ギャオッ!三年前の梅干しで思い出した!X年前の仕込みしょうゆもろみ!

 ざーけんなよ〜はわたくしめの方でござんした。

 先のブログにのせた3年目の梅干しの直後に…。とても恐ろしいことを突如思い出してしまったのです。

「ま、ま、まめまめまめみそ〜、しょしょしょしょーゆーうううう、うっ」

 大慌てで、ドラえもんのどこでもドアをこじ開けて、その物陰の奥深くに埋没していたタイムカプセル容器を引っ張り出したのです。中からは茶色い物体。固形物と黒い液体が混在している。まるでNASAの宇宙望遠鏡が撮ったブラックホールの宇宙画像。

 ザルにふきんを敷いて、黒い液体を搾り取る。念のために火入れをして殺菌。かなりのアク(微生物生活活動の残骸)が、取り除かれた。ボウルに滴り落ちたものは、あきらかに「醤油」。

 農文協の名作「日本の食全集」も真っ青になるような、不朽の名作、はるかX年前の「林弘子の食全集」総集編の醤油絞り!(いつのだったっけ?)

 忘れるほど長い期間放置していたせいで、少し乳酸発酵系の酸味がついている。塩のニガリ成分がとんでしまったようで、意外と塩気もきつい。切り返しのかき混ぜをしなかったせいで酸素の供給不足=アルコール発酵にも傾いている。かなり酒臭い醤油になってしまっている。乳酸菌、高塩分、アルコール発酵のせいで、腐敗だけは免れたのだろう。あわてて力任せに絞ったので濁らせてしまった。質の良い醤油とは言いがたいが、しかし、あきらかに「醤油」になちゃっている。500mlほど採れましたね。

 恐ろしい家である。どこからともなく掘り起こした物体から、日本の伝統食「醤油」が出てくる恐怖の館である。忘れている自分が怖い。

三年目の梅干し

 9月の後半だというのに、ざーけんなよ〜の暑さでございます。

 いやはや、敬老の日だというのに、結構なお日柄でして…・・。これじゃあ、お年寄りも干からびちゃうよ。老体には、きついきついきつすぎる残暑でござんしょ。

 思い立って、三年前の梅干しを取り出して、晴天下に干してみた。

 で、ぶったまげたね。

 梅酢が、マーマレードみたいな濃度になって、とろとろになっているんだ。で、なめてみた。…。ん!?

 あ、甘い!なんで、こんなに甘いのだろうか!?確かに、塩味の(しかも、18%塩の)梅干しなのに…。3年前は、あんなにしょっぱくて酸っぱかったのに。

 たぶん、梅の実が潜在させていた糖分が、3年の月日の間に自然に濃縮されて、甘味として現われちゃったんでしょうね。まさしく天然の甘味でございます。甘露のような味わい。甘い。その上、梅干しとは思えないような旨味成分が生まれている。たぶん、何かの拍子に塩分がアミノ酸ナトリウムに変化しちゃったんだろうな。普通、梅干しの塩分は梅のクエン酸の作用で、クエン酸ナトリウムに変化するんだけどね。

 密閉保存しておいた梅干しが、こんなに甘くなったのは初めてだ。普通はここまで甘くはならない。塩気が円やかになる程度なんだけど…。実に不思議なことも起こるもんだ。三年ぶりに、また土用干しされている梅干しは、いったい何を考えてお日様を見上げているんだろうか?三年前の夏を思い出しているのかねえ?

 

きゅうりの味噌漬け

 本日の予想最高気温は34度ですって。

 しかし、風は秋風。干しシイタケがよく乾いてくれています。隣に干しておいた漬け物樽のふたも、ついでにどこかへ吹っ飛んでいきました。(かんべんしてくれ)。

 塩漬け保存にした夏のきゅうりの味噌漬を早々に開封。あと、もう一度くらい漬け床を変えるほうがいいんだけれど。(糠漬けに飽きてきたから、そろそろ味噌漬け食べたくなったのよ)。

 味噌漬けは大量の塩で野菜(きゅうりなど)を漬け込んで、秋以降くらいから、ぼちぼちと酒粕だの味噌だのに漬け直す古漬けです。本当は冬に食べるための保存食なんですけどね。待てないのよ。

