百合根料理が始まります

 百合根が店頭に並ぶ季節です。

 百合根はアクがあるので、煮物や蒸し物に使う場合は先ず、ゆでこぼしを2回行うことを下ごしらえとします。麟片にした百合根を沸騰した湯に放ち、ザルに開ける瞬間、そこはかとない百合の花の香りが立ち昇ります。百合は花だけではなく、その根にも香りを宿しているのかと。…・。なんだか健気に感じてしまい(秋のセンチメンタリズムも手伝うのでしょうが)、ちょいと涙ぐんだりします。すんません。まあ、こんな話は料理とはあまり関係ない一言かもしれません。

 ゆですぎてはいけません。麟片が透明になるまでゆでこぼしてしまったら、百合根はマッシュポテトみたいなペースト状になってしまいます。そうなってしまっては、百合根の風味も吹き飛びます。ですから、透明になる前にザルに引き上げるのがポイントです。百合根はほっくり甘いじゃがいもと栗を混ぜ合わせたような優しい素材となります。(湯でこぼしの時間からすると、たかが数分です)。

 下ごしらえを済ませた百合根は、茶碗蒸し、ポテトサラダ、野菜サラダ、コロッケ、グラタン、うま煮などの煮物素材の一品にします。煮物にするときは、煮崩れしやすいので最後に加えます。また、和菓子、洋菓子の材料としても使えます。百合根をベースにした百合根餡は上品な甘味と柔らかな口当たりです。教室では3週目のアイテムの一品に百合根料理も入れています。(なにせ、毎年のことだけど、北海道からダンボール一箱も送ってもらったんだから)。

 下ごしらえした百合根と塩茹でしたインゲンをさっと和風ムニエル(醤油とみりんの調味で、さっと油いためするだけ、バターでもいいし、ごま油でもいいし、サラダオイルでもいい)にした簡単料理は、この季節の速攻料理の一品。速攻料理にするためには百合根の下ごしらえは欠かせません。

 

お教室でございます

 今週の教室は焼き菓子でございます。ガトーオーフィグ(無花果の焼き菓子)とガトーオーショコラ(チョコレートの焼き菓子)です。
 これは立川ルミネ店の「たくや」のために考え出したオリジナルレシピで、とても簡単に作れるものです。特にガトーオーフィグはタルトスタイルで、ボウルひとつあれば素手だけで作れてしまうものです。道具や根気の必要なあわ立てやら撹拌作業などは不要です。ドライフィグ、くるみやへーゼルナッツなどを洋酒と蜂蜜に漬け込んで柔らかくなったものをフィリングにします。無花果をブルーベリーやラズベリーに変えることもあります。
 ガトーオーショコラの生地はチョコそのものではなくココアと牛乳とバターを混ぜ合わせたペーストを生地にしています。
 どちらとも甘さ控えめながらコクのある香ばしいお味です。

 晩秋、焼き菓子が美味しい季節です。私は食べる楽しみよりは、作る楽しみのほうが大きいのですが、一応食べる人のためにカロリーは下げれるだけ低くするようにしています。(なにせ、我が教室は若い娘っ子たちがほとんどだからね。)

コンフィ

 低温(80度くらい)の油脂で3,40分油煮して油に漬け込んだまま保存し、食べる前にカラッと焼き上げていただくコンフィ。肉や魚、野菜でも作ります。ウチの教室の定番品。今年も、そんな季節になりました。(とは言うものの、今年の11月はやけに温かいと思いません?)教室では今月3週目に行う予定の一品です。
 直火にかけては油を低温に保つのは難しいのです。(低温の油脂で煮ることによって、肉や魚がふわっと柔らかくなります。高温にするとパサつきます)。
 ボウルに油(脂)を入れて、湯せんにかけると、直火で加熱するのとは違って80度を簡単にキープできますよ。試してみてください。

 コンフィの一例。
トリ手羽先1k、塩大さじ1、こしょうやスパイス適量

以上をよくもみ合わせてポリ袋に入れて冷蔵庫で1日寝かせます。ボウルにオリーブオイル(もしくはラードなど)を入れてゆせんにかけ、油(脂)を80度に温めます。前もって冷蔵庫から出して常温にしておいた肉(魚)をボウルに入れ、80度にキープしたまま40分ほど熱します。油にひたしたまま冷蔵庫で保存(1ヶ月間は大丈夫)できます。いただくときは、必要分を脂の中から取り出し、200度のオーブンで20分ほど狐色に焼いて油を落としてからいただきます。

