合わせ味噌

 豆みそづくりのSOSメールが、あちらこちらから、ちらほらと入っています。みんな、頑張っているんだね。うまくいくといいけれど…。

 昨年、晶文社から上梓した拙著「和・発酵食づくり」に詳しく書いておいたので、ご参照なさってください。

 コウジカビが正常に生えた味噌玉の匂いは、森のキノコにそっくりな良い香りがします。納豆や、オヤジの古靴下みたいな臭いではありませんよ。

 味噌玉が臭いと感じたら、不要な菌に侵されたものです。白や黄色のカビが生えても、臭いのは別の菌も同居しているからです。臭い味噌玉を塩水で本仕込みしても、臭い豆みそが出来上がるだけです。(私、経験済みです)。

 SOSメールには、写真を添付してください。その際は、引いて全景、接写でアップ、そして味噌玉を割って中の断面図、この三つがあると、少しは判断つきやすく、少しは役立つアドバイスができるかもしれません。電気やフラッシュを当てず、自然光で撮ってください。(色の判断のため)。

 本仕込みした味噌玉は、1か月足らずでフルーティーな良い香りを立ち上らせます。すでに、豆みその香りなんです。1,2カ月たって、かき混ぜても、良い豆みその匂いがしないものは、味噌玉の段階で、不要な菌に侵されてしまったものです。

 ですから、味噌玉づくりの段階で、適正に判断することが大事です。不慣れなうちは、廃棄とゼロからのやり直しやむなき…ということも起きるのです。めげずにね。失敗から学びとるわけよ。わたしゃ、そうしたけどね。

 さーてと。

 合わ味噌の話です。

 3年熟成の豆味噌と、1年物の玄米麹味噌を2:1くらいの割合で合わ味噌にしています。これ、フードプロセッサーでやると、メチャ簡単。すり鉢も、すりこぎ棒も、味噌こし網も不要になります。

 画像右上が豆味噌、その左が玄米味噌、手前左がフードプロセッサーに両方の味噌を入れたもの、その右が、ガーして出来上がった合わせ味噌です。

 豆味噌は、そのまま常温で置いておくと、空気に触れる表面部分に酵母系のカビが着きやすいのよ。

 でも、コメ麹の味噌を少し混ぜ込んでおくと、あーら不思議。表面にカビがつかなくなるんですよ。

 大きな保存容器から出した小分けの味噌をこのように合わせ味噌にしておくと、カビも来ず、常温保存できて便利です。

 味噌こし不要で、すぐに料理に使えますしね。