折込みパイとクロワッサン生地の中間的生地作り、成功しました!

 表面の皮1枚でも剥脱すると、ただそれだけで売り物にはならなくなる折込パイ。この欠点を何とか改善したくて…。でも、クロワッサンじゃパンのジャンルに入れられてしまうし。

 折り込みパイ生地にパン種(中種)を混ぜ込み、後は全く普通の折り込みパイ生地を作りました。それを無発酵のパイ生地同様に焼き上げてみますと・・。

 おおーっ!やはり、想定していた通り、パイ生地とクロワッサンの中間的なものになりました。カサカサと羽根のように軽く重なっていたパイ生地は、ほんの少しだけ落ち着いた状態になり、一触即発のあやうさ、もろさから脱却。どことなく中はクロワッサン的な芳香を放ているし、でも、羽根のように軽いパイ生地の1層1層は従来どおり軽いままですし!やった〜!これなら使える。新しいレシピ開拓成功だ。

 ぺとぺとになるまで茶色く炒めたたまねぎをのせてローレヌキッシュにして、さらにその上にチーズとベーコンをのせて焼きました。(たまねぎだけですと焦げやすくなる)。生地の中にもチーズとハムをはさみました。上出来でございます。冷めたら6等分くらいに切り分けます。

 生地は四つ折・三つ折、30分〜1時間ほど冷蔵庫でベンチタイムの後にまた、四つ折・三つ折。折り終えた生地を一晩冷蔵庫で寝かせて、翌朝に焼成。
 無発酵生地の折り込みパイよりも、ずっと風味も味も上。でも、クロワッサンほどはパン生地っぽくはない。ほとんどパイではありますが、ほのかな発酵風味。今後、うちの教室の折り込み生地はこれに変換しよう。二次発酵で7,8時間も待つ必要もないしねえ。折り方は従来とは変わるけれど、ベンチタイムは変わらない。逆に、クロワッサンより、ずーっとこっちのほうがラクで簡単だ。クロワッサンサンドイッチの変形バージョンもいろいろ作れる。クロワッサンそのものならサンドイッチへのアレンジも限られているが、パイ生地となると調理バージョンも無限に広がる!
 嬉しいなー、新しいレシピ。早くみんなに教えなきゃ。なんだか、自分で店をまたやりたくなってきちゃった。他人にやらせるより、自分でやるほうが手っ取り早いし、ましてや、あんな下手なやり方は絶対にしないしね。何をして何をすべきではないかくらい、すでに充分熟知している。人を見ていると、かなりイライラしてしまうのです。なんで、そのくらいできないの〜、なんで、そのくらい分からないの〜、なんで、自分の作りたいものくらい自分で考え出せないの〜作り出せないの〜?もー、ったくう〜。みたいな心境になり、精神衛生上よろしくないです。早い話、ゼロから何かを生み出せる人間じゃないと、店なんかやろうとしても無駄です。料理も考え出せず作り出せないのに、食べ物の店や仕事をやろうと思うのは愚かです。食べ物なら毎日食ってるし簡単だろう程度の安直かつ軽率かつ拙速かつ幼稚な動機や企画では、全ては失敗に終わると思いますね。早い話、作れた者勝ちです。

はい、これがイカ墨煮、すぐ次の記事に移りますけど

 石炭を消し炭で煮しめたたような里芋のイカ墨煮を改めて…第二弾。イカ2はい分のイカ墨と肝臓で煮た里芋の味噌煮。こうなると、ちゃんと芋もイカも、その正体が垣間見られて、さほど衝撃的でもなければアバンギャルドでもない。言うなれば、里芋とイカを泥で煮詰めた…とでも表現したい表情の煮物になるわけでございます。見た目の悪さを気にしなければ、大根などでも作れます。ただし、イカの内臓(スミや肝臓)を使う場合は必ず刺身用の極新鮮なものでなければいけません。少しでも古いものを使うと、この料理は別物になり、生臭くて脂臭くて食べられないシロモノになってしまうからです。
 では、次の画面へと移ります。ローレーヌキッシュのアレンジバージョンが成功したからです。