キュウリの粕漬け

 昨日、教室で出し忘れた粕漬けです。

 (本日、冷蔵庫整理をしていて、たった今、出し忘れに気付きました)。

 せっかく、美味しく漬かっていたのに…。口惜しい。

 はい、アーンして、「アーン」!…。ったくもう。

 粕床渡すのは忘れなかったけど、肝心の試食品を忘れてましたわ。おボケです。

 これ、糠漬けキュウリをポリ袋に入れて、粕床(酒粕、味噌、砂糖)を入れて口を縛り、手でグチャグチャして冷蔵庫にポイっと1週間ほど放りこんでおけばできあがるのよ。とても簡単。

 1週間近くたてば、糠漬けの味と酒粕床の味が入れ替わります。

 で、キュウリを取り出した袋に残っている粕床に、今度は塩鮭を漬け込んで、また冷蔵庫に数日間ほど放りこんでおきます。

 お次は安い塩鮭が、美味しい粕漬けに変身。(粕漬け魚は、焼くときに焦げやすいので、火加減に気をつけてね)。

 野菜に使った後は、魚に使えるけれど、魚をつけた後の床で漬物野菜を漬けるのはダメよ。(順番を間違わないでね)。

 2,3回も使うと、粕床はかなり水っぽくなってくるので、ご用済みで捨ててしまいます。

 下漬けキュウリ2,3本に、粕床が大さじ山盛り2,3杯くらい。その後床に、塩鮭を3,4切れほど。

 普段の糠漬けや塩魚を食べ飽きたら、粕漬け風味を楽しんでください。

 ちなみに、教室で試食したサンマは、「糠漬け」サンマです。能登の「へしこ」を食べやすくしたような味で、美味しかったでしょう〜?(あれは、塩干魚に糠漬けの糠床を塗って、数日間漬け込むだけ)。塩サバで作っても美味しいですよ。

 普通、粕漬けや魚の糠漬けは、塩でしっかりと下漬けしたものを使うのですが、そこを手軽に普段の糠漬けで代用。これで十分。塩漬けよりも、糠漬けのほうが風味が複雑の深まって、もっと美味しく出来上がっちゃうのです。

 よろしゅうございますか。糠味噌は、塩に代わる「調味料」なんです。ただの漬物床にして、野菜の糠漬けだけじゃもったいないですよ。

色校

  本日の色校のゲラ確認で、酵母焼き菓子の本も「オシゴト完遂」。あとは、刷り上がりを待つだけとなります。

 (23日、配本らしい。)ということで、27日の教室は、新刊2冊分の「出版感謝パ〜ちー」料理だな。今から、メニューを練らなきゃ♪(オメデたくできている)。

 昨日の教室。低温長時間発酵(18時間)パン生地と、保温短時間発酵(6時間)生地の焼成比較が面白かったです。

 生地温度を下げてから一次発酵をスタートさせたものと、下げなかったものとでは、二次発酵の生地温度と時間(2時間)が同じでも、焼き上がりのボリュームに一目瞭然の大きな違いが現れました。

 生地温度を下げた長時間のものは、最後の最後まで締まり気味。比べて、保温短時間のものは、パンパカパーン!と大きく膨れ上がり、ド迫力のボリュームでした。

 同じ配合と、同じ生地分割量なのですが、まるで別物。発酵過程での違いが、こんなにもあからさまに生徒の目前で現れたのは初めてです。

 みんなも「わおーっ…・」と感嘆。

 二通りの生地を用意しておいてよかったと思いました。百聞は一見にしかず。

 作り手の都合によって、捏ねて保温して短時間発酵「当日焼成派」と、低温維持してオーバーナイトの「翌日焼成派」がいるんです。

 単純に言うならば、低温維持のパン生地は、二次発酵を(当日焼成派よりも)長めにしなければいけないことになります。

 スタート時点の発酵温度の高低は、生地そのものに大きく影響します。

 これは、「元種」と「中種」の違いにも言えることです。

 元種、中種、パン生地、これらは本質的には同じものなのですが、発酵過程の温度に違いがあります。元種が唯一、低温維持の冷却種生地です。しかし、中種やパン生地は、一度保温してガスを発生させています。

 そのあとには冷蔵庫で保冷して冷却しているのですが、「保温=ガス発生」生地というプロセスが加わります。ですから、中種を冷やしても、もはや元種と全く同一という性質ではなくなるのですね。

 元種でも、中種でも、パン生地の残りでも、それを種にしてパンは作れます。しかし、そのあとのパンづくり過程が微妙に違ってくるわけです。