三年目の梅干し

 9月の後半だというのに、ざーけんなよ〜の暑さでございます。

 いやはや、敬老の日だというのに、結構なお日柄でして…・・。これじゃあ、お年寄りも干からびちゃうよ。老体には、きついきついきつすぎる残暑でござんしょ。

 思い立って、三年前の梅干しを取り出して、晴天下に干してみた。

 で、ぶったまげたね。

 梅酢が、マーマレードみたいな濃度になって、とろとろになっているんだ。で、なめてみた。…。ん!?

 あ、甘い!なんで、こんなに甘いのだろうか!?確かに、塩味の(しかも、18%塩の)梅干しなのに…。3年前は、あんなにしょっぱくて酸っぱかったのに。

 たぶん、梅の実が潜在させていた糖分が、3年の月日の間に自然に濃縮されて、甘味として現われちゃったんでしょうね。まさしく天然の甘味でございます。甘露のような味わい。甘い。その上、梅干しとは思えないような旨味成分が生まれている。たぶん、何かの拍子に塩分がアミノ酸ナトリウムに変化しちゃったんだろうな。普通、梅干しの塩分は梅のクエン酸の作用で、クエン酸ナトリウムに変化するんだけどね。

 密閉保存しておいた梅干しが、こんなに甘くなったのは初めてだ。普通はここまで甘くはならない。塩気が円やかになる程度なんだけど…。実に不思議なことも起こるもんだ。三年ぶりに、また土用干しされている梅干しは、いったい何を考えてお日様を見上げているんだろうか?三年前の夏を思い出しているのかねえ?