土用干し


 セミの声が聞こえる間に梅の土用干しをします。だいたい1ヶ月間くらい猶予がなるかな…。どういうわけか1週間ほど前からカナカナ(蜩)の声(東京、国分寺にて)。昨日からミーンミーンミーンと、ミンミンゼミの初鳴き。土曜日までは天気が持ちそうです。三日間の土用干しを早々に開始しました。

 でも、これは仕込みの半分。残りの半分は本格的なセミの声まで楽しみに残しておきます。
 待てなかったのよねえ…。今年の梅は徳島の森本夫妻が精魂こめて育てた無農薬栽培の完熟梅。塩漬けの段階ですでにもうフワフワ。生唾ゴクンです。見ず知らずの私に、愛読者というだけで、市場規格外の完熟果物や無農薬野菜や特産品の天草などを送ってくださる森本夫妻の情に感謝しつつ…早々に梅干の土用干しです。爽やかな風も吹いています。戸外の光はキラキラです。

 梅の土用干しは日中干して(その間、梅酢を梅にピッピッと時々ふりかけて…)、夜間には梅酢の中に収めて…翌朝、また梅をざるに広げて日干しにして…・を三日間繰り返します。で、この、梅を梅酢の中に収めるというのが、メチャクチャめんどいわけよ。いい加減にせ〜よっ!というくらい鬱陶しいし、面倒で手がかかるんだ。
 梅干作りが大好きな私ですらウンザリするんだから、初めての人とか、忙しい人とか、もっとウンザリするんだろうなあ…・。(私だって、暇というわけでもないし、仕事して自力でメシ食っていかなきゃいけないんだから日常生活ラクというわけでもないし…・)。だから、みんな梅干を自力の自家製で作らなくなるのよお〜。

 そこで私は考えた。梅の土用干しを合理的に済ませる方法を…。

 まず、梅酢を霧吹きに入れてください。そして、時間のある時とか、気の向いたときとかに時々梅酢を干している梅にシュッシュッしてください。夜間はざるに広げた梅を梅酢に取り込まずに、ざるに広げたまま、やはり梅酢をシュッシュッして、ざるを段違いに重ね合わせて寝てください。梅は梅酢に漬け込まれたように、ざるの中でしっとりと安らぎますから。
 翌朝、そのまま梅がのっているざるを外に出して干して、また時々、梅酢をシュッシュッ。これを三日間繰り返します。
 これで、梅をざるに広げて干す、梅酢をかける、夕方に梅酢に梅を取り込む、…・といった三日間の苦労がなくなりますから。かなりラクになります。原理的には間違っていないのだから、手抜きとかズボラとかじゃないよ。大丈夫だよ、やってごらんなさいな!
 あと、梅干の土用干しはギンギラギンのテンコテンコに暑い炎天下で延々とやっちゃダメだよ。梅が乾燥しすぎて痩せちゃうから。種と皮だけになっちゃうと、日本の梅干しというよりは中国の乾燥梅みたいになるよ。(まあ、それはそれで美味しいけど)。
 お日様に当てるのはそこそこに、炎天下の猛暑の時には木陰の半日影くらいがいいよ。戸外に出せない人は窓辺でもいい。難しく考えず、杓子定規の教本にも従わず…・、自分のやり方で自分の可愛い梅干を作ろうよ。いくらお日様が欲しくたって、ずーっと炎天下で日光浴していては、人間ですら熱中病とか熱射病とか病気になっちゃうでしょ。それと同じなんだよ。梅干ってミイラじゃないでしょ。半生干物でしょ。そういうふうう自分で工夫する。これが楽しいのだーっ!