へしこ(魚の糠漬け)

 試食が先行して、今年も撮影が後回しになっちゃいました。(鮭のいずしに至っては、写真を1枚も撮影しないうちに、全部食べちゃった…。)写真右が焼いたもの、左が生を薄切りにしたものです。

 残り1尾のサンマの糠漬けを本日やっとデジカメにおさめました。でも、魚の糠漬けづくりはこれからが本番です。旬で安くなたサンマや鮭をたくさん買い込んで、今回は「へしこ」も「いずし」かなり多めに仕込んでおきました。

 サンマの糠漬けを生まれて初めて生で食べてみました。う、うまい!なぜ、今まで生で食べなかったのだろうかと思うほど美味しいのです。(いずしのほうは当然、生で食べるのですが)。米糠の乳酸発酵でしょうか。さわやかな酸味がありました。焼いて食べると気付かなかったのですが、乳酸発酵による旨味が強いのです。乳酸菌が腐敗や雑菌の繁殖を抑え、発酵に導いて旨味を発生させているんでしょうね。まさしく米の乳酸発酵を利用する「なれずし」です。酢で〆たものなどとは比べモノにならないほどコクのある自然発酵的な酸味=旨味です。塩漬け数日間、糠漬け最低でも3週間以上と、時間はかかるのですが、作る価値あり!ですよ。

 一応、レシピでは数字を書きますが、本来、全然計量なんかせず、ほとんどカンで作るんですよ。サンマ1尾に対し、塩をティースプーンで山盛り1くらいの感じ。どんと重石をのせて数日放っておく。(すでにこの段階でプーンと発酵臭がしてくる)。水気を切って、適当に塩とトウガラシと焼酎を混ぜた糠に漬けこんで、また重しをドーンと載せておけば出来上がり。
 春や秋くらいの温度以下なら=20度〜23度ほどの日中気温(夜間はもっと下がる)なら、常温放置でも大丈夫です。それ以上温度が高い場合は冷蔵庫のほうがいいでしょう。
 東京は昨日、今日と発酵食仕込みには嬉しい温度になりましたが、いま一つ、安心できないお天気ですね。晴れたら温度はまだ上がります。常温放置は来月の11月から行います。今のところは、冷蔵庫です。