新調した削り器と、三日目にしてようやく折り合いがついてきたわ。
粉にしなくなったの。カンナくずのように、薄く削れるようになってきた。
今まで、「力の入れすぎ」だったのよっ!
この新参者の木製の鰹節削り器の刃、切れ味抜群なの…。
どうりで、鰹節屋のオバチャン、涼しげな顔でシャーシャーと削っていたわけだ。
わたしなんざあ、格闘技の試合みたいな力を入れて、ガシガシ引っかけて節を傷つけたりしながら削る…というよりは、破壊していたもんね。
実は、右腕が「筋肉痛」になったんです。鰹節削りで…。自分でも笑えるよ。鰹節削りで筋肉痛なんて。
そりゃ、あーた、脇の下にべっとり汗かきながら、力を込めてあの硬い鰹節を「破壊」すりゃ、筋肉痛にもなるというものさね。笑っていいとも!
ともかく、何とか少しは上達したよ。鰹節は粉っぽく削っちゃうとエグみが出ちゃうよね。薄く削れると、出汁引きの香りも、ますますかぐわしいし、味も良いです。嬉しいなあ。
鰹節には腹側の雌節と、背側の雄節があって、私は両方混ぜて使っています。
雌節は赤っぽくツヤのある鰹節で、コクのあるダシが引けます。雄節は白っぽい鰹節で、上品で洗練された味のダシが引けます。
鰹節の削り口は、宝石のめのうのように輝いて、うっとりするほどキレイです。薄く削れた鰹節は、咲いたばかりの花びらみたい。
こんなにも美しいものが、日本のダシだなんて!!なんて素晴らしい食材なんでしょう。
毎朝、鰹節削れるなんて、とても幸せなこと。
鰹節にすら手を合わせて感謝して拝みたくなってしまうわ。イワシの頭も信心とかいう言葉あるけど…。