 半日くらい大量の水に浸けておいて軽く塩抜きした後で水を切って、また重石をのせて水を出して、再度の水きり。これを先ずは酒粕(今回はみりんの搾りかす)に浸けて酒粕で塩抜き。そのあと、味噌(砂糖も加える)に1か月ほど漬け込む。本当は、この味噌漬けの床を何度かとり変えて深い味と保存性の高さを生み出す漬物なんだけどね。

 待てないのよ。床を変えずに一度だけの味噌漬けでも十分イケます。(と、ほかの人も言っていた)。味噌と砂糖の割合が3対1くらいの感じで甘しょっぱい味にする。味噌漬けは重石が要らないので手軽です。甘味噌塗りたくって放っておくだけ。

 田舎の母は大根も味噌漬けにするんだけど、私はまだ、大根で作ったことはないな。今年は大根でも試してみようかなあ。大根は塩漬けではなく、干すほうがいいだろうなあ。(大根の味噌漬けはあまり好きではない)。

 ごぼうの味噌漬けは大好き。でも、普通のごぼうより、山ごぼう(森あざみの根)のほうが、ずっと美味しい。山ごぼうなんて、この辺では手に入らないですけどね。でも、豆味噌に漬けた山ごぼうの歯切れ良さと野性的な香り高さは本当に最高ですよ。ごぼうと味噌の味の組み合わせって、世界で一番好きな味。うんざりするほど山ほどの味噌も出来上がったし…。はよ、涼しいホンマモンの秋にならんかいなあ。

 

暑かったね

   教室の日に限って暑くなることないじゃん。

 本日の最高気温、32度ですって。どーりで、暑いはずだったわあ。

 ベーグルにして正解だったね。みんな、とても上手にできた。でも、これ、フィセルだったら、全滅だったよ。

 今年の夏は灼熱地獄のようなパン教室だったねえ。なんとか、無事に夏も通り越しそうな感じですけれど。残暑は今週で終わってほしいですね。もう、疲れちゃったよ。今年は人間並みに夏バテしたもん。

 明日からも、がんばらなくっちゃねえ…・。

あー、でも、もー、北海道に帰りたい!もー、いやっ。

つづき・やっとギリギリ時間で画像・そして失敗

 あさの9時半に捏ねた生地を保温せず、残暑の気温任せ。でも、あわてて仕上げてデジカメで撮ったフィセルとベーグルです。出来、悪し。

 日没直前までには、なんとかベーグルのほうは焼き上がった。しかし、フィセルのほうは、明らかに二次発酵不足。いじけた顔色。これは失敗だ。めんご。

 5時過ぎると、発光禁止の自然光では撮れなくなる季節。写真撮りたさのあまりに、オーブンに入れることを焦った。めんご、めんご。

 朝の光と夕方の光は、たった何分かの違いで、まったく表情を変えてしまう。たぶん、気づかぬ日中の間も刻々と変化しているんでしょうねえ。

 お日様とか、地球って、すごいよなあ…・。

 パンのことを忘れて、夕暮れ深まった空を見上げる。

明日はお教室でございます

  パンがまだ焼き上がっていないので、画像なしです。

 そろそろ、パン、パン、パパーンっとしたパンらしいパン作りに戻りたいねえーと、先週から申しておりましたが。
 そろそろ、残暑も落ち着きそうなので、「リハビリ」兼ねてリーンな塩パンをやってみましょうか。

 配合は、全粒粉とライ麦粉を少し配合したオールドスタイルのフランスパン生地。で、成形をフィセル(バゲットを極細にして小さくしたような形)ということにして。うまくいけば、そのまま小型フランスパンの「フィセル」に焼きあげます。

 が、もし、万が一、教室時間(午後2時以降)の温度が30度を上回る事態になったら、急きょ、そのフィセル成形の生地の両端を接合させて、ゆででから焼き上げる「ベーグル」にします。

 季節の変わり目は曖昧で、綱渡りのヤジロベエみたいなものです。

 我ながら悪知恵だけは臨機応変。フランス粉を使うリーンな塩パンは温度による酸化を受けやすいので、まだまだ要注意期間です。少しでも温度が高すぎたり、いじりすぎたりすると、すぐ酸化して白焼けの焼き色悪いものになってしまいます。でも、ベーグルにすると、焼き色もつけやすく、かなりごまかしがききます。
 ですから、焼成法は、各自お好みの任意で勝手にどうぞ…・ということで。(フィセルとベーグル、どちらが好きですか?気温にかかわらず、好きな方に仕上げていいんですよ。なにせ、うちの教室って、このイイカゲンさが自慢の種なんですから)。

