茹でした春菊などをサバに添えて、ツヤ良く煮詰まったサバ味噌を野菜にもつけていただきます。サバの煮汁が最高の調味料になって、温野菜も美味しくいただけます。

この田舎風こってり仕上げのサバ味噌、私は大好物なのですが、かなり田舎臭い料理なので今まで教室では出さなかったのね。でも、前回の教室でついうっかり冷蔵庫からこそこそ取り出して(残り物だったのですが)味見させたら、みんな「おいしーっ!」ですって。それでいい気になって図に乗って、明日の教室では堂々と出そうと、本日あらたに作成中なのでございます。簡単だけど時間がかかる。でも、骨まで食べられるのです。その上、メチャ日持ちが良いので、この季節常備菜です。土日など時間のあるときにでも作ってみてください。病み付きの美味しさですから。