日はまた昇った

 日はまた…昇った。そして…。

寝坊をしてしまったーっ!

 目覚めると、5時半。太陽はすでに昇り、燦然と輝いていた。逃した。また、今日も逃した…・。本日、掲載予定のブリオッシュ…。え〜っ、それって、なんだっけえ〜?もしかして、明日って教室〜?わはははは!
 寝坊しちゃ撮れないじゃないのよー。ダメねえ、しっかりしなさいよ。

 夕べは夜中まで、撮影用三脚を作っていた。三脚というよりはカメラ固定器具。百円屋のまな板立てを逆さまにして、フルーツくり貫き器を針金で固定して、くり貫き器の真ん中の穴にビスを差し込んで固定した。ピアノの椅子の背もたれにはめ込んで、本の厚さで角度を調整。宮沢賢治の「ポラーノの広場」で90度。風の又三郎が75度。また、これは椅子ではなく、卓上型として立てた本に差し込んでも固定三脚として使える。卓上型用土台書籍は「小麦粉辞典」。机の上でも固定したアングルで撮影可能になった。なんて、素晴らしいんだ!これで、明日早朝の撮影は完璧だ!我が能力に感動し、満足し切って眠りについた。

 寝坊して、とーぜんだろ。どこまで、アホなんだ。

明日からまた数日間は曇りと雨が続きますよ〜ん。当分、オレンジ色に輝く朝日のシャッターチャンスは望めない。

 人間、絶望してはいけない。日はまたいつか必ず昇る。

枝払い

 夕方、うっとうしくなってきた庭の木の枝払いをやった。かなり、思い切り良く散髪。石窯の右側に青々と茂っているのが枝払いの枝の群れ。

 これを干して、短くのこぎりで切ると、石窯用の薪になる。小枝はいい炊きつけになる。自給自足の燃料資源だよねえ〜。

 まだ、去年の薪が1回分くらい残っている。来週(第4週目あたり)の教室は遅出の夕刻からの開始にして、久々に薪の石窯焼きでもやろうかあ?そろそろ、野外でのパン焼きや料理もやりたいよねえ。

 薪割りが大変になる弘子ちゃんです。…・。ああ、筋肉労働者!

久々に早朝から晴天

 何日ぶりの晴天の朝だろう…。待ちに待っていたオレンジ色の朝日が東側の窓から差し込んだ。5時3分。

 あわてて撮影の用意、アワワワワ…!朝日の色と光の強さは刻一刻と変化し続けて、とどまることをしない。アワワワワ…!オレンジ色の朝日なんて、ほんの一瞬だ。逃してなるものか。アワワワ…!
 やべーよ、イングリッシュブレッドとカンパーニュしか焼きあがってないよ〜、勘弁してくれよー。ずっと曇天続きの朝だったから油断してた。

 それでも、必死に一瞬のオレンジ色の光の中で「パンの良いお顔」を撮りたくてシャッターを切った。と、その真っ最中、電池切れ。ガガーン!
アホッ!!こんなときに切れるな!このドマヌケ。わなわな震える手で電池を入れ替える。う、うまく開かない入らない閉まらない。オレンジ色の朝日はどんどん白々と変わっていく。

 電池を取り替えた時にはすでに、朝日は早朝の白い日差しに変わっていた。………。

 のがした。…。また、のがしてしまった。…・・。

 居直って白い朝日の中で何でもない山形食パンを取った。5時26分。後からダウンロードして見ると、オレンジ色の光の中で撮った数枚は全て、手ぶれとピンボケ。

 落胆。

 めげずにブリオッシュ生地を仕込む。今週の教室パンはブリオッシュ。このパンもオレンジ色の朝日が似合いそうだぞ。
 ブリオッシュ生地は発酵させて、一晩寝かせてから、成形します。他のパンより時間も手間もかかります。今回は正統派のこれでいきます。今までの教室では菓子(ビエノワーズリー)というよりはパンに近い配合と作り方にしていたのですが、今年から心を鬼にしてわざと大変な配合にしてあげます。ガハハハハ!教室のみなさん、楽しみにしていらしてください。正統派ブリオッシュ(クグロフもブリオッシュの一種)は本当は・・世にも恐ろしいべとべと生地で、まるでバタークリームを手で捏ねているみたいなのですぞ。いい写真を撮りたいので、今回からブリオッシュもクグロフも正統派の本格的ビエノワーズリー。(まあ、動機はちょっと不純だがな。)いろいろな理由と動機で当教室のパンの配合と作り方はどんどん変わります。世の中に不変のものなどないのだ。不変と思われる太陽ですら、日々刻々とその光を変化させているではないか!
 なにがあっても、めげることはない。

