ずぼらこきの7日目の古種のカンパーニュ

 ううっ…二日酔いなのよ。

 昨日の教室、みんな全員、フランスパンの出来が良くって、もー、わしゃ一人で、ご機嫌になちゃって。

 みんなが帰ったあとも、一人で、おおはしゃぎで、ガバガバお酒を飲んでしまったのよ。朝、起きると、まだ酔っていて、酒臭かった…。ううっ、サイテーだ。

 十数年間、パン教室をやっているんだけど、今まで、フランスパンが、パーフェクトだったためしがなかったのです。中の一人、二人は、必ず「塩かけナメクジ」みたいにしちゃう人がいる。さもなければ、私の差し替え生地が、タイミングはずして、発酵過多にしちゃたり、未然だったりして。

 昨日の出来は、すごく良かった。誰一人も塩かけナメクジにしなかった。私もドジ差し替え生地にはしなかった。年の功か、たまたまの偶然か。

 二日酔いにもめげず(この不快感には慣れていますからね)、「7日目の古種」で、カンパーニュと、クロワッサンと、山形食パンを仕込みました。1週間前の中種が、まだ、残っていたので、やむを得ず…。

 この極限的な古種と新しい種をブレンドして、なんとか、古種を無駄なく消費。

 カンパーニュは、今回、水分75%のゆるい生地にしました。さすが、古種。水分が多いせいもあり、たった3時間半で、一次発酵が完了してしまった…。二次発酵のスピードも早かろうと思い、遠慮がちに短めに切り上げたら、若干、若過ぎたね。

 7日目の古種は、マネしないほうがいいです。せいぜい、5日目か、最長老でも6日目種くらいまでにしておいてください。

 のんびりお休みの日曜日。図らずも、二日酔いとの攻防になってしまった。パンの仕込み以外は、なーんもする気にならん。

 ご機嫌でも、飲み過ぎには、気をつけましょう。

お教室でございます

 日中には30度を超す日が続いていますが、朝夕の涼しさは秋。

 秋ったら、秋なのよ…。庭には葛の花が咲いています。いい匂いです。

 本日も、昼は30度を超す予報です。お気をつけていらしてください。

 久々に秋のアイテム、フランスパンをやります。

 ちなみに、来週は、パンドカンパーニュですが、今週お休みする方のために、来週もバゲットを同時に用意しておきます。再来週は、パンペイザンの予定ですが、やはり、白いフランスパンをやっていない方が来るので、さ来週も、同時に白いフランスパンもやれるように用意しておきます。

 ということで、今月・9月は「秋のフランスパン」種の使いこなしテク・強化月間です。

 何せ、涼しい秋なんですから、パン種使いのスキルアップを目指しましょう。

 あ〜あ、今日も、暑くなるんだろうなあ…。

古種で焼いたフランスパン・その2

 (朝に更新したブログの続きです)。

 はい、では。

 と、いうことで。…。phの低い熟成種で、ライ麦粉を配合したフランスパンを作れば、どうなるのでしょうか。

 (これは夕方に焼き上がり、傾いた光で、大慌てで、たった今、撮った写真です。朝の青色波長の光と、夕方のオレンジ色系の波長の光では、違いがあります。小さなデジカメなので、ハンディつけて、見てください。)

 全く同じ種の条件なのに、ライ麦粉15%配合の「パンドカンパーニュ」生地(15%ライ麦粉配合)では、差があります。

 ライ麦粉配合の生地を若い種で作ると、白焼けになります。でも、白い粉のフランスパンでは、逆です。

 古い種(4日目以降)の種で、ライ麦粉配合の「パンペイザン」とか、「パンパーニュ」とか、「パンドセーグル」とか作ると、うまくいきます。

 これが、麦という、人類最古代の穀物の発酵の面白いところなんですねえ〜。

 麦もいろいろありましてねえ…。

 なーんも知らん、てーんで、分からん人がねえ、「自然発酵種のパン作りには、何の、どこの、どんな小麦粉使うのか?」つーて、よく尋ねてくるのですがね、なーんも、お答できませんねえ。(そのくらい、ご自分で、試作実験をなさったら…。)

 でも、まあ、ともかく、生徒さんにおきましては、」お教室での試食で、云々カンヌン…つーことで。

 あと、蒸気焼成には、私は今、軽石を使っています。これが、一番扱いやすいです。

 まあ、これも、明日の当日の実演つーことで。

 今日も暑かったね。明日も暑いらしいです。ヘトヘト。

 

