今シーズン最後の醤油採り

 今年の晩秋に完成した昨年仕込みの豆味噌から、最後のしょうゆ採り。最後の最後に、ほんの少しだけ、200ccくらいいただきました。

 で、この後は、また来年の秋までは自家製醤油はあたりません。豆味噌として食べちゃうし、あちこちにお歳暮代わりで送っちゃうから。醤油を採りすぎると豆味噌の水分が少なくなって風味が落ちます。だから、これで、限度かな。
 秋から冬まで、ずいぶんとふくよかな味の香り高い手作り醤油を楽しませてもらいました。ありがとう、豆味噌さん。エライよなあ…。
 豆と塩と水だけで、醤油になってくれて、味噌になってくれて。日本の大豆、大事にしましょう。宝物ですよ。

 シーズン最後の醤油採りには、しみじみ手を合わせて拝んでしまう。みなさん、日本の豆力を廃れさせることなく、存続させましょう。大豆畑よ、永遠に…なんちゃって。自然発酵種パンづくりファミリーの意地をかけて、味噌も醤油も漬物も、諦めることなく手作りを続けるのだ…。いつか、その存続の価値を世間様に分かってもらえる日がくるかもしれない(なかなか来ないけど)。こんな美味しいもの、なくしちゃダメだよ。日本の味は大事だよ。美味しいって、とても価値あることなんだよね。

 この後から1年間は、醤油採りではなく「豆味噌」として、美味しい味噌汁や味噌料理になってもらいます。まあ、味噌としては、このほうが本望でしょうか…・。

 醤油採りを終わらせる頃になると、来年の醤油と豆味噌のための仕込みに入ります。手前味噌とはよく言ったもので、1年先のものを今作るんですよね。来年の話をすると鬼に笑われると言われますが、わたしなんざあ、年中鬼に笑われっぱなしだわ。

 だいたいにして、本づくりだって、完成はうまくいっても1年先だもんね。何年もかかるものもあるし、どんなに頑張っても闇に葬り去れれる原稿の方が多いし。虚しくなるけど、でも、諦めないと、少しだけなら形になって残るしね。1%の可能性を自分自身で大事にしよう。99%の可能性の方は他人様が大事にしてくれるから、シカトしておいても平気だぜ。