日はまた昇る

ベルベデーレ、しつこく3度めの撮影

 私も執念深い女よね…。諦めきれずに、また撮ったわけよ。恨みのベルベデーレ。

 今日、やっと、はっと気づいたことがある。

 パンって、朝の光が似合うものと、昼の光が似合うものと、夕方の光が似合うものがあるのねえ〜。
 で、ベルベデーレとか、ライ麦パンって、朝より夜の灯りが似合う。例えば、夕方のほの暗い光の中でローソクや薪の火を灯して、暖かい光を添える、とか。
 サンドイッチとかのピクニック系の調理パンは健康的な昼の光が欲しい。
 クロワッサンとかペストリーとかロールパンなどは朝日が似合う。

 で、…。さらに「はっ!」と気づいたのは…。朝に食べて美味しいパンは朝の光で、さんさんと太陽輝く元で食べて美味しいパンは日中のお日様で、そして、あたたかなともし火のもとで静かにゆっくりかみしめたいパンは夕暮れの灯で撮れば一番しっくりする、ということ。また、暖かい季節に合うパンとか、寒い季節に合うパンとかもあるんですよね。
 どんなことでも、多角的にとらえてみることって大切かもしれない。それだけで、作り出すものが進化してゆくから…。ただ、やみくもに作ればいいというものでもないですし。

 料理という「当たり前」のものを仕事にしてゆくのは、多角的な能力を要します。ただ、美味しいものが作れるとか、料理できる、とかいうだけでは料理という抽象的なものを仕事にすることはできません。美味しいものを作り出すなんていうことは最低限の条件であり、ある意味、ひどく不味いものを作れる人のほうが希少価値があります。料理を仕事にするには料理以外に、撮影や写真の知識、経験が必要ですし、文章を書く必要もあります。また、何があってもパニくらない図太い対応力を要します。人間や社会や経済の構造というものも客観的に見えていなければいけないし、何よりも大きな勇気と決断と、それを適正に判断する知能が要求されます。料理ってホリスティック(全人格的)なものなんです。料理は仕事にするのが一番難しい分野です。
 そこそこに料理できる人々がたくさん教室に訪れます。「お店をやりたい」「料理を仕事にしたい」「料理研究家になりたい」…。
 当たり前に普通に美味しく料理できる、その程度の人間が、それを仕事にできるわけがありません。料理以外の、ありとあらゆる能力がことごとく必要とされているのですから。
 食べ物を美味しく作ること、これは人間にとって、死ぬまでずっとの最大のお仕事です。終着駅は死ぬ時です。それまで、どんなことでも、毎日毎日、一生懸命取り組まなければいけない。…と、わたし思うねん。

 

トマトケチャップ

トマトが美味しくなりました

 トマトが安く、たっぷり手に入ったときには、自家製トマトケチャップを手作りしておきましょう。市販品と一味違います。甘さも酸味もスパイスも思いのままですから。

 鍋に湯を沸かし、トマトをでんぐりがえしさせながら、2,30秒湯通し。皮はつるんときれいにむけます。

 へたを取り除き、トマトをざく切りにしてフードプロセッサーでガ〜っと粉砕。あ、フードプロセッサーが無かったら、おろしがねにこすりつけても砕けますよ。

 トマトはほとんど、ジュース状。これを鍋に入れて中火にかけます。ことこと煮詰めると濃度がつきはじめて、ぷつぷつ穴があいたような気泡を底から立ち上らせます。まるで、こしあんを煮詰めているときみたいです。

 さて、こうなったら塩、みりん、酢、好みの香辛料を加えて味を整えます。これらの調味料が加わることで、トマトケチャップはぐんと日持ちがよくなります。みりんがなければ砂糖やはちみつでもいいのです。私は今回、1年ものの梅シロップとみりんを甘味として加えてみました。なかなか上品で爽やかな甘味です。市販品のようなしつこさはありません。

 トマトの季節はずれの時期は水煮缶を使ったり、りんごやパイナップルなどで甘味をつけることもあります。煮詰めるときに、ローリエの葉を1,2枚入れると、さらに保存性が高まります。調味料も香辛料も、味見をしながら自分の好きな味に整えるのがポイント。

ブルベデーレ再撮影

 ずいぶん以前のベルベデーレのレシピに写真を添付できなかったので、本日早朝に再撮影しました。いやはや、難しかったのなんのって…。

 200枚くらいを3回の時間に分けて撮ったけど、ほとんど全部がゴミ箱行きでした。早朝の光の中で陰影のコントラストのあるものにしたかったんだけど、光量が足りなくて手ぶれとピンボケのオンパレードだった。ちょっとピンボケどころの騒ぎじゃないよ。全部ピンボケよ。キャパなんか目じゃないね。まるで、世紀末的戦場の報道写真か心霊写真みたいになっちゃうんだから。

 昨日はウスターソースを(講演の差し替え用)を5リットルも作り、トマトの味がよくなってきたのでケチャップを仕込み、ついでにやけになってバーベキューソースを1リットル作った。ベルベデーレを焼き上げて、翌日用のパン生地を仕込んだら、もはや廃人。記事の投稿などのエネルギーが残っていなかった。残念!トマトケチャップ作りを書きたかったのですが…。酒飲んで寝た。

 トマトが安くて美味しくなってきたので、後ほどトマトケチャップ作りを書きますね。(これから、パン焼きです。タイマーが今さっき鳴りました。)では、のちほど…。

たこのみ焼き(はあ?)

