昭和40年代の給食パンのつもりだったが…今週のパン

 私が子供の頃の学校給食って、なかなか凄かった。今でこそかなりちゃんとした食事が、学校給食としてだされているようだけれど…。
 まず、パサパサブハブハのコッペパン。そして煮詰まったような煮とけたようなドロドロの食べ物(あれは一応副食とか呼ばれているスープのような煮物のようなものだった)。そして、牛乳1ビン。たまに、ジャムが添えられたり、わらじのように硬いコロッケが付いてきたりした。副食にうどんが出ても、ラーメンが出ても、先割れのスプーンで食べなければいけないものだから、子供たちの食べ方は必然的に犬喰い状態になるわけよ。(今はちゃんとお箸が用意されているらしいけれどね。)その犬喰いを見越してか否か、麺類はどろどろにふやけて伸び切っていて、スプーンでもすくって食べられるわけよ。ここって、日本だったっけ?どこの世界に麺をスプーンで食わせる社会があるんだよ〜、と思っていたら、あったね。タイの人たちは麺をレンゲスプーンで上手にすくって食べていた。

 まあ、そんなことはどーでもいいのだが…。なんだっけ、パン教室だったっけ?そう、パンなのよ。
 給食のコッペパンは塩味でリーンな配合だったのに、なんであんなにぶかぶかにふくれていたのだろうか…とふと疑問に思ったのです。塩以外、極わずかな砂糖や乳製品、油脂が添加されていたはず。でも基本的には塩パンでリーンな配合なのです。なぜならば、給食の原価は非常に安いもので、パンに高価な材料をふんだんに使える状況ではなかったからです。

 なんだか懐かしくなってしまうほどの不味さだった給食。そして給食のコッペパン。この昭和40年代の給食コッペパンをリーンな配合のままに再現してみようと考えたのです。と、ところが!ガ〜ン。再現できなかったのですよ…。どうしても、フランスパンのバゲットみたいになっちゃうのよー!バゲットじゃなくてね、ブハブハのぱさぱさの40年代のコッペパンにしたかったのに。

 今思うと、学校給食のパン屋さんはエライ!だってさあー、低い原価でリーンな配合で、なぜあれほどまでにぶよぶよ膨れたパンが作れたのでしょうか。もう、こては本当のプロとしか言いようが無いのですよ。原価や材料に糸目や限界をつけなければ、いくらでもふわふわのコッペパンなんか作れちゃうわけ。でもね、リーンな配合と質素な材料費だけでぶはぶはに膨れたコッペパンを作れといわれたら、こりゃー難しいですよ。

 リーンなコッペパンを作るつもりだったのが、図らずもフランスパンみたいになちゃって、あー明日の教室のパンの配合を本日もう一度組み立てなおさなければいけないなあ…と、うんざりしている本日です。