おせりの後始末はブイヨン引き

 写真を撮らなかったのが残念ダア〜。「ヤバイ状況」になってきた「おせち」を本日、全部違うものに生まれ変わらせたのダア〜。

 おせちで食べ残した・お煮しめ、昆布巻き、叩きゴボウ、田作り、鶏肉の照り焼きなどは、年末の料理に出た野菜くずや鶏がらなどと共に、コトコト煮出して、ぜーんぶブイヨンにしてしまったのですよ。(まあ、毎年のことだけどね)。どれもこれも一人分とは言えないほど、ちまちま残っていたのです。とても美味しいブイヨンが引けました。本日は、その冷凍保存作業と、それでも余剰してしまったブイヨンで、トン汁作りでした。(このトン汁も最高に美味いです!ぜひ、お試しください)。

 最低最悪なのが、きんとん、そして黒豆。(きんとんは栗きんとんと、白花豆・百合根のきんとんの2種類)。これらもビミョーに残った…。黒豆はシロップ漬けの柚子風味にしてあるので、さほど甘くはない。五目煮などの煮物に使えます。問題はきんとん。これはペストリー生地(クロワッサンみたいなパン生地)を本日仕込んで、明日にでも、しゃーしゃーと甘いペストリー(マロンだのビーンズだのと名前を変えて)のトッピングやフィリングにして焼き上げます。本日、今一度火入れして、余分な水分を飛ばさなきゃパン生地やパイ生地には使えないけどね。生クリームなどを混ぜると、きんとんはとたんに洋風の素材になるのです。
 問題は数の子。これは困る。私は鰊の切り込みに混ぜ込んで、塩辛状態に持ち込むのですが、これは典型的な北海道の食い物。「鰊の切り込みって何?」とまいど問われる。「塩辛ですよ、魚の…」。北海道人はこの切り込みに数の子を混ぜ込むのです。それ以外なら、松前づけに混ぜ込む。しかし、内地では途方にくれるほど数の子(鰊の魚卵)の活用法料理が少ない。
 おせち料理衰退の原因は、(たいがい、おせちは最後には残って持て余される)、繰り回しの活用料理法をみんな知らないからなんだろうなあ。

 おせちの教室、毎年、誰からも予約が入らないもんな…。正月料理なんか、いまどき若い人は作らないのだろう。というか、私より年上のオバサン(50代のバーサンか?)すらも、今は作らないからねえ…。20代半ばの娘の麻衣や、30才過ぎたばかりの昌弘ですら、喜んで食べてくれたおせち料理なんだけど、「作る」という不条理な行為はどんどん廃れていって、「買う」「食べる」くらいが、残るんだろうなあ〜。「作る」は「商業的業務生産」にとって代わられるんだろうなあ…・。
 私は、生きてるうちだけは、愛する人たちのためにだけでも、毎年、こてこて手作りしよう〜っと。