 たこ焼きにキャベツを入れては何故いけないのか?

 しかし

 お好み焼きには何故キャベツを入れるのか?

 関西の偉大な食文化、たこ焼きとお好み焼き、この両者の相違点の疑問。いまだ私には解明がつかず。
 たこ焼きは何故、丸く小さく焼き、お好み焼きは平べったく焼き上げるのか?
 そして、この違いのボーダーラインを崩壊させると、関西の食文化人はいかなる怒りを発奮させるのか?

 たこ焼き生地の山芋を増やして濃度を強め、たこもキャベツもたっぷり入れた生地をお好み焼き状に焼き上げるのが、美味い

 名づけて「たこのみ焼き」。ちょっと多めの油で、まるで揚げるようにして焼き上げるのが、緩い生地をきれいにまとめて仕上げるポイント。
(普通のお好み焼きのように焼いては、生地がまとまらず、どろどろに崩壊してしまうから。)

 見た目はお好み焼き。しかし、味はたこ焼き。その上、旬の春キャベツがたくさん入っている。
 最近、モロッコ産のたこが安いと思いません?キャベツもやけに美味しいし。そして、山芋も(旬でもないくせに)安くなている。窮乏生活者としては、この三者を活用しない手はないのね。たこ焼きを焼くのは意外に手がかかる。どかーんと、でかく作ってどこが悪い。

 ウスターソースはたこのみ焼き用に、小鍋で濃い目に煮詰めてから使います。青海苔は前歯にぺったり張り付くので嫌い。きざみのりを使う。鰹節は本枯れ節。自家製ウスターソースの味が生きる一品。

気分はエイジア〜ン

教室でのいただきものシリーズなのだあー

 パン撮影の闘争の日々は本日小休止。(それでも、朝4時前から目覚めてしまう自分が怖い。)カメラマンのシローイマハセさん、いつもプロの視点からのフォトアドバイス、どうもありがとうございます。とても、励みになっています。

 本日の撮影は汁ビーフン。としさんから竹の子をいただいた。今年はこれで、もう最後かな。ともちゃんが台湾土産の干しえびをもって来てくれた。たあ〜んまりと。ツヨシが北海道の行者にんにくをしょうゆ漬けにして送ってくれた。どうもありがとう。
 さ〜て、これで思いつくものは…。やっぱエスニックでしょー。

 ということで、塩漬けポークタンを塩抜きして、スープで煮ました。この煮汁を利用します。
 干しえびと干ししいたけはぬるま湯で戻し、この汁もスープに。ビーフンは水洗いしてざるにあげておきます。

 千切りした椎茸、人参、竹の子、行者にんにく(なければ長ネギ)をさっと油でいためて、上記のスープ(汁)をざばっと注ぎいれてひと煮たちさせます。薄切りにしたポークタンとざるの中のビーフンを鍋の中に投入して煮ること2分。塩こしょう、ナンプラ少々、ごま油少々で味を整えて出来上がり!もし、あればコリアンダーなどを散らします。
 おおーっ、湯気の香りからして、エージアン。屋台気分で、テレサテンの歌でも流すのもよし。タイの歌謡曲もよし。あ、そうだ、ついでに唐辛子をたっぷり入れて、激辛の涙と鼻水を流すのもよし。ポークタンがなければ、豚肉の薄切りでもよし、それがなければかまぼこやつみれでもよし。(こうなると、かなりタイ風だね。)
 今日みたいに肌寒い日は汁ビーフンが温まりますね。

 え?で、お味ですか?あのお…。スープの味は最高なんだけどね。撮影している間にビーフンが思い切りのびちゃって…。麺が食べられたもんじゃないのよっ!ビーフンって本当にのびやすいのよね。作ってすぐに食べなきゃいけないの。撮影なんかしてちゃ〜ダメなのっ!!
    

朝を待つ台所

 そして、これが朝を待つ真夜中の台所。

 ………。

 もう、こうなると、ビョーキだね。

 さあ、みなさん、本日も元気にオキョーシツにいらしてください!

ロールパン

 で、こちらが、昨日の朝にシャッターチャンスを逃して、昼間に撮影したロールパン。

 パンの風景には朝の光が絶対!似合う。昼の光では白々しすぎてしまう。パン屋と豆腐屋は、朝が勝負だ。