すももの梅シロップ漬け

 本日、オキョーシツでございます。あいにくの雨です。

 梅雨の盛り。せっかく作った梅シロップが発酵してぶくぶく泡を吹いて困っている…という方もおいででは?シロップだけを鍋にあけて煮立たせます。白い泡のようなアクがたくさん浮いてくるので網杓子で取り除きます。シロップがまだアチチのうちに、梅の入っているびんに戻し入れます。これで発酵は止まるはず。取り除いたものは発酵の原因になっていた酵母の死骸です。発酵を放置するといずれ噴出して、台所中ベトベトになっちゃいますからねえ…。

 この季節の果物…すももや杏など…を梅シロップでコンポートにすると出会いモノでよく合います。
 清潔な空き瓶に果物を生のまま入れて、梅シロップを注ぎいれ蓋を閉めます。これをビンの肩八文目くらいまでの湯に浸けてコトコト皮がはじけるまで煮ます。蓋を閉めてあるので同時に脱気できています。開封まで常温で保存がききます。すももで作ると、梅の酸のせいで真っ赤に発色します。目にも楽しい初夏のコンポートです。(写真左のびん)
 梅シロップで夏みかんの皮の千切りも煮ます。これは酸味のあるマーマレードになります。たくさん作ってしまった梅シロップの活用法のひとつとしてお試しください。同じ季節のもの同士なら何でも合いますよ。

 さて、シロップの発酵を止めるのではなく…、そのまま行かせてしまう方法もあります。ミード(蜜酒)です。梅シロップを3倍ほどに水で希釈して、常温放置するだけでミードになります。例えば糖度が24,5度あると、その半分、つまり12,3%くらいのアルコール発酵になります。ちょうどワインくらいの強さです。(写真右)酒税法違反ですが、梅シロップが勝手にアルコール発酵してしまうんだから、しょうがないでしょう?別に何を混ぜているわけでもないのですから。同じ原理で手作りの甘酒も2週間くらい常温放置すると酒(どぶろく)になっちゃいますよ。これも環境に生息する野生の酵母菌のせいです。特にパン作りを恒常的に行っている人の生活圏には酵母菌が多いです。(常在菌の生態系は人それぞれ違います)。糖度のあるものなら、放置するだけで簡単にアルコール発酵してしまう。野生酵母によるパン作りの副産物です。パンと酒って、本当に密接な関係にあるものです。