テーブルロール 今週のパン

 久々に元気一杯のお日様です。夏のように暑いお天気になりました。

 本日はパン教室の日です。リッチ配合のテーブルロール(バターロール)です。今回は業務の機械ミキシングも実習しましょう。(もちろん、手捏ねもやりますけれど)。捏ねが長いので暑い時にはイヤ〜なパンです。ホント、や〜ねえー。(後のビールがさぞかし美味しいことでしょう)。
 二次発酵を長めに確保したいので、ホイロタイムはブイヤーベース作りです。めばるがそろそろ美味い季節です。トマトも安くなってきました。
「ブイヤーベースならフランスパンにしてちょーだい」とか、言いたくなるでしょうが、暑いときは、長時間捏ねでもっと汗を流しましょう。

 ということで、本日は肉体労働の教室です。お気をつけていらしてください。

玄米麹

 今年の五月は雨が多いですね。もしかして、これって、梅雨に入ってしまったのでしょうか?もし、梅雨なら、例年より早いのでは?テレビが無いので、天気予報のニュースを知らないのです。
 でも、ほとんど梅雨時の天候と言ってもいいですねえ…。カビの生え方が実に元気一杯で喜ばしい限りです。
 じめじめ天気を生産的かつ平和利用すべきです。どうせ、タダなんですから。

 玄米麹作りなどはいかがでしょうか。

玄米をフードプロセッサーに3,40秒ほどかけて、表皮に粗い傷をつけます。流水でよく洗いながら研いで、たっぷりの水に14,5時間ほど浸水しておきます。吸水させたら、ざるにあけて1,2時間ほど水気を切ります。湯気の立っている蒸し器で2時間ほど蒸します。蒸し上がりの目安は、玄米ご飯ほどは柔らかくないけれど、握るとお握りが作れるくらいふっくらと加熱されている状態。ここがポイント。蒸しが足りなくても、ダメ、蒸しすぎて水っぽくしても、ダメ。
 蒸しあがったら、飯台などに広げて、余分な蒸気と水分を逃がします。玄米3合に対して市販の米麹200gを友種の種麹にします。米麹をばらして、冷めた玄米全体にまぶします。
 これをふたのある容器に入れて一日そのまま置きます。翌日、玄米に白っぽいカビが生えて熱を持ち始めています。今度は熱を冷ますために、飯台に広げて、ポリ袋をかぶせて1日放置しておきます。翌日はもっと白いカビが増えています。熱も持っています。熱を冷ますようにかき混ぜて空気を送り込みます。ポリ袋を被せて、そのあと放置。三日目には玄米麹ができあがります。甘酒、漬物、味噌作りに使えます。私は最近また、豆味噌と玄米麹を合わせて「玄米豆味噌」を仕込みました。
 先のシーズンに仕込んだ豆麹&玄米麹の玄米豆味噌はそろそろ食べ始めることができる時期になりました。これ、メチャクチャ美味しい。常食すると、やけに体調がいいのです。もうじき(22日)梅の本がすりあがるので、梅本に同封してあちこちに自慢の玄米豆味噌と梅干を送りつけようかと考えております。そういえば、フジモトさん(発酵食のイラストを描いてくれたマサルさん)にも、長いこと私の味噌を贈っていないな。あちこちに不義理している。編集者氏のうちも、私の味噌が切れてしまって久しいと言っていたし。しんちゃんも豆味噌文化圏の出身だし。北海道に引っ越してしまったツヨシも三重の豆味噌地域出身だ。あっ!そーいえば、四半世紀前に別れた元ダンナも岐阜県人で豆味噌を食べたがっていたんだ!てーへんでい、てーへんでい。味噌樽が空っぽになっちまうぜ。

