(リーン)塩パンのオーバーナイト発酵

 前々回に引き続き、ごく少量のパン種で長時間発酵させるシリーズ、今回はリーンな塩パンです。

 バゲットやカンパーニュ、パンペイザンなど、リーンなものをオーバーナイトで一次発酵させたい場合、(発酵が素直なので)種量は5%にします。
 300gの本配合粉に対して5%の種といえば、ほとんど親指の先くらい。こんな量で、ちゃんと発酵して膨らむのかなー?とか、心配になるかもしれないけれど大丈夫。(就寝前のパンチは忘れないでね!)ぐっすり眠って、翌朝の14時間後には発酵完了です。
 リーンなものの場合、中種を使いすぎると酸化させやすくなり失敗も多いのですが、5%の少量の種なら、そのような酸化の失敗もほとんどありません。ぜひ、試してみてください。ともかく、ラクチンですから。(梅雨明けの盛夏になったら、作り方が変換するので、やるなら今のうちだけですよ。さっさとお試しあれ)。私の場合は夕方のちょっとした暇な時間に生地を捏ねますが、ご自分の翌日の都合の良い時間で逆算して仕込み時間を決めてください。
 写真はいちじくとくるみを入れたパンペイザンです。パン種が少ないので、クセのない食べやすいペイザンになります。種を少なくすると、中種法というよりはストレート法的なさくっと感が出ます。食パンなども、クセのないたんぱくな味わいになります。
種が多いと発酵が早くて、その日のうちに焼きあげることができるのですが、オーバーナイトのゆっくり発酵で、ゆるゆるとのんびり作るのもいいものです。
 初夏や秋、日中の温度が24度前後、夜間の温度も20度くらいの時期には少量種のオーバーナイト発酵をお勧めします。