もう5月

  もう5月。早いなあ。焦るなあ。

 5月の教室案内を今日になってやっとあちこちへメール送付した。ここのところ、パソコンから離れていたくてしょうがない。2ヶ月間も朝から夜中まで休みなく電磁波を浴びまくっていた反動に違いない。

 晴れて暖かくなった日曜日。お弁当を持ってマークンと国分寺跡の原っぱまで行き、木陰でお昼ごはん。そのあと黒鐘公園を突っ切って、裏山の武蔵野の林の中を歩きまわった。木立を抜けると隣街の府中市。黒鐘公園のすぐ向こうは隣駅の西国分寺。ずいぶんと歩き回って帰宅すると、すでに夕方だった。時間というものはゴムのように伸び縮みするらしい。林の呼気のせいか、まるで温泉上がりのようにポーっと呆けて弛緩した気分。ゴム、伸びきっていた。長い長いランチタイムだった。国分寺跡の農家から、地場の野菜を買って帰ったが、その日は料理しなかった。

 翌日の月曜日。朝からめちゃくちゃ料理ばかりしていたい気分。ありとあらゆる野菜を使い、朝から晩まで水屋仕事みたいに作り置きの常備菜を何品も作った。なんだか気分がすっきりした。月曜日も仕事らしい仕事は一切なし。しかし、立ちっぱなし動きっぱなしなので、心地よく疲れた。マークン、最近仕事疲れのせいか、甘いものを食べたがる。よもぎ団子用に作った餡が残っていたので、粟国の黒糖でシフォンケーキのような黒糖蒸し饅頭を餡入りで作った。昔取った杵柄で、手作りというよりはおしゃれなカジュアル和菓子ケーキみたいになった。まるで商品だ。マークンいわく。「これ原価いくら?売れるよね、これなら」。当たり前です。以前は店でバンバン売っていたのだから。「僕、弘子さんの和菓子の隠れファンなんです」。
 別に隠れなくてもいいじゃん。

 火曜日。そろそろまじめにパソコンに向かって仕事らしきものを開始しなければと思ったとたん、メールがセキュリティー防御で固まってしまっていた。何をやっても動かない。げろげろ。やばい。また、やられた。開こうとした添付ファイルをビスタが警戒したみたいだ。警告を無視した私が悪かった。(腺病質な弱虫ビスタめ)。
 アンインストーラーを稼働させて、vistaの強力なセキュリティーを一時的にアンインストールで解除。呪いの呪縛を解き、メール画面を無理やり強引に動かす。そして、またマカフィーを再インストール。いったい、いつまで私はこんな無意味なことを繰り返し、時間を浪費すれば気が済むのか?ゴム、パチンと縮んだ。痛かった。

 もっと原始的な仕事がしたい。山野を駆けまわるような。風の中を歩くような。火にあぶられて薪の煙にむせかえるような。おひさまに抱かれて焼かれるような。深い雪に温かく埋もれて眠るるような。星空に吸い寄せられて昇るるような。
 そんな仕事の状況を自分で作りださなきゃなあ…。