ごだチーズの赤ちゃんを乾燥中

 前回の教室で仕込んだゴーダチーズの赤ちゃん(グリーンチーズ)を乾燥し始めて四日目。まだ、しっとりと湿っています。(もしかすると1週間では乾かないかも…)
 端が少し欠けているのは、塩味加減を確かめるためにちょいとつまみ食いしたせいです。すんません。ははははは!でも、この段階でも、充分すでに美味しいのですよ。まだ、モツアレラチーズみたいな食感ですけどね、でも美味しい。塩加減もちょうどよい。3ヶ月もまちたくないよね〜。早食いしちゃおうか?海苔と山葵でグリーンチーズを食べると美味しいのです。チーズの刺身みたで。熟成させない若いチーズを食べられるのは手作り人ならではの禁断の食と快楽。若いチーズは艶かしいほどに、官能的な味がするのです。ふうんわりとオッパイくさいのです。「わあ、赤ちゃんの匂い」!なのでございます。熟成チーズにはないこのオッパイくささと、赤ちゃん感覚。待たずに早めに手を出してしまいそうな予感。(後日、私がもう一度仕込んで、それを熟成チーズに回しますから)。

チーズ作り・純子&みか特別出演

 相変わらず生徒が少ないままの教室をいいことに、ゴーダチーズ作り。これはだ〜らだらと時間がかかるプロセスになるので、半ばから飲んで食べて(つまり、ほとんど宴会気分で)の教室です。ということで、私はまたべろべろに酔っ払うまで飲んでしまった。「いいじゃん、いいじゃん、どうせ私たちだけなんだからさ〜。飲みながら、ゆっくり作りましょうよ」と…・。嗚呼、私の悪いクセ。定員数いると、さすがに、ここまでは悪乗りしないのですが。
 レンネットが少々不足だったようで、カードの固まり方が遅かった。(ささ、ぐぐうーっと、もう一杯。)
 なんとか、形になったのが夜。(普段は夕方で教室は終了なのですが)。飲みすぎの私はそのままバタンキュー。夜中の1時にシラフになって目が覚めた。「ヤバイ!チーズを塩漬けにするの忘れてた」。救いようないね。夜中にチーズを塩漬けにして、また寝ました。
 只今、チーズは塩漬けの最中。この後から、乾燥を始めます。(1週間ほどかかります)。後からもう一度、自分一人でシラフで作り、まともな形にしたチーズを仕込んでおかなければ、できあがってからの試食のときに恥をかきそうだ。だいたいにして、酔っ払ってプレスしたから、形がみょーにいびつなのです。乾燥させると、そのいぶつさがますます際立ってしまうであろう。ったくもー、飲みすぎるから、こんなになっちゃうのよ!ごめんなさい。ちゃんとした形に作り直しておきます。

白味噌作り

 温かくなった季節に仕込む味噌があります。白味噌です。

 これは米麹を大豆の2倍量にして仕込む甘口の米味噌です。私の配合は玄米で作った麹(元の生玄米500gに友麹としての種付け用白米麹・これは市販品・を100gで作った玄米麹=800gくらいの生麹)、大豆300g、塩150gです。豆より、米の量がとても多いので、かなり甘い味噌になります。本場・京都の老舗の作り方は知りません。私なりの白味噌です。
 柔らかく煮た大豆が熱い(60度)うちに、大量の米麹と塩を混ぜ込みます。熱いうちに麹を加えるのは菌を殺すため。ですから、根本的に他のみそとは違うのですね。菌の働きではなく、麹の糖化作用だけを利用するみそ作りです。麹は菌そのものは死んでも、糖化作用は残ります。(菌類はものにもよりますが、たいがいは60度以上で熱死します)。甘酒作りと同じ論理です。大豆で甘酒を作るような要領で白味噌を仕込みます。仕込んだら、なるべく温かい条件で熟成を進めます。で、出来上がるのが2週間後。2週間でできあがる味噌もあるのです。温かい季節に仕込むのが都合よいです。
 白味噌は甘いというだけで、味噌本来の発酵旨味はありません。ですから、他の味噌の甘味出しの調合のために使います。懐石では最初に出す飯と味噌汁に白味噌の味噌汁を出しますね。白味噌だけでは旨味に欠けるので、1割くらい豆味噌をブレンドした味噌にして使います。
 白味噌は酢味噌和えやぬたなどの料理にも使います。他の調味料と組み合わせると、美味しい味噌に変身します。

