ご近所の鯉のぼり受難

  風の強い日です。買い物帰りに見上げたご近所の鯉のぼりが大災難に見舞われていた。黒くて大きなお父さん鯉は縦に裂け、鯉の開きになり、その上、尻尾の先が下にひっかかっている。鯉のぼりの開きはまるでヨットの帆状態。強風を受けて、ポールが折れそうなほど風に揺れ、暴れ狂っている。
 赤いお母さん鯉のぼりが消えている。と、・・はっ!と気付けば、赤い鯉のぼりは、力尽き果て、ちぎれ飛んだようだ。お母さん鯉は、お向かいさんちの電線にとぐろをまくように絡まって、しっぽと頭だけをベラベラバタバタ風にはためかせていた。

 やばいなあ。ポールが折れでもしたら危険だ。電線のお母さん鯉も、放っておいたら危険だ。ご近所さんのドアチャイムを押してみた。(面識のない方だけれど)。
 留守だ。誰も出てこない。実にやばい。休日なのでお出かけの様子。困ったな。どうしよう。

 が、しかし。なすすべなく立ち去った。見て見ぬふりをするしかなくなった。

 昨日は庭のアースオーブンの上に、カラスが焼き鮭を一切れ置いて行った。もう、それだけでも、まーくんと二人で爆笑だったのに。さらに…。
 本日は銀ダラの味噌漬け焼きを(ご飯付きのサービス品だ!)、また置いて行っちゃった。いったい、なにのつもりなんだろうか。カラスの恩返し?(恩を返されるようなことは何もしていない)。それとも、ただ、馬鹿にしているだけなのだろうか?
 まさか、私を養ってくれようとしているんじゃなかろうね?

 いくらビンボだからって、カラスに養ってもらうわけにはいかないのになあ。しかし、そのまま一品皿に盛れそうなほどの切り身魚が、アースオーブンの上にちょこんと置いてあるのって、なかなかかなりシュールな風景なんですけど…・。
 カラスさん。お気もちはありがたいけれど、掃除が面倒なので、私への餌運びはやめておくれよ。こちらの気も知らず、私のメダカちゃんたちの泳ぐ睡蓮鉢の水をゆうゆうと飲み、水浴びしていくカラスめが。