 毎度のことながら、パンの名前(アイテム)を決めかねています。まあ、「勝手に仕上がれパン」ということで…・。

すみれ色の夕暮れですううう

  今、空、ちょっとピンク色で、ちょっと紫色。

 そして、薄墨を流したような夕暮れの空の色。(このグラデーションは、ものの数分の間に、あっという間に変化するのです)。

 きれい。

 好きです。

 いつもの、夏の終わりの夕暮れ時色になりました。

 ぽーっと見ている。

 たぶん、一瞬。ほんの一瞬m。毎年の一瞬。いつもの一瞬です。

 永遠に終わることのない、毎度おなじみの一瞬です。

 もうすぐ、真っ暗な闇夜に染まる。すぐに。

 あ。

 たった今、青いグレーになりました。

 あ。

 たった今、少し濁った。

 これから、闇です。

 なにも見えなくなる夜です。

(当然、私の腕前のデジカメでは撮れません)

 なにも見えなくなりました。

写真でも撮れない。言葉でも表現できない、あたりまえの、普通の普段の美しさと感動を、どのように表わしたらいいのでしょうかねえ…。 

 

(無題)

撮影は夕べ遅くに無事終了。なかなか大変な仕事だったけど、スタッフの人たち、みんな気持ち良い人たちばかりで、なかなか楽しかった。

 唯一、「残念〜」だったことは、せっかくのホッチ鍋が作動しなかったこと。スタジオ備え付けのIHは同じメーカーさんのものでも少し前の古いタイプでした。

 新発売のものは、熱伝導が強くホッチ土鍋も対応できる読みだったのですが、スタジオに、すでに備わっているIHが、今年新発売の最新式のものであるわけがなく、結局はメーカーさん一押し売りの一番すごいやつを試運転することはできませんでした。(ガスでも使えるので、無駄にはなりません。今後、最新型の機械に遭遇するチャンスがあれば、再度トライしてみることができます。今後、IHにする人は、最新型を導入することになるでしょうから。従来のものに比べると、やはりかなり改善されて進歩しているみたいです)。

 ということで、本日からは来週の撮影の準備と、発酵食本の原稿書きをマジにやらなければあきまへん。

撮影日

  あいにくの空模様となってしまいましたが、本日はドタバタの撮影日でございます。
 ロケバスに移動させる荷物の出し入れが多いので、晴れてほしかったのですが。まあ、そんな勝手な具合にはいきませんね。

 午前10時開始です。雨足は一日中続きそうな勢いです。

 使い慣れていないIHで、ぶっつけ本番、いってまいります。(なんとかなるべえ)

追悼・悲しい

 広島の畑時代のきっかけとなった大切な大切な方が、やはり、亡くなってしまいました。今夜、お通夜、明日、お葬式。

 ここのところ、ガンで亡くなる友人知人が続いて、…。やっぱあ、しょうがないかなあ〜…・とか自分に言い聞かせて、思い込ませながらも、でも、やはり辛い夏だったですなあー。

 とても大切な人だった。とても、とても。

 残された奥さんや畑やニワトリや、…とても素敵な自然農法の畑、思う。悲しい。
 可愛いニワトリたち、そして、それを見守り助ける優しい奥さん…。

 酵母パン作りが、まだ一般的ではなかった時代、二人で別々のパン種でパン作っては、あーでもないこーでもないと。ねえー。あなたのパン、あなたの畑から採れるやさいの酵母パン、まあ、うまかったよねえー、私のパンのほうが、もっと美味しかったかもしれないけれどさあああああー。わはははは!

 思う。生き残っちゃって、それでも、変わらぬものを思っちゃいます。

 そして、いるはずの人間が、なぜか、いない。奇妙な、変ないつもが、くやしい。いつもが、なんだか悔しいね。いつもが、いつもなのに、いつもいる人間がいないのが。

 変な日本語と文脈だよね。やめておこうね。

 明日は撮影仕事です。わたし、頑張るね。でも、あなたは、もう、なにも心配しないで、もうなにも頑張らないで、どうぞ、ゆっくり休んでね。今夜からは、ゆっくり眠ってね。お疲れさま。おやすみなさい。ゆっくり眠ってください。  ひろこより