 私は白味噌を作るとき、麹の半分は熱死させずに使います。つまり、米麹の半分は生きたまま白味噌の発酵を進める状態にしておきます。また配合する塩の量も、市販の白味噌より多めにして腐敗を抑制するようにしています。ですから、かなり自分勝手な白味噌となっています。また、白米の麹ではなく、玄米麹を使うのも自分勝手。玄米のほうが白味噌の旨味が強いからです。市販のヤワな味の白味噌が、粗にして野なる私の口には合わないからです。(正直言って、私の作る白味噌のほうが、味だけは断然にいいですよ。でも、見た目がちょっと悪い。色がきれいな黄色ではないのです。生成り色みたいな色合いです)。

 作ってみたい方は今くらいからが作りどきです。

13日の教室はゴーダチーズ作りです

 不安定な空模様が続いています。湿度が高い…のに、私はまだ味噌玉を陰に隠れてコソコソ続けています。豆味噌と玄米麹を掛け合わせたオリジナル味噌「玄米豆味噌」を仕込むために。玄米麹を使えば、大豆に麹カビを生やす必要はないのですけどね。でも、豆味噌風味の玄米麹味噌にしたいので(なおかつ、豆味噌も半年くらいで早めに食べ始めたいので)豆味噌菌と玄米麹菌のダブルパンチの混合味噌を仕込むのです。ダブル菌力です。

 とまあ、このような秘め事は棚に上げておくとして。今度の教室はゴーダチーズ作りです。ざっと手順を説明しておきます。
 先ず、ノンホモパスミルクを湯煎で30度に温めて乳酸菌で種付けして発酵させ、レンネットを入れて凝固させます。(ここまで1時間半ほど)。凝固した乳酸牛乳はカードと呼ばれます。カードを細かく切ってから、40度の湯を注いで、カードからホエー(乳清)を抜く作業をします。これがなかなか大変。何度も湯を取り替えて、カードが10分の1くらいまで縮むまで行います。(1時間以上かかります)縮んだカードの塊を木綿豆腐の要領で型詰めします。これがチーズの赤ちゃん。グリーンチーズと呼びます。グリーンチーズを塩漬け(半日)してから、1週間ほど表面を乾燥させます。(味噌玉みたいでしょ)。乾燥したグリーンチーズを密封して3ヶ月以上熟成させます。
 土曜日の教室で行えるのはグリーンチーズのプレスと塩漬けのところくらいまでです。その後の乾燥1週間は私が行います。1週間後の土曜日、つまり20日(パン教室ですが)に、乾燥味噌玉ではなかった乾燥グリーンチーズを「秘伝」真空包装します。なぜ密封するかといいますと、空気を遮断してカビが生えてくることを抑制するためです。頑張ってカビを生やした味噌玉と逆のことを行うのです。で、なぜ、秘伝かと言えば(プロのチーズ作りではロウで密封するんだけどね)私はグリーンチーズをポリ袋に入れて、その空気を掃除機で吸い尽くして真空パックにするからですゲロゲロ。人様には見せたことのない、このおぞましいゴーダチーズ作りの現場を教室初で公開いたしますレロレロ。

 ゴーダチーズ作りって、どこか豆味噌作りと共通していますでしょう。豆味噌作りの後にゴーダチーズ作りを持ってきたかったのです。この作業は大変ですけれど、豆味噌作り経験者ならクリアできるはず。比較しながら考えれば、発酵論理としても面白いものです。
 写真はこの夏あたりから食べ始めることのできる「玄米豆味噌」。今回仕込むのは、もっとたくさん玄米麹を入れて甘口にして発酵を早めようと思っているものです。
 只今、豆味噌(というか、麹菌と麹カビの世界)だけを実用の視点でピックアップして、文庫本にしてみようと考え始めました。豆尽くし〜日本のお豆さん〜とは異なる書き下ろしで。文庫なら、ちょいとコネれる心当
たりがあるもので。

