パイ日和

 久々に、肌寒い日となりました。パイ作りにはおあつらえむき。

 実は、先日の「酵母焼き菓子」本の写真撮影、室内温度が上昇し過ぎて、折り込みパイ生地類の最終仕上げシーンの撮影が、不可能になってしまったのです。

 外の温度が24,5度。室内は、撮影作業とオーブン稼働で、30度までは行かないまでにも27,8度くらいになってしまいました。

 家中の窓を開け放っておいたのですが、上昇には勝てず。

 超早起きの仕事開始だったので、夕方の5、6時で、すでに私はヘトヘト。16時間連続労働の疲労困憊もあって、最終ラウンドで三回タップのギブアップ。

 汗だくで、へたりこんでしまいました。

 ノドに流し込んだビールのウマかったこと!

 本日は3日間も途中経過のまま放ったらかしておいたパイ生地の仕上げをしました。パン種を入れてあるので、折り込みの膨らみ+発酵が進んだ膨張で、フカフカに焼き上がりました。

 こうなりゃ、パイというよりは、パンとのハーフですね。

 酵母の菓子生地は、いくらでも放っておけるので、だらしない私には、ぴったりです。すぐに焼いてもいいですし、冷蔵庫で1週間近く放っておいても大丈夫。

 1週間近くも猶予があれば、そのうち作れる日も来るさ…ってなもんで。悠長なものです。で、本日、バター折り込みベストコンディションの気温に下がりました。

 本のタイトルを「だらしない人のための、いい加減な酵母菓子づくり」にでもしたい気分です。まあ、そんなホントのことは書けないけれど。

 折り込み生地づくりに使うバターに関して、ワンポイントアドバイス。

 一度でも室温に出して柔らかくなったバターを冷蔵庫に戻し、冷やし固めて使ってはいけませんよ。

 一度でも緩めたバターは、再度冷却しても元の良い状態には絶対に戻らず、弾力のないパサついたバターになります。風味も劣化します。

 このようなものをクロワッサンなどのペストリーや折り込みパイ生地に使うと、良い状態の生地にはなりません。つまり、失敗しやすくなります。

 安さが売りの某大手量販店の業務用バターに、ときたまこのような再冷却バターが並んでいます。購入時には判断つきませんが、使ってみると、その質の劣化がすぐに分かります。

 バターは基本的には冷凍保存です。ですから、冷凍保存状態で販売している店のバターが、一番信頼できます。

 パイやクロワッサンのみならず、お菓子やパンづくりにとって、バターは大事な素材です。質の悪いものは買わない、まがいものの代用品も使わない、そのくらいの気迫で選ばなきゃね。失敗して、悔しい思いをするのは自分ですから。