 ソテや、ポワレや、から揚げなどとは違う、中がふわっと柔らかいジューシーな焼き物になります。写真は手羽先ですが、たとえばトリ丸ごと、骨付きモモ肉など、これからの季節のご馳走料理に活用できます。大きいものは長めの時間で油煮してください。ただし、いずれも80度くらいの低温油煮が下ごしらえです。

型詰めを済ませた石鹸です

 2日に仕込んだオリーブ石鹸を翌日に型詰めしました。後はこのまま1ヶ月間ほど熟成させてアルカリ度が下がるのを待ちます。ピュアオイルで作ると写真のように乳白色の石鹸になります。石鹸作りにはエキストラバージンオイルより、ピュアオイルのほうが向きます。型はお菓子の化粧箱などを利用しています。菓子箱が不足のときは牛乳の空きパック。
 このまま置いておき、カットできるくらいの硬さになったら箱から取り出し、1個100〜120gくらいに、四角く切り分けます。
 今回はハーブなどの香り付けを行わず、オイルだけで作ってみました。20〜30個くらい出来上がるはず。紙型さえたくさんなれば、もっと大量に仕込めるのですが。なにせ、業務用ミキサーで作っているんですから、話は簡単なのですよ。ミキサーはエライ。今度はマヨネーズを仕込みます。これもミキサーがあれば簡単にできあがります。

生き返りました

 何年か前に植えた朝顔のこぼれ種から、こんな時期になって朝顔が咲いてしまいました。季節はずれに咲く一輪の花を「忘れ花」とか「帰り花」とか呼ぶのです。何となくものの憐れです。
 午前中は二日酔いで地球外惑星生物のような状態でしたが、昼過ぎに無事、地球上に生還。シラフに戻りました。バカと二日酔いにつける薬はないようです。明日はお教室でございます。教室再開早々に二日酔いの「病み上がり」。救いようのないアホ。何となく、ものの憐れ…なわけないよな。切腹すべきだ。マサヒロも本日は死にながら仕事をしたそうだ。私とさしで同じだけ飲みハシゴして、翌日平穏無事なわけないですよ。若い男はこうやって鍛えられて強くなるのです。

再開初教室の生徒作品でございます

 水曜日の教室で作った生地を一日寝かせて昨日焼き上げてみました。みほちゃん、パイ生地作るのは初めてと言っていたけど、きれいな層になっています。

 ううっ。そんなことより、二日酔い。頭が痛い。(まだ酔っ払っているみたい)。チケット取れずにあきらめていたライブに、どういうわけか突入できた。マサヒロが現場でのキャンセル待ちで、当日券をゲットしてくれた。国立・地球屋は大入り満員。観客は品行方正でありました。ライブは騒ぎまくるものと思っていた私はちょいとひょうしぬけ。早い話、うちの店のライブが品行方正でなかっただけなのだ。なにせ、店の床が抜け落ちてしまったのだから。ピアノの重さと、ドンちゃん騒ぎのせいだ。
 地球屋でワイン1本飲んで、ほんやら洞でビール飲んで、最後はきよみちゃんの店でまたワイン1本飲んでしまった。マサヒロは本日ちゃんとシラフで仕事できているのだろうか?私、まだフラフラしているんだけど…。明日の教室の準備をしなければいけないというのに、らりるれろんろんらりるれろ〜。ううっ。頭の中で脳みそがカラカラ揺れている。

今シーズン初のせっけん作り

 ミキサーが直ったとたん…(壊れたときは「よく働いてくれたね〜ごくろうさま〜25年間も苦楽を共にした我がビジネスパートナーよ〜おおおおおっ!」と泣いて撫で回していたくせに…)、酷使に次ぐ酷使。鬼か、わしは!?
 パン生地を捏ねさせ、菓子生地を捏ねさせ、ソーセージの肉を捏ねさせ、味噌を捏ねさせ、パイ生地を捏ねさせ…・・そして、ついに、本日は石鹸まで捏ねさせているのだ。
 確かに、鬼に違いない。

