お煮しめの落としぶた代わりに

 今日は試食担当部長のお誕生日ディナー。

 季節がら、典型的かつ古風な「祝膳」を作ります。

 お赤飯蒸して、お煮しめ炊いて、揚げ物作って、刺身のお造り盛って、ケーキ焼いて、…酒飲んで。

 ご馳走でもなんでもないし、華やかさもないけれど、やはり、和風のお煮しめが、お料理の王道だと思っています。

 お赤飯とお煮しめの組み合わせ。ジミ〜ですけど、大好き!今どき、お赤飯とお煮しめがごちそうだなんて思う人は少ないかもしれませんが。

 季節野菜のさまざまや保存山菜、手綱こんにゃくなどを時間をかけて煮含める煮しめは、丁寧に引いただし汁、酒、塩がコトコト煮含めベースの下味です。みりん、醤油は最後の上味付け。

 弱火で炊いては火をとめ、冷まして、また炊いては、火を止めて。この底味をつけるのに、一日がかり。

 一日がかりの煮含めには落とし蓋が欠かせませんが、鍋一杯に詰め込んだ具の上に落とし蓋のスペースは、もはやありません。

 質の良い木綿豆腐を焼き上げたものを落とし蓋代わりに最上段へ。

 焼き豆腐や油揚げなどを落とし蓋代わりにするのが、私の常とう手段です。大豆製品からは、実にに良いダシが出ます。その上、野菜の旨味がたっぷりとしみ込んだ大豆製品も、美味しくいただけます。

 食べられる落とし蓋…焼き豆腐。これは、どのような具の煮物にも合うんです。煮ものの味も上がりますしね。

 うま煮やお煮しめの味が今一つというときには、「焼き豆腐」落とし蓋をお試しあれ。(焼き豆腐を作るときの豆腐は、必ず国産大豆・本にがりのものを)。