チョコレートのパン出来

 中の生地はココア生地、外側の生地はチョコチップ入りクッキー生地の「チョコレートロール」を考えて作りだしたのではあるが…。

 おおーっ、まるで白雪姫の棲む森に生えている邪悪な毒キノコみたいな風貌になったではないか!全然、可愛げがない。魔法使いのバアサンも、わざわざ毒りんごを作る手間が省けるというものだ。

「可愛いお坊ちゃん、美味しいチョコパンはいかがかね?イヒヒヒヒ。」

 バレンタインのプレゼントにぴったりだ。…・。

 作りなおすのも悔しいので、この「毒キノコ成形」でいきます。名前は「白雪姫の毒キノコ」とでもしておきましょうか。素晴らしいネーミングだ。(体験出席申し込み者が、よく、教室で何というパンをやるのか問い合わせてくるのですが、名前を尋ねること自体が無意味です。なにせ、まともなパン教室じゃないんだから。)

 チョコレート風味のパン生地を作るには二通りの方法があります。溶かしたチョコレートを混ぜ込む方法と、ココアパウダーを使う方法です。

 溶かしたチョコレートを加える場合は、油脂混入時と同じタイミングで配合します。ココアパウダーを使う場合は、小麦粉と同時に最初から加えます。
 いずれにしても配合率は10%ほどです。(それ以上は製パン性を劣化させます)。

 今回はココアを使いました。ココアは非常に吸水性の高いパウダーです。生地に配合する水分をかなり増量させなければ、しっとりフワフワの生地になりません。(小麦粉300g、ココア30gに対して卵1個+水が260〜270ccもの水分です)。

 逆に溶かしチョコレートを加える場合は水分を若干減らし気味にします。チョコレート配合の生地は、チョコレート成分のせいで、発酵も鈍重になります。風味はココア生地より深いのですが、ココア使用より難易度の高い生地作りになります。

 ココア生地と白い生地を重ね合わせたマーブル模様のパン生地も美味しいし楽しいのです。クッキー生地を作るのが面倒な方は、白い生地とココア生地の2種類を仕込んで、マーブルにするのも手です。