嗚呼、更年期障害!

 ヤバッ!また、出てしまった…。頭グラグラ、(まるで、長風呂でのぼせたような首から上の感覚)、心臓パフパフ、気分ユーウツ。金欠病のときに決まって出てくる私の「更年期障害」。

 48という我が歳を考えずに、一年前はこの症状を「脳腫瘍ができて、その上、心臓発作までおきている。もう、ダメだ。死ぬかもしれない」と大騒ぎ。ナースをやっている娘に「心臓病ではなく、婦人科だよ」と教えられ、勧められてられて受診した。心臓発作でも脳腫瘍でもなく、更年期障害だった。「お歳なのよ〜」とあっさり言われたときの、あのショック。確かに、自分の歳を忘れていた。現世の永劫回帰のごとく、めくるめく金欠病。生存不可能と断言できる数値の悪循環。泥沼カオスの中で、それでも生きているのは、我ながら超人的とすら言える。(預金残高138円という記録をさらに更新し、19円という新記録を樹立した。これを超人と呼ばずに何と呼ぼう)。

 現実逃避をするかのごとく、ハッサン・バイエフ氏の著作「誓い」を読みふける。あ、一応、これ仕事ね。書評コラムの締め切り1週間前。メチャページ数が多い分厚い本なのです。バイエフ氏、先月まで日本に来ていて講演してましたねえ。行きたかったけど、行けなかった。チェチェン(正確にはチェニチュアと言うそうです)のお医者さんで、敵味方の区別無く治療活動を続けた人間。初めて、まざまざと知るチェチェンの過酷な現状。ロシアとチェチェンの関係。チェチェンの過酷な歴史。(今、私、チェチェン民族の大ファンになっているところなのよ。ハッサン・バイエフ氏のみならずね)。チェチェンの現状が書かれた本、日本ではあまりないみたいなのです。「誓い」はアスペクトが出版しています。(ぜひ、買って読んでください!すごい本です。でも、私は何せ19円人間なので、「金ないけど読みたいから送ってちょ〜だーい」、と副編集長に甘えてゲット)。人間って、すごいいいいいい。と思えるようになる本。良くも悪くも人間ってすごいいいいいいいいいいい。と、考えると、今の自分の状況など、屁みたいなもんだとも思える。そうじゃ、超人とは屁だったのである。
 あかん。頭グラグラノせいで、完璧にぶっ飛んでおる。生存の不安、死の影、その裏側にぺっとりと張り付いている生への希求。力への意志。預金残高の更新記録を出すと、どういうわけかテツガクテキになるのである。