花吹雪

 更年期症状のめまいがする日。

 まるで花吹雪に翻弄されているみたいだわ。

 満開の桜も美しいけれど、花吹雪となって散りゆく桜は、ことさらに美しい。

 うふふふふ。更年期症状なんざ、桜の花吹雪みたいなものざーます。

 国分寺跡の桜群も、満開期すぎて花吹雪が美しかったわよ〜。

 花の季節以外には黙して語らぬ地味な木立ですが。この季節にだけは、自己主張するの。こんなにもある木々が、全部桜の木だったなんて…と唖然とするほどに、サクラ、サクラ、さくら、桜なのよ。

 広い緑の野原が、薄紅色に染まる短い期間。

 わたしゃね、言っておくけど、ビールもワインも持っていかなかったわよ。

 歩き疲れて「ねえ、すわろうよ」花の下に、試食担当部長と二人で座ったわ。部長、何やら袋をガサゴソ。

 取り出しましたものは、缶ビールとワイン。「はい、どうぞ〜」。

 「いえいえ、私は家に仕事を残してきているので、飲まないわ!」と、きっぱり言って、…・ビールもワインも全部飲んだ。

 うまかったわよ〜、喉が乾いていたし。

 花吹雪の中での酒は格別ですな。

 もう一回くらい、花吹雪の花見酒してもいいな。

 なごりおしみのなごり花。

 結局は、がっつり飲んだ…というお話でございました。