森のパン屋さん

 体が自由に動くようになったのが嬉しくて(嗚呼、ぎっくり腰よ!)、一日中、「北国の森の小さなパン屋さん」を実践しておりました。

 昼前から始め、昼食や買い物をはさんで、三時のおやつの時間ころまで、私は森のパン屋さん(?)でした。

 ああ、懐かしい…。麻衣くっきいの時代が。いろいろなことを思い出してしまいました〜。

 お店で人気があった焼き菓子を思い出しながら作りました。

 とりあえず、本日の「営業」は、焼き菓子のガレット2種と、タルト2種を仕込めました。

・ファーブルトン。フランス(ブルターニュ)の家庭菓子。

 ブルトン・ガレットにしました。カスタード味。無花果のものと、バナナのものを作ってみました。どっち、好きかな?カスタードの卵の美味しさは、国分寺・永澤さんちの卵だぜー!どーだ、すごいだろー!

・シュネーバレーン(雪玉)。

 という名前にしたけど、ベルセゾン(美しい季節)とかに変えようかなあ…。それとも、ネージュとか?店のころは、かっこうつけないで、単純に「くるみの入った白いクッキー」という名前にしてたけど。(説明的すぎる。ブンガク的ではないな)。お名前未定。困ったな。
 北海道の冬のイメージの焼き菓子だべえ。雪のような砂糖に抱かれて、ごろごろ、木の実が(くるみなどのナッツ)がたくさん土の中で眠っているよ。春を待ちながら。

・クレームダマンド・ストロベリータルト。アーモンドクリームに包まれた苺を焼いて、タルトにしてみました。

 春を待つ北国のイメージ。雪の残る大地、でも、春はもうすぐそこまで来ています。この季節、やはり、イチゴだなあ…。でも、北海道では、苺って夏の果物なんだよ。

・オーブン焼きしたリンゴとレモン汁の焼きチーズケーキ。

 タルト生地にリンゴを敷いて、レモンをきかせたクリームチーズ生地を流して、焼きあげました。
 本当は、リンゴにミントを加えたかったのですが、手元にきらしていました…。(リンゴは、月並みなシナモンとかではなく、ミントとか紅茶などの香りづけが合いますよ)。

 このあとから、折りを見て、単品写真をのせながら、作り方のレシピを書きますね。どれも、全部、ちょーかんたん!子供でもつくれるようなレシピばかりです。
(なぜならば、魔法使いのバーサンは、今や、かなりボケかかっていて、難しいことは全部忘れているのですう〜。)

 結局は、シンプルなものが一番売れたしね、シンプルなものだけを体が作り方覚えているみたいなのです。

 ということで、本日第二弾の夕方報告でしたーっ。

 やはり、シンプルなものだけを作りたくなってしまうみたいなのです。

明日の教室のパン;パン オ レザン

 今週の教室のアイテム、パン オ レザン(レーズンパン)です。

配合はカンパーニュと同じで、めずらしいアイテムではないのですが…。

いつもはフランス粉とライ麦粉をブレンドし、あまり捏ねすぎないようにして生地を作りますが、今回は強力粉と細挽きライ麦粉を使って、よーく捏ねて、気泡の小さいフワフワ柔軟な(食パンのような)生地にしてみましょう。

レーズンパンは、レーズンの甘さが加わるので、少し柔らかい生地にするほうが、味のパランスがとれると思うのです。

硬いレーズンカンパーニュなら、どこかの酵母パン屋さんとかでも買えるしね。

配合は強力粉250g、ライ麦粉50gです。水は少し多めにね。225ccくらいです。ライ麦粉はドイツ産のメールダンケン。ライ麦粉としての香りはとても良い粉です。細挽きなので、優しい口当たり。

ガンガンガッツリと捏ねを入れたくなっちゃうような粉ですよ。で、強力粉の配合にしちゃった。

うん、これ、いいよ。普通の食べやすいパンみたいで。ふわふわしっとり。

ふわふわしっとりしたパンのほうが、実はうちの種に合うんですよね。中種法ですからねえ。よく捏ねている生地なので、焼き色も豊かに着きやすい。

パン生地は捏ねが少ないものよりも、捏ねが長いものの方が焼き上がりの成績が良いのです。焼き色が着きにくいオーブンレンジの人などは、普通よりも多めに捏ねを入れるほうがいいですね。

本日は、これから数種類の焼き菓子作りです。写真撮りたいだけです。別に食べたいというわけではなくて。

イメージしているのは森のパン屋さん。

果物やナッツを使って、ガレットやタルトを焼きあげます。三種類くらいなら、夕方までに作れるかなあ。

パンや焼き菓子の撮影には、午後、夕方近くのオレンジ色っぽい光が似合いますねえ。

・シュネーバレーン(くるみたっぷり、ほろほろしたバター生地のガレットで、粉雪のように粉砂糖がまぶされています。生地はロシアンクッキーみたいにしてみます。)

・苺タルト・クレームドアマンド(タルト生地にクレームドアマンドと苺の入れて焼いたもの。果物は季節によって変わります。ブルーベリーや洋ナシなども美味しいです。)

・ファーブルトン(カスタード生地の焼き菓子です。普通はプラムの赤ワイン煮などを入れるんだけれど、無花果とか、バナナとか入れても美味しいです。今回は白無花果を使います。)

(ブツは、そのまま明日の生徒の腹の中に収まるのであろうな…。もうじき、お雛様ですものね。酒ばっかり飲んでいないで、たまには女の子っぽい可愛いこともやらなきゃいけないぜえ〜)。

はい!ということで。

北国の山奥深く。カラマツ林を抜けて進むと、森の中に小さなパン屋さんがありました。

看板には「酵母パンと焼き菓子の店」と書かれています。

ハッカ飴色の扉をギギギッーと開けたとたん、あまーい匂いに包まれました。

古びた木の棚の上には、香ばしい香りの酵母パンが数種類ならんでいます。別な棚のほうには、何種類かの焼き菓子が置かれています。

派手なものは何一つありませんが、森の木漏れ日のような暖かい色のお菓子やパンたちばかりです。

「わー、何にしようなか〜」と思っていると、「お嬢さん、本日は何がよろしゅうございますかね?イヒヒヒヒヒ。」

と、奥から、黒いサングラスをかけた魔法使いが、煙草をくわえて出てきました。

ギャッ!

めでたし、めでたし。