古種で焼いたフランスパン

 白い生地のフランスパンづくりには、発酵完了後、保冷で2、3日寝かせて落ち着けた種が適しています。(50%種配合)

 4日目以降の熟成種は、酸化種と相性の良いライ麦配合のフランスパンに向きます。

 では、熟成が進んだ古い種(5日目)を白い生地のフランスパンに使うと、どのようになるのでしょうか。

 写真は、20%の5日目種+20%の3日目種のブレンド種で作った白い生地のフランスパンです。(天板にのらないほど、ビローンと長く成形したものをリングにして、エピのカットで焼成)。

 2,3日前に焼き上げたものなので、ことさらに老化して、オバーチャンみたいになっていますが、焼き上げた当日も、若種ほどの色づきの良さはありませんでした。

 酸化の進んだ古種のphは、ライ麦配合生地には良い作用で働きかけますが、フランス粉だけの生地には、酸度が高すぎますね。たとえ、ごく少量(20%)でも、生地を酸化に傾けます。

 低すぎるphの種は、フランス粉生地のパンの焼き色を劣らせて、風味にも若干の酸味をつけてしまいます。

 しかし、パン・ド・カンパーニュ、パン・ペイザン、パン・ド・セーグルなど、ライ麦粉配合のフランスパン生地には適しています。

 本日、明日と、日中は30度を超える予報です。なかなか適温にまで気温が下がりませんが、「もう秋、絶対に秋なのだ〜」という思い込みで、リーンなパン、フランスパンのバリエーションをしばし、頑張りましょう。

マロンシャンテリーのシュークリーム仕立て

 自家消費用に、形がいびつに焼き上がったシュー皮を数個ほど、マロンシャンテリー仕立てにしてみました。(最初の試食はマー君の役目)。

 右側が、断面です。生クリームの下に、ぎっちりとマロンが詰まっているのが、見えますでしょうか。(見えにくいよね。)

 シュー皮;水125cc、無塩バター50g、砂糖小さじ2分の1、塩ひとつまみ、小麦粉75g、たまご2個

 1・鍋に水と切ったバターを入れて、弱火にかけ、バターを溶かします。

 2・一度、鍋を火から外し、ふるった粉類を一気に加え、かき混ぜます。もう一度、弱火にかけて、粉を練りあげます。鍋底に薄い膜がはるくらいまで、粉が、コロンとした団子になるくらいまでです。

 3・団子になったものをボウルに移して、あら熱を取ります。(これ、大事。)

 4・とき卵を数回に分けて、3に混ぜ加えます。卵の量で、生地の硬さを調節します。生地を持ち上げて落とすときに、3秒くらいで、ゆっくり落ちて、ヘラに残った生地が▽の形になるくらいの硬さです。

 5・2cm球ほどに絞り出し、190度で20分ほど焼きます。

 栗のほかには、さつまいものマッシュ、どういうわけか、粒あんなんぞでも、合いますよ…。あんこ入れたら、和菓子のモナカみたいになりますわん。敬老の日に、おばあちゃんに、おフランス菓子風モナカなんぞ、作って差し上げては。

 カスタードクリームよりも、やっぱ、クリや小豆ですよね〜。

 「ほっくり味」が美味しい、日本の秋です。

 (時と場所をわきまえず、つい、うっかり「プッ!」とお出になるものが怖いです)。

はーい!今、シュー皮だけは、焼き上がったよ〜

 先ほどの画面、「焼き栗・銃撃爆破事件・栗の自爆…」では、失礼いたしました。

 本来なら1kほどある栗は、(先のブログ)一身上の理由により、400gほどに、減っておりました。(馬鹿にしていいぞよ…。)

 で、只今、シュー皮が、焼き上がりました。

 親指と小指をリングにしたくらいの小型・一口サイズのものと、5,6cmほどある普通サイズのものです。(めんどくせーので、まだ、個数は数えていません)。

 この皮の中に、マロンと生クリームのホイップを詰め込もうという魂胆です。

 ゆでた栗の中身400g、砂糖大さじ4、無塩バター40g、ラム酒小さじ4

 これをフードプロセッサーの中に入れて、30秒くらい、ガーします。

 これが、うちのマロンシャンテリーのマロン生地です。

 マロンシャンテリーの裏ごし栗に加えるのは、たぶん、普通は、砂糖だけ?