 石鹸作りのめんどーなところはオリーブオイルと苛性ソーダをずーっと20分も休み無くかき混ぜ続けなければいけない段階です。これを手作業で行うと、マジ疲れる。ともかく人間の筋肉と精神力というものは同じ動作を同じペースで休み無く20分続けるということには不向きにできているのだ。この事実と肉体の限界を運動生理学的にも実感できるのです。
 ミキサーはエライ!モンクも言わず、不平不満ももらさず、ペースも落とさずに、じっと我慢の子で20分間、同じスピードで黙々と回転し続けるのでございます。その姿は、孤高の哲学者か、悟りを開いた禅僧のごとし。私には到底真似できぬ。ミキサーよ、あんたがやっておくれ。スイッチオン。
 その間、私はお茶を飲みながら煙草を吸い、鼻くそをほじったり、写真を撮ったりして、かいがいしく石鹸作りをお手伝いしているのだ。お手伝いと言えるのか否かは分からないが。20分後。石鹸生地は出来上がった。

 ミキサーはエライ!パンもお菓子も味噌も餅もソーセージも餃子もパイも作り、そして今日は石鹸まで作ってくれちゃった。
 今から仕込んでおけば、クリスマスプレゼントに充分間に合う。想定外のミキサー修理で、乏しい我が全財産を完全に枯渇させ、クリスマスプレゼントなんぞは買えるあてすらない。手作り石鹸で誤魔化そう。経済破綻の元凶のミキサーに、自ら落とし前をつけさせた。
 ミキサーはエライ!自分の落とし前を自分でつける。見習おう…。私もミキサーに負けない立派な人間になりたい。

お教室でございます

 久々の教室。初めての方がいらっしゃる。(ちょっとドキドキ)

晴れてよかった。温かい晴天の本日になりました。折り込みパイ生地をやるので、気温は低いほうがよかったのですが、高温で無理というほどではないのでたぶん大丈夫。
どんなものができあがるのか…・楽しみです。(ちょうちんオバケになったりして)。ドジらないように気をつけよう〜っと。

明日から教室再開

 ずーっと(三ヶ月も!)完全休業していた教室を明日(11月1日)から再開します。ゼロからのスタートに等しい状態。当分はマンツーマンみたいに少人数の教室になります。でも、もともと自分の教室は(雇われ教室は別ですが)少人数のマンツーマン体制で行いたかったので、元に戻っただけ。本望です。人が増えたら増えたで、それはそれで楽しいし。つまり、どのみち、成り行き次第で楽しみながらやっているだけなんですけど。
 本日は明日の教室のために、いろいろな準備があります。楽しみだなあ。ずーっとやっていると、楽しみ…とか、嬉しい…とか思えなくなってくるのよねえ。でも、継続させるには、なにがしかの中断というか、余白というか、そんな「ロスタイム」みたいなものも必要なのかもしれませんね。(余白の痛手とリスクを覚悟の上で、ですけれど)。

 11月2日に国立の地球屋で(元・たまの)知己さんのライブがあるとマサヒロから聞いて、是非行きたいと思っていた。でも、ネット探索したら、とーっくにチケットは売り切れていました。(2日締め切りの原稿を頑張って早めに書き上げたのに。ライブ行きたさのあまりに)。おかげさまで本日は教室準備に没頭できますよ。
 地球屋のHPでメチャ懐かしい名前を見つけました。「とろん」。昔から知っている男で、不思議の国のとろんちゃん。本を書いたりライブをやったりCD出したりイベント開催したりしながら、ふう〜らふう〜らと世界中をさまよっていた男。メールを送ってみたら返信が来ました。「今はタイのPAIに住んでいます。55歳になって初子が生まれました」ですって。孫じゃないよ、自分の子供ですよ。すげー、さすが、とろん。大器晩成(と、いうのかな?)。「僕、120歳くらいまで生きなきゃ…」ときたもんだ。120なんてケチなこと言わずに200まで生きろ!と返信。マア、人には人それぞれの旅の仕方があるようです。12月〜2月まで日本に帰国するそうです。「今回は子連れなので、ゆ〜くりなぺ〜スで行きまーす」。会える日が楽しみです。たぶん、日本でも何かイベントなりライブなりをやることでしょう。とろんもついにパパか。似合っていると思うよ。怒ったり文句言ったりしたの見たことない人で、まるで平和となごみの権化みたいに不思議な人。たぶん、ベビーものどか〜な子だろうなあ。とろんちゃんの幸せをお月様に祈ります。