その日暮らしの手帳

 アースオーヴンで大慌てて焼かれ、真っ黒こげになったあのミジメなパンたちは、本日、大量のパン粉に粉砕されて、お天道様の元にさらされました。捨てるにしのびず、リサイクル。嗚呼、その日暮らしの手帳。いずれ、ポテトコロッケやトンカツにされる運命となりました。黒こげ皮の部分は庭にまかれて小鳥のえさになりました。スズメばかりがやって来ます。今の時期、本当は野鳥にエサをあげてはいけないのです。自然なエサが豊富な時期に人間がエサをまくと、鳥たちが野生的にエサを捕らえることをしなくなる。いけないことなんです。(いけないと知っていてもやっている私)。

 極貧窮乏フェアのラストスパート、絶頂期。あと、2週間の辛抱だ。ラストクリアランス。ガスオーブンは今だ壊れたまま。まるで金棒と虎皮パンツを奪われた鬼のようなものです。

ガスオーブン故障の結末

 嗚呼、この悪夢!パン生地の焼成直前にぶっ壊れたガスオーブンに換えて、急きょ薪を燃やしたアースオーブンで焼き上げたパン。
 普通は1〜2時間薪を燃やして窯の温度を充分に安定させてから行うアースオーブンでのパン焼きです。しかし、いかんせん。急だったものだから、燃え盛る火中に生地をぶちこんだ。当然、外側は真っ黒こげでした。
 そんな現場にたまたま偶然、我が娘が現れた。「悲惨」の一言。彼女が外側の黒こげをひとつずつ丁寧に削り落としてくれました。すると、中からは食べられそうな白いふわふわのパンが出てきました。
 しかし、まだショックからは立ち直れない。ガスオーブンの修理代は3万ほどかかる。この全く余裕のないときにオーブンが壊れるなんて…。ともかく、今月の25日に印税が入るまで、自慢じゃないが、私は一文無しなのだ。なぜ、こんなときに壊れちゃうのだろうか?せめて、25日過ぎてから壊れてくれてもよさそうなものを。奈落の底のように真っ黒こげな気分。
 ここのところ、いつも勝利の女神にアッカンベーをされているような気がする。何かの祟りか?悪魔祓いでもすべきなのか?貧乏神から熱烈なラブコールを送られているみたいだ。自転車操業のべダルを踏み外してから、かれこれ半年以上もたつ…。4月25日までの貧乏神フェアを持ちこたえれば、後は少しラクになり生き延びることができるのは知っているのだが、…やはり落ち込む。笑え、笑って持ちこたえろと、我が身に言い聞かせて、今をやりすごすのです。

ガスオーブンが作動せず

 ゴールデンウィーク最終日。そして、いよいよ…運の尽き。昨夜、食パン、レーズンパン、ロールパン、クロワッサンの生地を仕込んだのですよ、種のリフレッシュメントも兼ねて。新たに、みるくちゃんや、みかちゃんが入ったので、やけに張り切ってしまって…。
 で、本日、パンを焼こうとしてガスオーブンに点火したとたん、「ぷ〜」。「ぶちっ」。ですって。壊れちゃったのよ!うそでしょ!いや、ほんまやで〜。どーするのよ、発酵した生地?ガス屋は休みやで〜。
 でもー、焼くしかないでしょー。当たり前だ。

 雨の中、アースオーブンに火をつけるはめになった。焦ったのなんのって。雨にぬれながらの点火、「ジュー〜」。当たり前です。普通、雨の中、野外でパン焼きをするアホおりまへんのや。それをやった。
 このアホなパン焼きの結果は後のブログで恥さらしいたします。

お邪魔ねこ

 朝、目覚めてカーテンを開けたとたん、野生の王国が目に飛び込んできた。ゲジゲジの次は猫。目が合って逃げ出さない。ずーっとじーっと座り込んでいるのです。デジカメを持ち出して窓越しに撮影を始めたら、急に態度が変わって、もじもじとテレ始めました。そして、こそこそ逃げ出しました。やはり、野良猫なのか、撮影なれしていないと見える。昨日、本屋に行ったら、はっちゃん日記のはっちゃん(猫)の立派な写真集を見つけてしまいました。さすが、はっちゃんは撮影なれしていて、ほとんどスター並みのカメラ目線とポーズでした。内の庭の野良猫もポーズを決めてくれるのかと期待したが…。期待した私がアホやった。

 本日はお教室でございます。お天気になってよかった。お気をつけていらしてください。