 でも、それでは、粉っぽくて、マロンだけ食べると、むせかって、窒息死しそうになります。

 ですから、マロンだけ口にしても、滑らかに喉を通るように、私は少しだけ、工夫しています。

 しっとりしたマロンの裏ごしペースト。これならば、むせかえって、窒息死することはありません。バターを細かくちぎって加えるのが、ポイントです。

 裏ごしは、面倒くさいので、フードプロセッサーで、ガーです。

 「窒息死しないマロンペースト」は、冷凍保存もできます。

 あとは、いただく前に、シュー生地に、フィリング(マロンペーストと生クリーム)を中に詰めて、召し上がってくださる方に、お出しするだけです。

 完成品の撮影は、明日。

 そして、ご試食品は、教室の日…となっておりやんす。ヘトヘト…。

 今週のお教室は、久々のフランスパン(つまり、中種作りの論理)と、ご自慢の国分寺秋野菜の筑前煮と、デザートは、オリジナル・マロンシャンテリーのシュー・アラクレーム仕立てと相成っておりやんす。

 朝の涼しさが、とても気持ちよい東京です。
 

焼き栗自爆

 栗を使ったお菓子のレシピを作ろうと思い、初物の栗をゆであげました。

 まあ、そこまでは、まともな人間のやることなのですが、あらぬことを思いついたのです。

「そうだ!これを焼けば、天津甘栗みたいに、皮離れがよくなって、簡単にむけるんじゃないの?」

 やらなきゃいいのに、ゆで栗をわざわざオーブンで焼いてしまったのです。

 高温のオーブンで加熱された栗は(今、思うと、当然のことながら)、ものすごい音をたてながら、爆発を連発し、炸裂しはじめました。

 オーブンの中は、まるで最前線の激しい銃撃戦みたいでした。

 あわてて加熱をストップし、事態が修まるのを待って、恐る恐る扉を開けました。

 栗の中身は木端微塵に飛び散り、自爆して殻だけになった皮が、たくさん散乱していました。

 こりゃ、確かに皮離れいいです。きれいさっぱり、皮だけになっている。でも、中身は使い物になりません。凄絶な惨状です。

 かろうじて、自爆を免れた栗だけを取り出し、中身をスプーンでえぐり出しました。別段、皮離れがよくなったわけでも何でもありませんでした。
 自爆栗だけが、気前よく中身を全部、飛沫させていました。しかも、使いようないほどに。

 さて、無事な栗の実を使って、マロンシャンテリーを作り、シュー・アラ・クレームに仕立ててみようと思っています。

 モンブランのように甘い栗のお菓子は嫌い。栗の味そのもののお菓子にしたいのです。裏ごし栗と生クリームを中に詰めたシュークリーム。絶対に美味しいはず!

 が、しかし。栗の銃撃戦の後始末のせいで、お菓子の完成と撮影とレシピは、後日に延期となります。

 世界に平和を、そして、我が家にも平和を…。

筑前煮

 今シーズン初搾りのたまり醤油が嬉しくて、昨日の食事のメインディッシュは、たまり醤油でした。

 ちょ、ちょっと、あなた〜。いくら、ビンボでも、メインディッシュが、醤油つー話はないでしょと、おっしゃりたいでしょうが。

 でも、誰がなんと言おうが…・・

 うちの一番贅沢なメインディッシュは、自家製醤油なのだ。

 で、醤油の添え役で、鯵の刺身と、筑前煮もついでに作りました。あくまでも、主役は、たまり醤油です。(昨日はアジが、めちゃ安かった。)

 国分寺野菜には、掘りたての里芋が新登場していました。で、「筑前煮だ」ということに。

 この時期のゴボウ、サトイモ、レンコン、ニンジンは、初々しくて、思わず手が出てしまいます。

 下ゆでなどの下ごしらえなしで、炒め煮にして速攻料理でいただく初々しい根菜の味は格別です。

 鶏肉、こんにゃく、乾しシイタケ、秋の根菜を油で炒め、ひたひたまでのだし汁、酒を注ぎ、火が通るまで煮たら、みりん、砂糖、醤油を加え、照りが出るまで調味料をからめます。

