糠漬け作りのための魚の塩漬け

 台風一過の昨日と今日の晴天!嬉しい青空。でも、朝の光が眩しすぎて、逆にデジカメの画面が暗く写っちゃうんだよなあ…。へたくそめー。

 めんご、めんご。写真が暗くて見えにくいでしょ。糠漬け作りのための魚の塩漬けです。(被写体が何が何やらわからないでしょ)。新鮮な北海道のサンマちゃんです。

 塩漬けは最初のうちはアンチョビーつくりと同じ。高塩分の塩漬けにして、重たーい重石を乗せておき、水分を滲みださせます。(魚からにじみ出た水、写っているかな?)4,5日、このまま塩漬け。

 そのあと、魚を引き出して、糠に漬け込みます。糠にも5%くらい塩を混ぜます。そのほか、ほんの少しの焼酎や、好みで赤唐辛子とか。まあ、このへんは手加減で。自分の味を演出する部分。私は山椒の実が好き。(私の娘は山椒の実のことを「匂いは蝶々、歯ごたえはてんとう虫なので嫌い」という。あの人、蝶々やてんとう虫、食ったことあるのかねえ。親の顔が見たいもんだ)。

 そしてまた、重石をのせて長い期間寝かせて、自然に発酵させます。

 今回は魚の内臓をきれいに取り除きました。私、本当は内臓もつけたまま丸ごとの魚を漬け込むのほうが好きなのです。発酵したハラワタの部分が一番美味しいから。(どう、ゲテモノ食いでしょ?)。
 でも…・。ところがですねえ…。

はい。ここで質問です。内臓をつけたままの丸ごとの魚を長期間、自然発酵させると、さ〜て、いったい、どーなるでしょうかっ!?

答え;消えて無くなる

 ガハハハハ!「カナブン」と答えた人がいるかもね。残念でした。正解は消えて無くなる…のでございますよ。

 お魚さんは「自己分解酵素」というものを(たぶん内臓に、たぶん脾臓あたりかな)持っていて、お亡くなりになると、その酵素が働いて溶けて水になり消えていってしまうのですよ。海の水に還るのねえ…。エライよねえ…。

 古代ギリシャの哲学者タレス(だったっけ?)が、「すべてのものは水から生まれ、水に還る」と言ったらしいけれど、お魚さんはタレスの言葉を具現しているんだねえ。哲学的やなあ〜。ホンマ、ご立派どすわ。

 お魚さんの哲学もタレスのことも知らない私は、以前、魚をハラワタつきの丸ごとで糠漬けにしたことがあります。魚の糠漬けは長く発酵させればさせるほど旨い。長期間の漬け込みの後、糠床をほじくりまわして魚を探したのですが…。

 なんと、1匹も見当たらず、まるで狐につままれたような思いで、あぜーん。「なぜ、ないの?」。しかし、お魚さんがおられた形跡はある。糠床には仄かに魚存在の形跡が見られた。在るものが無になる…。私はからっぽの糠床を茫然と眺めながら、やっとお魚さんの哲学に気づいたのでございました。死して無に帰す。

 見習おうではございませんか。しかし、今回は無に帰されては困るので、内臓はちゃんと抜いておいたのです。(あー、また、発酵食改訂版の原稿内容を垂れ流してしまった。出たら、ちゃーんと買って読めよなあ…。ブログ・タダ読み逃げ禁止)。