コウジカビと青カビ

 バッチ〜イ…写真で恐縮でございます。

 豆味噌仕込みのシーズン中、酵母パンを長い間放置しておくと、種付けもしていないのに、パンにまでコウジカビが生えてきます。
 たいがいは、まるで味噌玉みたいに全面がウグイス色のコウジオカビで覆われるのですが、今回は(リッチなパンだったこともあり)珍しく青カビちゃんまでもが友情出演してくれました。で、今がチャンスとばかりに撮影。

 中央の2点のコロニーが、青カビちゃんです。レフで光を当てているので、実際の青っぽい色よりも、白灰色になっています。
 全体的に生えている緑色のカビが、私んちの可愛いコウジカビちゃんです。

 コウジカビちゃんと青カビちゃんは、似たような生態らしく、割と仲良しみたいです。味噌玉はきちんと種付けするので、ほかのカビがくることはほとんどありませんが、自然発生させる麹カビちゃんの場合は、お友達の青カビちゃんを招くこともあります。まあ、このような感じで生えてきます。ごちゃまぜには生えず、割とちまちまと住み分けた感じで生えます。

 ですから、万が一、味噌玉に青カビ等の不必要なカビが生えてきた場合は、早いうちにその部分だけを取り除き、はげてしまった部分に正常なカビの胞子をぺっぺっと付着させておけばいいのです。毛カビは取り除きにくいのですが、青カビは割と除去しやすいです。

 種麹そのものや種付けの仕方が良くない場合は、全面にぶつぶつと、青春時代のニキビ面みたいな散布のしかたで不必要なカビがさまざま生えてきます。
 もう、こうなると悪いヤツを取り除くのは無理なので、正常なコウジカビだけをピンセットなどで採取して、それを蒸し大豆で増殖させて増やすほうがマシでしょう。

 一切の種付けをせず、全くの自然発生からコウジカビを採取して増殖させる場合も同様に行います。
 環境の大気中には、必ず豆味噌麹になるコウジカビも浮遊していて、自然発生でもコウジカビの菌を採取することは可能です。

 これは子供のころの昆虫採集みたいな気分で、なかなか楽しいものです。(と、ここまで書いて、カビなんぞを採取して増殖し、パン種だの豆味噌だのたまり醤油だのを作って喜んでいるのは私くらいだよな…・と反省)。

おかまがいっぱい

 名札を張られたご飯炊きのおかまが並ぶ昨今です。

 北海道米の食べ比べなのよん。ふだんの倍は食べちゃっているなあ…。その上、3時のおやつもご飯。な〜なななんと幸せなお仕事。

 以前は、きららくらいしか知らなかったけど、今はずいぶんいろいろあるんですね〜。
ほしのゆめ、ななつぼし、ゆきひかり、あやひめ、おぼろづき、ふっくりんこ…。

 名前を並べてみるだけでも微笑ましい。食べるともっと微笑ましい。よくぞ、ここまで美味しくなったものです。私が子供のころの北海道米は北海道人ですら、マズイというお味だったようです。だから、お金持ちの家は「内地米」を食べていた。我が実家は当然、北海道米オンリーでした。だから、不味いという実感はなかったのだけれどね。
 でも、東京に初めて出て来た時に、お米の味が全然違うので、びっくりした記憶は鮮明です。「なに、これ、モチ米?」と思いましたもの。

 冷めてももっちりしていて、おにぎりや弁当に向くお米、上に具をのせていただくどんぶりものものに向くお米、スパイシーなタイ料理やインド料理に向くさらっとしたお米。個性豊かになったなあー。嬉しいなあ。

 でも、一番感動したのは「ゆきひかり」です。これは、さらっとした粘りのないお米で、でも、噛めば噛むほど美味しさがにじみ出てくる奥深いうまみ。このお米の味、北海道の味そのものです。もう、すごく、北海道なの!風とか、空とか、水とかの匂いが全部込められている。口にこびない個性的な米です。ごはんだけをずーっとかみしめていたくなるような米。いくら食べても口が飽きないの。こんな美味しさは初めてです。

 もちっとした米が人気の主流らしいけれど、ゆきひかりのような個性的なお米は、明らかに料理の幅を広げてくれますね。
 ピラフ、バターライス、リゾット、カレーなど、さらっとしたお米が欲しいときは、バスマティーライスを使っていたけど、絶対に、ゆきひかりのほうがいい。(バスマティーは冷えると割れて砕けちゃうし、値段は魚沼コシヒカリ並みの価格ですもの。香りはすばらしいけど、何かと不都合です。バスマティーはあまり噛まずにパスタ感覚で食べるお米で、日本人の私には、やはり物足りなかった)。

 ゆきひかりを「バター醤油かけご飯」にして食べたい。バター醤油かけご飯は、北海道の隠れた郷土料理(?)です。まあ、そのあとから、ピラフとかタイ料理とかカレーなどを試作してみますけどね。
 まずは、バター醤油かけご飯だ!バター醤油かけご飯は粘り気のあるご飯よりは、ぱらっとした身の締まったご飯の方が断然合うんです。嬉しいなあ。

 残りの豆味噌1樽から、意地と根性で、たまり醤油を採り出しました。