 30分程度で出来上がる速攻料理の炒め煮・筑前煮は、長い時間かけて煮含めるうま煮とは、また別の味わいがあります。

 最後に加える醤油とみりんのかぐわしい香り。できたてホヤホヤの熱々を鍋半分以上も、二人で食べてしまいました。

 で、(残り物の…)撮影が、今朝になってしまった…。作りたてのピカピカしたものも美味しいけれど、味のしみた翌日のものも、落ち着いた味でイケます。

 今週の教室でも、国分寺秋野菜で、筑前煮を作ろう。予定しているアイテムは、フランスパンです。

 フランスパンには筑前煮がよく似合う。フランスパンには、たまり醤油料理だ。醤油は世界に誇れる最高のソースです。醤油は、フレンチのソースよりも、うまい!

(はちゃめちゃな身勝手論理で、パンに合う料理を無理に、こじつける教室です)。

たまり醤油・今シーズンの初搾り

 昨年の冬、最初に仕込んだ豆味噌(たまり味噌)から、今シーズン初のたまり醤油を500ccほど採りました。

 1リットルくらい滲みだしていたのですが、まだ、少し早目なので、半分だけいただき、残りのたまり醤油は、またお豆さんのもろみの中へ混ぜ込んで戻しておきました。

 自家製のお醤油欲しさに、この度は5樽も溜まり味噌を仕込みました。今年は、例年よりも長い期間、自家製醤油を楽しめると思います。

 で、たまり醤油の下は、美味しい豆味噌です。味噌の方は来月まで、おあずけ。先に、醤油だけ、当面の分をいただきました。

 ああ、ありがたや、ありがたや。

 味噌玉にコウジカビを生やして、塩水に漬けておくだけで、自家製醤油にありつけるなんて…。本当に、ありがたいことです。

 たまり醤油は、強い旨味とコクがあり、とろりとした色の濃い醤油です。

 薄味に、はんなりと仕立て上げたい煮ものには使いませんが、刺身、焼き魚のかけ醤油、豆腐類、甘辛煮、きんぴらなどの炒め物には最適です。

 ということで、今後のお料理には、手作り醤油が登場です。

 みんなが教室で仕込んだものは、うちの最初の樽よりも1ヶ月くらい後なので、醤油搾りには、まだ、早すぎますよ。しばし、教室での試食で、手作り醤油をお楽しみください。

 どーだ、いーだろ〜と、自慢したくて、意地になって、むきになって、教室のみんなよりも先に、一人さみしく、1樽仕込んでいるんだも〜ん。

 今朝、とろろで、初物のたまりを試食。やはり、自家製の醤油が、一番うまいです。

 

フランスパンの歌

 秋の新物(?)、フランスパンが、ただ今、焼き上がりました。

 フィセルと、バゲッドもどき各2本ずつです。写真がうまく撮れないのが、もどかしいです。

 久々に聞く、フランスパンの歌。焼き上げた直後には、パチパチと優しくささやくような音をたてながら、クラストに亀裂を走らせます。この歌声を聴くと、幸せな気持ちになります。そして、俄然、やる気が再燃します。

 聴こえますか?フランスパンの歌。みんなに届け、パンの歌声。

 (へたっぴ写真じゃ、聞こえませんよねえ…。)

 ひと夏のブランクの割には、良い子に出来上がってくれました。パン種ちゃんは、今年も無事に、過酷な夏をのりこえてくれたようです。(季節の変わり目は、フランスパンで、チェックしています)。

 丸2日間寝かせた「三日目種」(9月4日仕込み中種)と、丸1日間寝かせた「二日目種」(9月5日仕込み中種)、2種混合、若い中種コンビで仕込みました。(土曜の教室で使ったあれです。)

 白いフランスパンには、(生地が発酵途上で酸化しやすいので)古種を混入しません。ライ麦や全粒粉をブレンドするパン生地にだけ使っています。

 パン種の使いこなしかたいろいろ、たこの足いぼいぼ。

 たった1日違いの生まれ育ちの種でも、パン生地に配合すると、生地の性質(発酵状態や風味)も違うものになります。

 リーンなパンは中種命で、リッチなパンは本生地作り命です。リーンなパンはパン種そのものの勉強になりますし、チッチなパンは、パン生地作りそのものの勉強になります。

 どちらも、大事です。