ペクチン液とりんごの皮の抽出液

 柚子とかスダチとかの残り皮(白い部分)や種にひたひたの水を加えてクツクツと20分くらい煮ると、とろ〜っとした液体が抽出されます。これは別に美味しいものではなく、苦くて酸っぱいまったりした味わいの液体です。これが柑橘系果物の天然ペクチン液。

 紅玉など赤いりんごの皮をこの液に入れて、クツクツ15分くらい煮て、少しの間、放置しておくと、この液体はキレイな紅色に染まります。りんごの皮の色素がペクチン液に抽出された状態です。
 このピンク色のトロ〜リとした液体も別段美味しいものではありません。ただの天然色素入りのペクチン液です。

 さて、りんごの甘煮を作るとき、このピンク色の液体を適量(たくさん入れたら苦くなる)加えます。りんごの甘煮はピンク色にトロ〜ンと染まります。

 まあ、こんなことって大したことではないのですが、りんごの甘煮がトロ〜ンとピンク色(合成着色ではなく)になるのって、ちょっと可愛いとは思いませんか?

 これからの季節。柑橘系果物やりんごの残渣が台所に出ます。そのようなものも無駄にせず、ちょっとした一手間でお菓子作りに役立つ色素や、とろみ(普通は添加物を使うところだけれど)を生み出すことができます。ゴミにせず、何かに生かすと、けっこう気分いいものなのですけど。

 自然の生み出す色合いって、本当にきれいなんだよねえ。なんで、あんなにキレイな色が自然界に存在するのだろうか?いつも、いつも不思議になります。