明日はお教室です

 台風一過。

 普通、台風の後はお天気が良くなって気温が急上昇する。明日の教室の判断がきわめてビミューな路線。本日は雨上がりのせいで、一次的に気温そのものは、さほど高くはないけれど。でも、明日が怖い…。晴れたらヤバイ。かなりイキそうだ。

 安全路線のアイテムを考え出す。生地はそこそこ路線のリーンに近い配合。食パン程度の配合。
 赤ワイン漬けのいちじくと、ラム酒漬けのレーズンと、ローストして粉砕したくるみを混ぜて具のあんを作る。どことなく秋っぽい具のあんにしてしまう。
 平たくのしたパン生地に、あんを広げて塗りたくり、くるくると海苔巻のように巻き上げる。縦に二つ割りにして、二本をひねり合わせてスパイラル成形。型に入れて仕上げ発酵。

 暑くなって生地だれしても、何とか形になるようにケース詰め、暑くなっても成形しやすいように油脂配合は最小限にして、暑くなっても生地が触れるように平パン同様のシート状の生地で一次発酵をスタートさせて…・と。でも、そろそろ、パンらしいアイテムをやらなければいけないので、仕上がりはパンらしくなるように・・と。ベストのレシピではないが、ビミューな状況でパン作りをする悪知恵です。

 まあ、これで、気温が上がっても下がっても、なんとかパンらしきものは出来上がるであろう…・。が、ビミューだ…・。(わたしゃあ、明日が怖い)。本日のサンプル作製は、あまり出来が良くないし…。(いま一つ、この微妙な季節変化に順応できないでいる。正直言って、猛暑の後の台風の湿気なので、しんどい)。

 本日は今シーズン初の「いずし」と「秋刀魚の糠漬け」を仕込んでおいた。

 いずしは、生鮭をご飯と麹で漬けこむ「なれずし」です。

 魚の糠漬けは、塩漬けして水分を抜いた魚を米糠に漬けて発酵させる保存食。

 魚の糠漬けは、北海道では必ず焼いて食べるのですが、若狭のほうにも全く同様のものがあり「へしこ」と呼ばれているそうで…。それは生で食べたりするようです。生で食べるというのは初めて知ったことなので…かなり驚きです。糠漬けは半年とか1年とか長い期間保存するものなので、え、生で?という感じ。

 秋の気配を感じると、まっ先に仕込む海産物の発酵食が、「いずし」と「糠漬け」と「イカの沖漬け」です。初物は、全部、ほんの少しずつですけどね。すぐに食べさせてあげれるものはイカの沖漬けだけで、いずしも糠漬けも1か月くらいあとですよ。(じっと我慢のパン教室です。発酵というものは時間がかかるものなんです)。イカの沖漬けは今シーズン初絞りのたまり醤油で漬けこみます。初物は本当にうれしいものです。

  
 さ来週の農文協「うかたま」冬号の撮影用に、早すぎるけれど白菜漬けも仕込んでおいた。これは白菜をワザと乳酸発酵させて酸っぱい漬物にして、シュークルート料理に使おうという魂胆。普通はザワークラウトを使うけれど、日本の酸っぱくなった漬物を使うほうが、もっと美味しくできるのね。燻した塩肉(ベーコンやソーセージ)と発酵して酸っぱくなった漬物の旨味成分をかち合わせて煮込む味の芸術作品。なんて素敵な味の組み合わせ!(日本の鰹節だって、発酵と燻しで生み出した旨味なんだよ)。

 まだまだ、蒸し蒸し暑いけれど、ちゃくちゃくと秋に向けた季節移りのための準備。