古びた森のパン屋の屋根裏に、蜂が巣を作ってしまってのう…。
最初は気づかなんだあよ。
ある日、丸太の柱を伝わり、タラーリ、タラーリと、粘り気のあるものが流れ落ちてきた。
なめてみたら、蜂蜜じゃった。
もしやと思い屋根裏をのぞくと、やはり、そこには蜂の巣があったというわけじゃ。
原材料ゲット。経費削減。使えるものは使うのが魔法使いの性なのじゃ。
アメリカ製・割賦払い36か月+ボーナス払い毎年2回・その上、毎度毎度の「残高不足警告」の督促状着き!で購入した水フィルター強力吸引掃除機に乗り、南の森まで飛んで行った。
(三十数万円もしたな…。ともかく、最近のほうきは飛びが悪いので、この世界でも乗り物はほとんど掃除機になっておるのじゃよ。近年、効率性よく、高性能、高速化の波が、魔女世界でも普及しておる。実に嘆かわしいことである。)
初夏を迎えたの森で、ストロベリー、ラスベリー、ブルーベリーを摘み取った。
北の森のパン屋へ戻り、みっつのベリーを蜂蜜に漬け込んで数日間。
みっつのベリーから芳醇な香りの汁が蜂蜜ににじみ出し、非加熱の香り高いフルーツソースが(てめーかってに)出来上がってしまうというわけさ。
シフォンケーキに添えてよし、チーズケーキにかけてよし、ヨーグルトに混ぜてよし。
せっかくの新鮮なフルーツの香りを煮詰めてジャムにしてしまう人間のセンスが、わしゃ分からんのう。
非加熱の放っておきっぱなしなら、こんなにも美しい香りなのにのう。
名づけて「フリュイ・デ・ボア」(森のフルーツ)じゃ。
(はい。ということで。ここで森のパン屋・魔法使いのババアから、国分寺在住の人間に戻ります。
苺が美味しい季節ですね。でも、食べ残したものは傷みやすいです。
この生のフルーツソース、生のベリー類を蜂蜜に浸けて、冷蔵庫で数日間、放っておくだけで出来ちゃうんですよー。煮ないのです。チョー簡単すぎる。
酸味が欲しければ、少しレモン汁も加えてね。キルッシュワッサーなど、好みのお酒を加えても最高ですよ。
常温に置くと、発酵してお酒(=ミード)になってしまうので、冷蔵庫に入れておいてね。食べ飽きたら、2,30分加熱すると、ベリーのジャムになります。
昨日の撮影隊に出したら、すごく好評なフルーツソースだったので、アップしておきます。簡単なので、ぜひ作ってみて。ついでに、シフォンケーキなどを焼いておけば最高です。
添えるクリームは、」マスカロポーネかサワークリームがいいです。甘くないクリームを添えるほうが、フルーツのフレッシュな風味が生きます。)