下弦の二十一夜月


 立川ルミネ店用のレシピ書きもひとまず終えて、あとは開店に向けた実戦トレーニング大会を我が家のキッチンで集中的に行うのみになりました。それを終えたら、現場の厨房でのシュミレーション。と言うよりは、ほとんど、ぶっけ本番直前の最終リハーサルみたいなものですけどね。ここまでくると、逆に居直って落ち着き払ったものですよ。わっははははは!…・。(ちびてたりして)。
 開店は9月1日に(予定より1週間先延ばしの延期に)なりました。場所は立川ルミネ地下1階の食品階です。エスカレーターを2階降りるところ。一階おりると、地上の1階なんです。駅の地続き、あれは1階ではなく2階です。で、地上1階のほうが、ずっと華やかなんですよね。地下になると、突然、生活っぽくなるというか、所帯じみた感じになるわけ。地下1階はたぶん地元生活のお客さんが多いのではないかな。ともかく、地下生活ではなく、地上に上がりたいわけよ、私たちとしては。地上1階は、そこそこ、それなりに華やぎがあるから。で、意地でも頑張って地上生活に這い上がろうとして、今、企業秘密ばりの企画を必死になってたてているのです。まだ、地下も開店していないというのに。ともかく、ひろこ&新川両者の野心企画だけは健全、異常なまでに前向きです。私の手持ちの駒はたくさんある。文字通り、売るほどある。順繰りを考えて、慎重かつ賢明に出しまくるだけです。
 北海道人vs沖縄人という、日本のアウトサイダー二人が考え出すこと
は、ある意味、見た目は地味ですが、内実は奇抜です。お握りと惣菜という実に地味な店ながらも、「なんじゃ〜こりゃ?」と、二人の心意気を見せる店にしてみせます。熱い心とクールな頭を共存させるのがポイントかな。実は、熱いのは北海道人の私のほうで、クールで平常心なのは沖縄人の新川氏のほうなんです。彼が、心地よい冷却剤になり、緩和剤となり、とても(忙しくて体はきついけれど)気持ちの心地よい仕事となっています。地上生活者に成り上がるために、今、私が抱え込んでいる企画を二人の共同企画として当店独自(でも、私自身は店に立たないんだけどね)のものとして、ルミネに強くアピールしようという話になっています。早い話が、店だけではなく、イートインできるスペースも確保したいのですよ私は。そうじゃなきゃ、私の今の企画が生かしきれないわけ。人知れぬ苦労と努力を重ね、作って作って作りまくってきたのだから。鈴乃家の社長すら、「これは、おまえ独自の素晴らしい創作物であり、いまの既成の市販品物販には存在しない。一緒に頑張って商品開発しよう」とすら言ってくれたのだから。そんな「未知のもの」を「僕が店でやります」と断言してくれた若き新川さんに心から感謝です。もう、私は一人じゃないと心から嬉しくなりました。自分で考え出して自分で作るという作業はおそろしくなるほど孤独で、厳しくて、お金もかかるものです。今まで報われることのなかった私の生み出すものをこれからは新川・鈴乃家の鈴木両氏が応援して共生共存してくれる。生きてて良かったと思える瞬間です。この気持ちを形あるものに具現してくれる頼もしいオシゴトパートナーを得た気分です。ということで、私は意地でも立川ルミネの新川店(たくやとかいう店名になるらしいよ、別にどうでもいいけど。秀貴クンという男の子が好きだから、ひできにしろ…と思ったけれど言わないでおいた)。ちなみに、新川さんの名前はたくやではなく潤(じゅん)ちゃんです。