味噌玉を乾燥させる方法

 豆味噌作りは二通りのやり方があるようです。ひとつは前回に掲載したものです、味噌玉の外側に菌を付けて、保温・保湿して外側にカビを生やす方法。これは保温・保湿のせいでカビの育成が早く、味噌玉を作ってから数日〜1週間目くらいで本仕込みの塩漬けに入ることができます。

 もうひとつの方法は味噌玉の中に菌を混ぜ込み、それを乾燥させて中にカビを育成する方法。これは空気の少ない味噌玉の中にカビを生やすので2ヶ月間ほど時間がかかります。カビは空気の好きな菌なので味噌玉の中で繁殖するのも、なかなか苦労がいることでしょう。しかし、外側にカビを迅速に生やそうとして保温・保湿を行うと納豆菌に取り付かれる恐れが増大します。毎度、味噌玉を納豆臭くして失敗する方は、この乾燥法のほうがやりやすいと思います。時間こそかなり長くかかりますが、気を長くして味噌玉に付き合うのも悪くはありません。これは2月か3月に干し始めたら、2ヵ月後くらいの4月、5月くらいに本仕込みの塩漬けに入ります。数日〜1週間目で即、本仕込にはいれるものと、本仕込が2ヶ月も先になるのとでは、どちらがいいか…と、まあ、このような天秤にかけてしまいます。
 私は中にも菌を混ぜ込み、外側にも菌をまぶし、保温・保湿はさほどせずに放任的な作り方をしています。外側にカビが生えてくるもよし。生えてこなくても気長に待てば大丈夫…。という「不確定」で「未定」のカビ任せのやり方です。私にはこれが一番合っているようです。

 写真は干し始めて2日目の味噌玉。(今現在はもっと日がたち乾燥して茶色くなって縮こまっていますが。)干し始めて3,4日後。味噌玉を割って中の匂いを嗅ぐと酸臭がします。これは乳酸菌の働き始めた匂い。乳酸菌が繁殖すると、腐敗の恐れはなくなります。安心して1〜2ヶ月間ほど常温で放置しましょう。